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〈 余 命 女 子 の 初 恋 〉
E p i s o d e 8
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1日ずーーっと病室にいただけなのに、
時間の感覚がおかしい。
今が昼なのか、それとも夜なのか。
外も見る気がないからわからない。
一応カレンダーはテレビの隣にあるけど、
正直今日が何日かとかどうでもいい。
とりあえず、碧斗くんと夕凪が来る日は平日。
それだけはなぜか覚えてた。
ガラガラガラ
この音が平日を知らせる合図。
碧)来たよー!
夕)碧斗うるさい、
実)笑笑
碧)、、、実琴、無理してるでしょ
やっぱり気づくか、笑
なんで気づくのって言ったら好きだから、とか言いそう。
実)無理なんかしてないよ
碧)噓つき、彼氏くらいには頼ってよ、
なんとなくだけど、碧斗くんが泣いてるように見えた。
目が、悲しそう。
実)彼氏だからだよ、
碧)へ、?
実)彼氏だからできるだけ頼りたくないの!
当たりがシーンと静まる。
その沈黙を破ったのは、意外にも夕凪だった。
夕)碧斗さ、いい加減にしな。
いくら実琴ちゃんの彼氏だからって、わがまま言っちゃ駄目だよ
碧)わがままじゃな、
夕)ほかの人が困ってたらわがまま枠
碧)そんなこと誰が決めたん?夕凪?それとも先生?誰だよ!
夕)もういい、帰るから。あ、これ今日のノート
夕凪の足音はそんな大きくないはずなのに、私にはとても大きな音に聞こえた。
私と碧斗くんなんか釣り合わない。
実)やっぱさ、私と碧斗くん釣り合わないよね、笑 別れよ?
自分でも、何言ってるかよくわかんない。
なんとなく、別れた方が向こうも幸せだし、私も幸せだろう。
そんなふうに考えたのは、多分普通のこと。
碧)そんなに“俺”のこと嫌い、?
嫌いじゃない。そう言えたらいいのに。
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