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「じゃあ、次私ね。私はここアマゾンに暮らしてる先住民族達のドールだよ。名前は、柚杏。よろー」
あまりにも軽いノリだ。軽すぎる。水素ぐらい軽い。
「ドールって、土地や国、時代、機関の化身に仕えるものですよね。民族のドール何て、居るんですか?」
興味津々と言ったように蒼空はそう質問を投げかけた。
「あ~、ね。んと〜、数が少ないからね。あんま知られてないだけ。普通に居るよ」
蒼空は驚きの余り、開いた口が閉じていない。間抜けな顔をしている。
見てしまえば大爆笑する事を柚杏自身も理解しているようで、見ないように必死だ。
「じゃ、じゃあ、民族の化身が居るってこと!?」
「居ないから」
蒼空の驚きの声に光の速さで海晴は笑いを堪えるのに必死な柚杏の代わりに答えた。
蒼空の脳内はハテナマークで埋め尽くされていることだろう。
「はぁ、簡単に説明すると、柚杏のようなドールはその民族の中から自分の主を選ぶんだ。その主が死ねば次の主を探す。その民族が滅ばない限り柚杏は生きるって事」
海晴は意外と説明が上手い。これは、柚杏のお墨付きだ。
「じゃ、最後、に、ヒィ、海晴、どぞ」
まだ柚杏は笑っていたようだ。
「僕は、アマゾンのドール、海晴」
簡潔に海晴は名乗った。あまりにも簡潔過ぎて面白くない。広告を見て面白そうだと思ってやってみたが面白くなかった時ぐらい面白くなかった。
「じゃあ、海晴さんは、土地の化身のドールってことですか」
「僕にも主は居ないよ」
海晴のその一言で蒼空の頭の中は宇宙に飛び込んだような状態だ。
またしても間抜け面を披露する蒼空。柚杏は完全にツボに入ったらしく、笑い転げている。
「僕の主はこの自然そのもの。だから、この自然が壊れていくと僕の能力も弱まったりする。まぁ、簡単に言うと、僕の主はこのアマゾン自体って事だね」
矢張り、海晴は説明が上手い。カエルでも理解できるような説明だ。流石に蒼空も一発で理解したらしい。
「あ、着いた!」
そう声を上げたのは柚杏だ。