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#日記
QuartoMew
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#日記
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その日は菜々子と夜遅くまで笑い明かした。
もちろん、怖い。
怖いに決まってる。
誰かが、榎本くもりのアカウントを通じて、私の日記を公開している。
その事実は物凄く、怖いのだけれど、
怖いからこそ、怖いままでこの日を終わらせたくなかった。
菜々子がいてくれて良かった。
この部屋に今日も私は1人だったらきっと、怖さで、埋め尽くされて、どうにかなってしまうから。
日記は引き出しの中にある。
つまりは、
この部屋に誰かが侵入していた事実。
ううん、思い出さない。
怖いこと思い出して何が変わるって言うの?
変わらないから。
思い出さない……!
「もうこんな時間、……寝よっかアキバ」
「あ、うん、……そうだね」
私は菜々子の提案に乗り気ではなかった。
ほんとうはもう寝たくない。
いつこの部屋に、日記のために、侵入してくるか分からないんだから。
「アキバ、怖いのは分かる。寝たくないのは分かる。」
……!
お見通しだった。
「でも、今後しばらくはこの恐怖と向き合うことになるわけじゃん。それならずっと寝ないなんて、出来ないでしょ……?」
それは……そう。
今日寝なかったら私は多分明日も寝れない。
人間である以上、睡眠欲を持っている以上、これからも生きていく以上、いつまでもそんなこと出来るわけは、ない。
「菜々子ごめん、分かった……。」
私は乗り気では無いけど、寝ることを決意した。
私のベッドは大きい。
一人で寝るには勿体ないベッドだ。
だからぬいぐるみを四方八方に並べていつも寝ているが、今日は菜々子と寝るため、
そのぬいぐるみは床にどかした。
灯りを消す。
部屋は暗い。
菜々子はあっという間に眠りに落ちた。
私は落ちない。
私はただ薄暗い天井を眺めて、
なんとなく嘘いびきをかいてみたり、
呼吸を深くしたりして、
眠りに落ちるのを、落としてくれるのを待っていた。
机上の日記/2
朝。
余裕で寝れてしまった。
なんで?
私は今、とても危機的な状況というか、すごく怖い立場に身を置かれているのに、
ぜんぜん寝れてしまった。
なんというか、
精神を病んでいるのにめちゃくちゃお腹は空いてしまうくらい惨めに感じてしまう。
すごく怖いはずなのに、ちゃんと寝れる自分、なに?腹立つな。
まぁそんなことはどうだっていい。
菜々子も同じタイミングで目を覚ました。
そう、私は菜々子のアラームに起こされたんだ。
午前7時。
早すぎる。
今日は休みだというのに。
「なんか予定あるの?今日」
私は菜々子に問う。
もし予定がないのなら、私はちょっと彼女が怖いかも。
「あるよ」
良かった。
「彼氏と江ノ島行く約束してるの。だから悪いけど……もう少ししたら出ないと。」
「分かった。」
江ノ島か、、遠い昔に行った記憶しかないな。
江ノ島って名前、
なんかすごく特別って感じがしていつも聞く度にワクワクする。
なんでだろう。
そんなことを考えていたら、ノックをした母親が部屋に入ってきた。
「ごはん」
「ありがと」
リビングに行った。
リビングに行くと母親が菜々子の分も用意してくれていた。
やさしい。
うちの母親は優しい。
目玉焼きにフレンチトーストにウィンナー。
お味噌汁。
沢山。
一人暮らしの菜々子はこんなにしっかりとした朝ごはんを食べていないので、感動していた。
その顔を見れて友達として普通に嬉しかった。
「ご馳走様でした……!アキバも、何かあったらすぐに連絡してね」
「うん、ありがとう」
菜々子はそのまま家を出た。
彼氏と江ノ島に行ってしまった。
心細いけれど仕方ない、私はまた部屋に戻ったら、衝撃的な事実が待ち受けていた。
ガチャ
部屋に入った。
机の上に、
私は昨日、引き出しにしまっていたはずなんだ。
気づかなかった。
朝起きてからずっと菜々子の身支度のほうにしか気を留めていなかったし、朝ごはん食べに行ってたし、気づかなかった。
「…………………………嘘、なに、なんで、」
机上の日記に震えが止まらない。
誰がやった?
今考えられるのは母親と菜々子だけ。
…………………………
…………………………
…………………………
事実として、
菜々子に対しての疑問なら、ある。
菜々子はどういう経緯で、
榎本くもりの投稿を見たのか。
榎本くもりのフォロワーの規模感はさほど大きくない。
誰もが見ている作家ならまだしも、現状そうではない。
そんな作家のことをなぜ知っていたのかが不自然なんだ。
本当に追っかけていた可能性もあるけれど、もし菜々子が日記を晒した犯人なら、
その説明がつく。
……今日だって、
菜々子が引き出しから開けたなら、
理解ができる。
というか、菜々子じゃないとできないはずだ。
昨日はもう深夜3時まで喋っていた。
私がようやく眠りについたのは4時頃だったと思うし、
その7時までの3時間の間で、菜々子以外に引き出しから日記を取り出した人物がいるとは、考えにくい。
でももうそうなら、それも本当に怖い。
菜々子だとしても、怖い。
「………………っ」
私は独りだとやっぱりおかしくなる。
恐怖に飲み込まれる。その場で動けなくなりそうになる。
だから、
電話をかける。
菜々子に。
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