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パステルカラーで生きている


パステルカラーで生きている。わたしには原色の世界って、眩しすぎるみたい。プラス白くらいが、生きやすい。


「何言ってんの?」

「意味わからん」


そう言われるって、わかっているから。わざわざ人には話さないけど。


例えるなら、喜怒哀楽の「怒」を薄める感じ。怒るって、わたしには難しいことなんだ。


怒ることがない訳じゃない。


ただ、上手に怒れないだけ。


わたしの「怒」は「哀」と、お友達。


怒るとね?


すっごく、悲しい気持ちになるの。


だからわたしは、怒っている時の、自分が嫌い……。


じゃあ、好きってなんだろう。


わくわくすること?

心を揺さぶられること?

それとも、恋?


恋は、甘くて酸っぱいらしい。

わたしには、苦くてやわらかくて、痛かった。


人に話す初恋の人は、架空の恋。


クラスの女の子たちが好きそうな優しい男の子の名前を口にした。


「普通」の枠に、引っかかっていたかったんだ。


今も、そう。普通の人に、なりたいって思ってる。


だけど、難しいね?


フツーの人になりたいのに。

「普通だね」って言われることに、怯えてる。


怖いんだ。


普通の生き方なんて、知らないのに。普通だって言われるのが。


「ちょっと変だよね?」


うん、知ってる。物心ついた頃から言われてるから。


「すっごく変」じゃないけど「ちょっと変だね」って。


同じに聞こえる?


ううん、全然違うよ。

すっごくと、ちょっとの間には、見えない壁があるんだ。


ギリギリ普通のラインに、居られるかどうかの。


でもさ、ごめんね?

わたしは、みんなも変だって思ってる。


なんで感情に、感触がないんだろう?とか。


どうして人に、温度や色を感じないんだろう?とか。


何よりも不思議なのは、自分の色がわからないこと。


好きな色じゃなくて、自分の色。

自分が今、生きている色。


世界は、色に溢れている。


だからわたしは今日も、フィルター越しに世界を眺める。自分らしい日々を送るために。

この作品はいかがでしたか?

116

コメント

10

ユーザー

淡い色が浮かんでくるストーリーでした。

ユーザー

すごく綺麗。。

ユーザー

自分を取り巻く世界の濃淡を見つめて生きているんだなあと感じました。色彩が目に浮かぶような素敵なストーリーでした。

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