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「宇宙の法則…それは、お前たち人間には決して理解できないものだ。」

オムニエルのリーダー、ゼウリアスが冷静な声で語り始めた。周りにはオムニエルの兵士たちが光の剣を構え、伊吹丸を取り囲んでいた。しかし、伊吹丸は微動だにせず、しっかりと握りしめていた。

ゼウリアスは空を指さしながら続ける。

「この広大な宇宙には、無数の星々が存在する。そこには可能性と同時に、厳格な秩序がある。我々はその秩序を維持し、調和を保つ者だ。お前たち地球人の行動は、その調和を乱すに過ぎない。」

伊吹丸はゼウリアスの言葉を遮るように言い放った。

「調和だと?人間が争い、戦い、成長することこそが進化の道だ。秩序に縛られ、変化を拒むのは、ただの停滞に過ぎない。

ゼウリアスは淡々と答えた。

「お前の無と有を操る力は強大だ。だが、法則の一部でしかない。お前はその力でどこまで抗えるのか、試してみるといい。」

その瞬間、オムニエルの兵士たちが一斉に攻撃を仕掛けてきた。光の剣が一斉に伊吹丸に向かって振り下ろされる。しかし、伊吹丸は無の力を使い、すべての攻撃を瞬時に消し去った。

「俺の力がどこまで通用するか見せてやる!」

伊吹丸は叫び、全身に有の力をまといながら前進した。彼の剣は一閃でオムニエルの兵士たちを斬り裂いていく。

しかし、ゼウリアスは微笑みもせず、静かに伊吹丸を見つめていた。

「すべてを無に帰そうとする力。破壊の一側面に過ぎない。宇宙の本質は、創造だ。宇宙全体を相手にすることはできない。」

ゼウリアスが手をかざすと、周囲の空間が歪み始め、まるで時空そのものが捻じ曲がるかのように、異次元の力が溢れ出した。

「宇宙の法則だ。時間も、空間も、すべては我々の掌の中にある。」

伊吹丸はその異次元の力に飲み込まれそうになりながらも、無の力で必死に抵抗していた。

真の敵

しかし、その時、伊吹丸は気づいた。ゼウリアスの背後に何か巨大な存在が潜んでいることに。それは、オムニエルのリーダーすら超越した存在――宇宙そのものの意思であった。

「なるほど、真の敵はお前だったか…!」

伊吹丸は剣を振りかざし、宇宙の意思に立ち向かう決意を固めた。ゼウリアスはその様子を冷静に見つめ、言葉を残した。

「お前は最後まで抗うつもりか。だが、宇宙の法則に逆らう者は、いずれ無に帰す運命だ。」

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