テラーノベル
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「ふざけんな…..なんで俺がこんな目に会わないといけないんだよ!!悪い奴らを殺しただけじゃないか。なんで、悪いやつを殺した俺が殺されないといけないんだ!」
齋藤 匠は処刑台で叫んだ。今まで300人もの悪人(軽犯罪者込み。)を殺してきた自分が全て正しい。そう、処刑台の上で言った。
最初の殺人から数ヶ月で300人もの悪人を殺した。裁判は行われなかった。異例の特例中の特例。死刑即刻執行。
「くぞがっ!!俺は、俺は絶対に諦めないからな!善人は天国に、悪人は地獄に、そう決まっているだろ! 」
匠の叫びが止まる。絞首刑での死刑が執行された。死んだ匠の顔は警察が1人漏らすくらい不気味か笑みだった。
死刑執行後。死刑の死体の今後の行方その他諸々を資料にまとめていた。
「善人は天国へ、悪人は地獄へ、か….。」
匠の最後の言葉をぽつりと呟く。
警官井原 四郎は1か月前交通事故で亡くなった妻のことを思い出していた。
嫁は天国へ行けているだろうか。自分の人生を振り返ってみても嫁ほどの善人はいなかった。
どうか、嫁だけでも天国に行けてるよう願う。
オフィスの天井を見ながら手を握り合わせ願う。願いが終わったあとは仕事に戻った。
匠。あいつは天国と地獄どっちに行っているだろうか。一般人から言えば間違いなく地獄だろう。でも、それでも、神様から見たら自分の信念にしたがって悪人を殺し続けた善人に見えるかもしれない。
そんな訳の分からないことを考えてしまっていた。疲れているのかもな。そう思うことにした。
しかし、頭から離れない。昔から少しでも気になったら解決をするか他の悩みができないと落ち着かない体質なんだ。
2037年。10月30日。死刑囚匠と共に警官1人死亡。
ニュースで報道された。
警官の名前は井原四郎。四郎のオフィスの上に置いてあった四郎の遺書には
「匠をあの死刑囚の行き着く先を見てきます。」と書いてあった。
この遺書の内容はニュースでは報道されなかった。いや、本当は警官1人死亡も報されていない。
今はとにかく気になって仕方がない。匠の行く末を見守る。
匠は謎の白い箱のような部屋で目覚めた。壁はある。でもそこに走っても全く近くなっている気はしない。
「おーーーい!誰かいないのかーー」
声はびっくりするほど響かない。
見渡す限り真っ白。上下左右全て真っ白。
その時、突如脳内に声が聞こえてきた。
「人間よ。お前は天国と地獄どちらに行きたい。」
重低音のような高い声のような。人間には到底出せない声で聞こえてきた。
「どちらに行きたい?俺なら問答無用で天国だろ」
即答した。自分は全て正しいことをしてきたからだ。
「お前は自分では正しいことをしていると思っているだろうがお前がいた世界ではお前のことを犯罪者と呼ぶらしい、だから選ばせてやった。それで、天国に行くでいいんだな?」
頷いた。
「お前みたいな天国か地獄か分からない半端者には天国に行くのにも地獄に行くのにも試練を与えているんだ。せいぜい天国に行けるように励めよ。」
全方位真っ白の部屋が突然暗転した。
どうやら気絶していたらしい。目覚めるとさっきの白い空間だった。
何も変わってないじゃん。何が試練だよ。しかも、あいつ誰だよ。そんな愚痴を心の中で吐いていた。
ゴゴゴゴゴ。地面が動き始める。地球の緑が下から生え始める。さらに水、木、が増えていく。数分くらいだった。地球のような部屋が出来上がった。
「すっげぇ…..」
思わず声に出てしまった。声に出ていることに気づくと誰もいないのに顔を赤くした。
地面がまた動き始める。目の前の地面が浮かび上がり始めた。さらに、その奥の地面も浮き上がり始めた。
「登れってことか。」
自分なりに考えて言ってみる。正解音も不正解恩もない。でも、浮き上がったということはそういう意味なのだろう。それに、天国は上にあると言う。だから、上に行くのだろうと自分で自分を納得させていた。
何分かかっただろうか。かなり体が疲労しつつも登りきった。
景色は同じだった。でも、高さが追加された。下にも地面がある。それだけで少し足がすくんだ。天井はさっきより広がっているように感じる。気のせいだろうか。全く近づいた気がしない。
「次はなんなんだよー」
疲れきった声で伸ばしながら言ってみる。もちろん反応はない。何をしたらいいのか。何をすれば天国へ行けるのか全くわからない。分からなすぎてここが天国なのでは?という意味不明な考え方も生まれてきた。
「人間よ、お前には自分が生きていた時1番執着していたものを背負って天国へ行くための生き残りサバイバルをしてもらう。」
多分神様っぽい声、さっきと同じ声だ。
「は?サバイバルってなんだよ、ここで生きろって言うのか?何日?何分?」
「生きていた時1番執着していたものを背負っての生き残りサバイバルだ」
同じ言葉を繰り返してきた。それはとっくにわかっている。聞きたいのはどの期間かだ。
「期間は?」
「最後のひとりになるまでだ。」
「最後のひとり?何人かいるのか?」
「ここにはお前と同じに日もしくはそれより前に死んだ人計1000人がいる。背負うものをどう使おうとお前の自由だ。」
「背負うものを使う?背負うって言ったら足手まといと同じだろ?」
なにも言ってこなくなった。ルール説明とルールに対する質問時間は終わりらしい。
背中が重くなる感じがした。そして、脳内に自分が1番執着していたものの詳細が流れ込んでくる。
「正義….か。」
そう呟きながらサバイバルのため歩き始めた。
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柘榴とAI

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コメント
1件
読み終えたわ。最初の処刑シーンからすでに重い…匠の「俺は正しい」って確信と、警官・井原さんが後を追った展開にゾッとした。神様(っぽい存在)が出てきて「天国か地獄か選べ」ってのもすごい展開だけど、最後の「1番執着していたものを背負って生き残りサバイバル」が匠の「正義」っていうのがもう…皮肉効いてて続きめっちゃ気になる🔥 善悪の基準って何なんだろうなって考えさせられるわ。