テラーノベル
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1部、モブに恋愛感情を抱くシーンを含みます。
苦手な方はご注意ください。
(岩本視点)
呆然と、さっきまであいつの腕を握ってた右手を眺める。
「……気持ち悪い、か…」
俺は、普通じゃないんだな…
昔から、俺は周りとは違かった。
俺の恋愛対象は男……世間一般的に言う“ゲイ”らしい。
俺がそれに気づいたのは、中学2年生の時。
思春期やら何やらで、周りの奴らがあの女優が可愛い、あのアイドルが可愛い、あの女の子と付き合いたいだの何だの言ってる時期だった。
「なぁなぁ照!この中のモデルで、お前は誰がタイプ?」
「……はぁ…?」
「みんな可愛いだろ?お前のタイプ教えろよ〜!」
少しだけ周りと違うかもしれないって思ったのは、クラスの友達にそんな質問をされた時だった。
渡されたのはグラビア雑誌。
学校になんてもん持ってきてるんだよって思いつつも、とりあえず見てみる。
「………別に、タイプなんていないけど」
「えええ!?嘘つけ!!可愛い子いっぱいいるじゃん!興奮しない!?」
「しねーよ。…お前、これに興奮するの…?」
「するだろ!!だって男の理想じゃん!!」
「理想、ねぇ……」
その時はまだ、大人の女性には興味ないのか、なんて思ってた。
まだ、自分の恋愛対象が男だなんては思いもしなかった。
「岩本くんのことがずっと前から好きでした…!!」
その違和感が少しずつ大きくなったのは、2年の後半になったくらい。
学年で1番可愛いって言われてるらしい女子からの告白。
こう言う時、俺はどう反応すればいいかに困る。
正直、告白されるのはあんまり嬉しいとは思わない。
どんなに可愛くても、嬉しいって思えないんだ。
「お前……林さんからの告白断ったの!!?」
丁寧にお断りをした次の日には、クラスメイトからの質問会。
そんなに衝撃的なことなのかな?
俺は、その子のことを恋愛的に見れなかったから断っただけなのに。
「嘘だろ…!!あんなに可愛い子から告られたら、絶対OKするのに!!」
「確かに可愛いんだろうけどさ、俺はあんまりかな」
「お前、変わってるね〜。俺らよりも大人なの?」
「さぁね」
そんな俺のことを、周りにいる奴は大人っぽいって言う。
でも、俺は本当にそれだけなのかがわからなくなってた。
俺が周りと違うことを確証したのは、中2が終わる頃だった。
いつも俺に話しかけてくるクラスメイト。
宮野が、俺が普通じゃないことを決定づけたんだ。
そいつはサッカー部だったんだ。
そして、俺の唯一の親友だった。
俺は宮野と話してて楽しかったし、向こうも俺のことを親友だって思ってくれてた。
特別だったんだ、俺にとって。
そして……その特別が、俺の初めての恋だった。
それが恋だったことに気づいたのは、3年生のお別れ会。
帰り際、宮野が俺に泣きついてきた。
「グスッ……うえぇぇ…せんぱぁい…ズズッ」
「いつまで泣いてんだよ…」
「だってえええ!!!」
本当にしょうがないやつだな、なんて思って、頭でも撫でて慰めようと思った。
「……照ぅぅ!!」
「うわっ!」
宮野に抱きつかれた。
「………っ…?」
その瞬間、俺は不思議な感情を抱いた。
泣きながら抱きついてくるこいつに、俺はドキドキしてるのか…?
こいつは…宮野は、俺の親友だろ…?
その時の俺は、ただただ信じられなかった。
否定したくてしょうがなかった。
このドキドキは、きっと違うものだって。
そんなわけないって…
…それでも、この感情が本物だって認めれば、今までの俺の違和感は全部答えが出る。
俺は、俺は、男が好きなのか……?
宮野の頭を撫でようと思ってた俺の右手は、ただ空を切っていた。
「俺、彼女できたんだよ!」
中3の半ば。
自分の恋心に気づいた俺は、それを認めないまま宮野と接していた。
そして、宮野には恋人ができた。
「俺、頑張って告ったらさ、実は向こうも俺のこと好きだったみたいでさ…!」
嬉しそうに笑う宮野に、俺は言葉が出てこなかった。
“親友“の恋が実ったんだぞ?
