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#青春恋愛
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夏希(なつき)
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奇蹟あい
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水曜日。
文化祭まで、あと三週間。
二年三組の教室では、今日も準備が進んでいた。
「玲くん、これ持って!」
「ああ」
星羅から渡された段ボールを受け取る。
「重くない?」
「大丈夫」
「無理しないでね?」
「分かってる」
星羅は玲の隣で笑う。
最近、二人でいることが当たり前になってきた。
朝。
昼。
放課後。
気づけば、いつも隣に星羅がいる。
「玲くん」
「ん?」
「今日、帰りにちょっと寄り道しない?」
「どこ?」
「公園」
「……公園?」
「うん。話したいことがあるの」
放課後。
二人は学校近くの公園へ向かった。
ベンチに並んで座る。
「……それで?」
玲が聞く。
星羅は少し迷った。
「玲くんって、昔……何かあった?」
「……」
玲の表情が変わる。
「なんで?」
「前に言ってたでしょ?」
――セラに救われた。
あの言葉。
星羅はずっと気になっていた。
「……まあ」
玲はしばらく黙った。
「中学の頃、色々あったんだ」
「……うん」
「友達関係とか、勉強とか……全部うまくいかなくて」
玲は空を見上げる。
「誰にも相談できなかった」
「……」
「家に帰っても、何もしたくなくて」
星羅は黙って聞いている。
「そんなとき、偶然セラの配信を見た」
「……」
「最初はただの暇つぶしだった」
「うん」
「でも、その日のセラが言ったんだ」
玲は少し笑う。
「『今日を生きたなら、それだけで偉い』って」
星羅の胸が締め付けられる。
それは――。
自分が配信で言った言葉だった。
「たったそれだけなのに」
玲は続ける。
「なんか……すごく楽になった」
「……」
「次の日も配信を見た」
「うん」
「その次の日も」
「……うん」
「気づいたら、毎日見るようになってた」
玲は少し照れくさそうに笑う。
「だから、セラには感謝してる」
「……」
星羅の目が少し潤む。
「もし、セラがいなかったら……今の俺はいないと思う」
「玲くん……」
「だから」
玲は星羅を見る。
「星羅にも、少し感謝してる」
「……え?」
「話を聞いてくれてるから」
星羅は言葉を失った。
「……私?」
「ああ」
「……」
胸がいっぱいになる。
自分が救った。
自分の言葉が届いていた。
そして今。
その人が自分の隣にいる。
「……そっか」
星羅は笑う。
けれど、その目には涙が浮かんでいた。
「どうした?」
「なんでもない」
「泣いてる?」
「泣いてないよ」
「……そうか」
玲は何も言わず、ポケットからハンカチを取り出した。
「使う?」
「……ありがとう」
星羅はハンカチを受け取る。
そして――。
そのまま胸に抱いた。
「……大切にするね」
「ハンカチくらい返してくれ」
「嫌」
「なんで?」
「……宝物にする」
「……変なの」
玲は少し笑う。
星羅も笑った。
その夜。
星羅は自室で、玲から借りたハンカチを眺めていた。
「……玲くん」
涙が一粒落ちる。
「私、ちゃんと届いてたんだ」
配信者として。
一人の少女として。
そして――。
「私が玲くんを救ったんだ」
胸の奥が熱くなる。
嬉しい。
嬉しくて仕方ない。
でも。
同時に――。
「……だから、玲くんを他の誰かに渡したくない」
星羅はハンカチを大切そうにしまう。
「玲くんを救ったのは私」
「玲くんの隣にいるのも私」
「だったら――」
星羅は鏡に映る自分を見つめる。
「最後まで、私が玲くんを幸せにする」
その表情は、とても優しかった。
しかし――。
その瞳の奥には。
確かな狂愛が芽生え始めていた。
コメント
3件
えぇぇぇぇ〜〜〜!?!?!?!?😭💕💕💕 「今日を生きたなら、それだけで偉い」って言葉がセラ(星羅)自身の言葉だったっていうの、反則すぎるでしょ…!届いてたんだ、ちゃんと玲くんに届いてたんだね…って感動で胸がぎゅうってなったよ…!🌸 でも最後の「最後まで私が玲くんを幸せにする」ってところ、優しい笑顔の裏に狂愛の芽生えが見えてゾクゾクした…!ああもうこの二人の関係性が尊すぎて泣く🥺✨