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(ベラルーシとソ連の出会い)
ベラルーシ視点
いつも通りに、一人路地裏で暮らす。可哀想な子供を演じればある程度お金や食べ物をくれる人もいる。それが上手くいかなかった時は盗んだりしてるけど…基本は貰ったりして生き繋いでいる。
どうせ、今日もこれからもいつも通りの日々に成るんだろう。って思っていたけど
「おいそこのガキ…」
たまたまぶつかってしまった大柄の男性。酒焼けした低い声で圧を掛けるように言ってきた。
「ごめんなさいね」
その人は子供である私に対してわざとらしく舌打ちしてそのまま歩き出そうとしていた。だけど私の”目”に気づき立ち止まり、
「ガキ、その目…」
私の”目”は他の人と違う。右目には瞳の大半を占める大きさで金色の鎌と槌が光っている。それと同じ形だけど少し小さい物が左目にも入っている。
「俺はソ連。俺について来い。拒否権は無いぞ」
「…え?あっ、私は」
ガシッと腕を掴み逃がす気は毛頭ないようだ。
よく見れば私の瞳のマークと同じ物がある。
「俺にはお前が必要だ」
そう言われるとは思っていなかったから驚いたけど、私を必要と言ってくれる人がいたのだ。今。直ぐ目の前に。
拒む理由が無い。だから、
「わかった。その代わり、手駒の一つ位にはして頂戴?王様」
「嗚呼。考えておくよ」
そう言われ、手を引かれながら付いたのは大きな家。見たこと無い位豪華な家で門等の装飾も見るからに豪華。
「え…ここ?」
「そうだな。入れ。お前近しい年のガキがいる。そいつが俺の息子だ。何時も一人でな。妹になってやれ」
中身はお前の方が上っぽいがなと笑いながら言う。どの仕草も見ているだけで胸が高鳴る。
そのまま家の中へ連れられ、会ったのはさっき言っていた息子さん。
「誰?」
初対面だし、警戒するのは当たり前か。ガラスの様な双眼でじっと私を見て言う。彼の瞳には私やソ連さんと同じものがやっぱりある。
恐らく、私の目に注目したのは”同じ”だったからだろう。ソレに何かを感じて、連れてきた。そんな所だろうな。
「えぇと…私は今日から貴方の妹に成る人だよ」
意味不明と言わんばかりに睨んできて。
「…名前は?」
名前…?私に名前何て無い。付けてくれる人がいなかったから。
「わからないわ」
「ふーん…俺はロシアっていうんだ。名前無いと呼び辛いから…取りあえず白ロシアッて呼ぶよ」
「そう。有り難く貰っておくわ。その名前」
その後、幾らか談笑した。意外と早く打ち解けられて良かった。
彼らと食べたご飯は忘れられない程美味しく感じた。