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#完全一次創作
たかはし もけ
701
こと-koto
221
ヨラ@夏休み突入!
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Pr side
もう作るのに慣れきってしまった笑顔が、ぴくりと動いた。
「プログ~‼︎また百点取れたのね‼︎」
「矢張り俺たちの子供は天才だなぁ!」
親からの過剰な期待に、プログは応えないといけなかった。
こんなもの、余裕だろう。
それを口に出したら、また過度な期待がぶつかってくる。
どうせこいつらも、本当の俺は見てくれない。
功績とか、周りからの評価でどうせ変わるんだ。
自分の子供の仮面にすら気付けない親は、正直要らない。
俺は所謂“ギフテッド”と言われる子供で、経済もある程度は自分でやりくりできる。
だから、俺は数年も経ったらここを出る。
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五年後
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俺は今、ある名門校に通っている。
だが、どいつもこいつも阿呆ばかり。
建前上の身分でへらへらしてるやつやら、権力を身分差のある庶民たちに振り翳している塵どもしかいない。
名門校に行けば多少はマシになると思ったが、やはりだめだった。
俺にも、権力目当てで近づいてくるやつがいる。
どいつもこいつも全部がブサイクだ。
体も、顔も、心も。
全てにおいて醜い。
親からは相変わらず過剰な期待。
そんなふざけた現実から離れるために、ある路地裏にやってきた。
賑わっている街とはまた別で、一気に静かさが広がる。
制服で行くと必ず狙われるから着替えてきた。
そこで、ある特殊なオーラを放っているやつを見つけた。
今までに感じたことのない感じは、今でも覚えている。
そいつは路地裏では全然見かけない私と同じ“優れている種族”で、頭には立派な片角が生えている。
ある程度近づくと、こちらに気がついた様だ。
「…?誰です?」
初めてその声を聞いた。
直感で感じた。
『こいつは、俺の隣に立てる』
と。
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Ft side
路地裏で涼んでいると、珍しく客が来た。
だが、路地裏に来るにはあまりにも合わない服を着ていて、いかにもお坊ちゃんという感じだ。
対して自分の服は、黒いTシャツと喇叭ズボン。
「…誰です?」
そういうと、目の前の男は肩をぴくっと震わせた。
「失礼しました。私、プログ・ノーシスと申します。」
プログ、プログか。
「あ〜…私はここからいなくなった方がいいです?」
「いえいえ、ここで出会ったのも何かの縁。是非お話しさせていただきたいです」
なんか怪しくないか…?
「…まぁ、いいですけど」
「名前はなんですか?」
「ファタ・モルガーナです」
「ファタさんですね。よろしくお願いします。」
そこから、連絡先なども交換した。
プログとの相性はかなり良くて、これからもなんとなく弛むことにした。
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「ふぁた~~~‼︎」
「おぉ、やっと帰ってきましたか。」
プログたちはいま、さまざまな事情でルームシェアをしている。
家は普通の一般住宅で、そこそこ広い。
「やっと卒業できました、!」
「おめでとうございます~。」
「反応薄くないです?」
「気のせいですよ~」
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Ft side
プログは今日、高校を卒業した。
今は囚われていた頃より顔がマシになってきていて、こちらとしても嬉しい。
「というか、まだ春なのに暑くないです?
もう29°ですよ。外。」
そう言いながら、私は水分補給のためにパッキンアイスを咥えている。
大して水分が取れるわけでもないが、きんきんに冷えたものは大体美味しい。
「そうですねぇ、かなり温暖化が進んでいますし」
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Pr side
そう暫く話していると、結露がぽたぽたとファタの鎖骨へと垂れていく。
「んッ…冷た……」
「……そういえば、もう責任が自分で取れる年齢になりましから、ね。」
「…どういう意味です?」
「そーゆー意味です。
夜、寝室にきてくださいね」
そう言い残して、私は自室へと向かった。
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朝
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「聞いてないんですけどッ…‼︎」
「言ってないですから。」
「あなたも随分生意気になってきましたね?プログ。私より年下な癖に」
「たったの一歳差でしょう
こうやって裸で布団をかぶっている気分はどうです?」
「実に滑稽だね。プログが。」
「その毒舌も今は愛らしいです」
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「、ファタ?」
「ん゛~~…かひゅッ」
ファタの呼吸音が可笑しい気がして、顔を覗き込んでみると矢張り様子がいつもと違かった。
「!まさか、貴方薬のんでいませんよね⁉︎」
そう、いつもファタが服用している薬が、まだ残っていた。
「ッけほ、…げほッ、‼︎」
とても辛そうで、見てるこちらも痛々しくなる。
…この手を使うか。
荒療治だが、ファタの頭を掴んでキスをした。
かなり乱暴だが、自分なりには大事にしている。
酸素が足りなくならない程度に口を封じる、
「ッふ…ぅ…」
口を離す。
「大丈夫ですか?」
「ッさいってぇ…」
折角助けてやったのにこいつはなんなんだ。
「いいから薬飲んでください」
「はぁい。」
コメント
3件
読了しました。Pr視点とFt視点が交互に入る構成が効いていて、プログの内面——親の期待に仮面をかぶり続ける冷めた視線と、ファタに出会った時の直感「こいつは俺の隣に立てる」の対比が鮮烈でした。路地裏という逃げ場で偶然出会った二人が、数年後にルームシェアをしている関係にまで発展しているのも、空白の時間に何があったのか想像を掻き立てられます。最後の荒療治なキス、プログなりの必死さが伝わってきて好きです。口では「さいってぇ」と言いながらも、ファタがプログに預ける信頼が感じられました。続きが気になる第12話でした。