おめでとうって…言わないとなのに…
「………そっか」
何で、こんなに苦しいんだろう…
俺の初恋は終わった。
認めるしかないんだ。
俺は、恋愛対象が男なんだって。
周りとは違う、普通じゃないんだって……
そう確信した時、俺は真っ先に家族に話すことを決めた。
昔から母親には何かあったらすぐ相談するようにって言われてたのもあるんだと思う。
そのおかげで、ためらいとかもなく伝えようって思えた。
「俺、ゲイみたいなんだ」
話した後に帰ってきた言葉は否定じゃなかった。
母さんも父さんも、きっと俺の孫を抱きたかっただろうに、帰ってきた言葉は
「話してくれてありがとう」
「照は、照のままでいいよ」
俺を肯定してくれる言葉だったんだ。
家族以外にその話はしないまま、俺は中学を卒業した。
もちろん、宮野は別の高校だった。
彼女と一緒の高校に行ったらしい。
卒業してから、俺らは連絡をすることも少なくなった。
今は、もう連絡すらしてない……
「君が岩本くん?」
「……そう、だけど…?」
高校に入って最初のクラス替え。
同じ中学のやつとは同じクラスにはならなかった。
なったとしても、そんな仲が良かったわけでもなかったし、きっと話すこともなかったと思うけど。
1人机に突っ伏してたら、前から声をかけられたんだ。
「俺は岩本くんの前の席になった阿部亮平だよ。よろしくね、岩本くん」
それが、阿部との出会いだった。
阿部とはすごい話しやすかった。
話を聞くのも上手いし、一緒にいて楽しいって思える友達。
…だけど、俺は少し怖かった。
また、俺は阿部にも恋愛感情を抱いてしまうんじゃないかって。
そして、阿部は優しいし顔もいいからモテる。
こいつにも恋人はできる。
その時、俺はどう思うんだろう。
阿部と話してる時も、ずっとそんなことを感じてた。
でも、そんな不安を吹き飛ばしてくれるような先輩とも出会った。
「あっべちゃーん!!!!!!」
「うおっ…」
阿部と話してた時、突如姿を表したピンク髪の先輩。
「佐久間!?」
「ちょっと阿部ちゃ〜ん?高校では先輩つけてよね〜?笑」
それが、佐久間先輩との出会い。
阿部に抱きつく謎の先輩。
「阿部ちゃんがここに来るの、俺めーっちゃ待ってたんだからっ!♡」
「俺も、佐久間先輩に会えて嬉しいよ」
「阿部ちゃ〜ん!!!!♡♡♡」
男子高校生の距離感…?って思うくらい、先輩は阿部に抱きついてた。
確かに、みんな距離は近いし、こうやって戯れ合うことはあると思う。
でも、この先輩のそれは本気に見えた。
そう思えば、俺は阿部のことは恋愛対象じゃなくて、友達って思えるようになった。
でも、佐久間先輩は誰にでもそんな感じってことを後々知った。
俺にも全然抱きついてくるし…
いつの間にか、俺は阿部と一緒に行動してて、たまに佐久間先輩も混ざってくるみたいな関係になってた。
俺は、この2人になら話してもいいって思ったんだ。
「阿部、佐久間先輩、ちょっといいかな?」
「そうだったんだね…話してくれて、ありがとう」
阿部は、親が言ってくれたことと同じことを言ってくれた。
そして、俺が驚いたのは佐久間先輩の反応の方だった。
否定することはないだろうなって思ってたけど、なんか純粋にデカリアクションでもすると思ってた。
「照、1人で抱え込まないでくれてありがと」
「………え?」
佐久間先輩は、静かに俺に笑いかけてくれたんだ。
それからは、俺は窮屈を感じなくなった。
俺を受け入れてくれる家族と親友がいる。
それが、俺は嬉しかった。
それが俺にとっての普通になってて、俺は幸せだったんだ。
阿部に一緒に生徒会長、風紀委員長を目指そうって言われた時も、やってみたいって思えたんだろうな。
俺は、俺の人生を楽しむんだって…
『気持ち悪いね』
冷めた笑いと、初めての否定。
そうか……俺は運良く受け入れられてただけだったんだ。
だからこそ、こんなに苦しいのか…
俺は、周りと違って普通じゃないから…
だから、俺はあいつに話しかけるのをやめた。
あいつは、俺のことを気持ち悪いって思ってる。
なら、俺はこれ以上あいつに近づく意味なんてない。
もう、あいつと話すことはない。
そのまま、夏休みを迎えた。
夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
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コメント
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ひぃ〜💛 待ってぇ〜。゚(゚´Д`゚)゚。 いかんといてやぁ~
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙! 💛💜がぁああ、離れていく、 すれ違い方綺麗でまじ好きです