テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
彼に似合う自分になりたかった。
メンバーの中で最年長で、お兄さん、イケメン。高スペックな彼に俺なんか釣り合う訳もなく、きっと一生このまま彼とメンバーとして過ごしてくんだろうと思ってた。
それでも、
「いや、俺ほんとに赤いなかったら今いないと思う」
「最初の友達だから」
「可愛いわ確かに」
「俺が赤のこと看取ってやるよ」
そんなことを言ってくる彼に淡い期待を抱いてしまっていた。
赤「桃くーん」
今日はコラボの日俺は引越したての彼の家に1番に行きたくて、約束もしてないのに勝手に準備して、いつもより早くLINEした
そんな彼のLINEが帰ってきたのは数時間後この時点で来て欲しくないことなんてだいたい察した
でも俺は子供だから、
赤「いや、これは桃くんの家で決まりっしょ」
なんて言って、通話かかってきた時は嬉しさと悲しさがごっちゃ混ぜになって話しそらされて時間稼ぎしてることなんてすぐ気づいた、
赤「しつこすぎたかな。」
俺だってそこまで馬鹿じゃない。翌週俺の相方を家に入れたことも、愛おしそうに見る目も、照れる顔も、気づいちゃうよそんなん。
確かに俺の相方と君はお似合い、ゲームもできるし、オシャレだし、すぐお酒によって寝ちゃって。言われたことはなんでもこなす。
それに比べて俺は、
ゲームはできない、お酒は彼より強い、トゲトゲの自分受けの服ばっか…オマケに甘えられない性格で可愛げなんてない。
桃「赤、どうした?」
なのにどうして君は俺なんかに話しかけてくれるの、?そういうことしちゃうから、
桃「俺でよかったら話し聞くよ、?」
その優しさが痛いから、
赤「大丈夫だよ、ごめんね、!黄くんところいっておいで!下で待ってるよ?」
桃「でも、」
赤「いいのいいの!可愛い彼女がしたで寂しがってるぞ〜!笑」
桃「……なんかあったら、言えよ、俺ら親友だろ」
“親友”今まで嬉しかった言葉が俺の心をグサグサさして、
赤「っ、おう、!じゃあなバズ!笑」
桃「やめろよwwwwまた明日な」
彼の姿が見えなくなってから俺は走って家に帰って子供みたいにわんわん泣いた
愛おしそうにする目も、その甘い声も、言葉も、何もかも俺に向けて欲しくて行けるんじゃないかなんて勝手に期待して
俺なんかにくれるわけないのに……
彼との思い出が甘い思い出が今は全部苦くて忘れてしまいたいのに忘れられなくて俺の心を締め付ける
俺がこんな性格じゃなきゃ、もっと素直な性格だったら、ゲームがうまかったら、そんなことを考えてもここは漫画の世界なんかじゃないんだから彼が来てくれるわけもない
そんなことを考えたら余計辛くて、夜中広い静かな部屋で俺は1人で泣くことしか出来なかった
ここが漫画の世界なら、アニメの世界なら、どれほど良かっただろうでもきっと俺はヒロインなんてなれない
君が主人公で俺の相方はヒロイン俺はそれを見守るモブにしかなれないんだから……
コメント
1件
めっちゃ泣きました😭こんなすごいお話が書けてすごいですね‼︎