ある意味season2伸びて良かったかもしれない
wes×dn 無自覚な嫉妬
視点主→『』
その他→「」
キャラ崩壊注意
「だんくん、キャバクラへ行くぞ!」
『………はい?』
街のイベントとしてまた餡ブレラがキャバクラをやるそうで。
市長業務に加え、ギャングとしての仕事まで行っているというのに本当に凄い方だ。
唐突な誘いに反応する間もなく仕事片手に会場へと連れて来られた。
連れられるがまま入った建物の内装は赤を基調としたいかにも高級キャバクラと言ったようなもの。
先を進む市長の背中を追いかけるため早歩きで歩く廊下には静かな音楽が流れていた。
案内されたのはVIP席とでも言うのだろうか。
他の人達が案内される場所とは違う個室の部屋だった。
扉を開けると赤いソファに座っていたれりあさんと目が合う。
「なんだ、れりあか」
「何ですか〜?私じゃ不満とでも〜?」
「そうとは言ってない」
いつも通りの微笑ましいお二人の会話に思わずクスッと笑ってしまう。
そんな時、いつの間にか来ていた黒服がテーブルの上にドンッとシャンパンを置いた。
「え、だんくん頼んだ?」
『いいえ』
「あ、それ私です〜。ぼしゅ、折角だから奢ってくださいよ」
「奢るも何ももう頼んでるよな?」
「…てへ☆」
頼んでしまったものは仕方がない。
冷えたグラスに並々とシャンパンが注がれる。
注がれたシャンパンを口に運ぶと、想像以上に飲みやすかった。
気づけば、グラスの底がすぐ見えるようになっていた。
「ぼしゅ、このグラス可愛いでしょ!見てくださいよ〜!」
「おお、確かに。持ち手が薔薇になってるのか。……綺麗だな」
「えへへ、そうでしょ〜?」
隣の二人はすっかり打ち解けていて、笑い声が弾む。
その光景に、胸の奥がチリ、と鳴った。
……あれ、なんだこの感覚。
『……ずいぶん、楽しそうですね』
気づけば口が勝手に動いていた。
「ん?だんくんもこっち来るかい?」
『遠慮しときます』
「おいでよ」
『…私はここでいいです』
そう言いながら、また一口。
後味の悪い苦みだけが舌の上に残る。
酔いのせいか、目の前の二人の距離がやけに近く感じた。
れりあさんの笑顔にウェスカーさんが軽く返す、その慣れた自然さが少しだけ羨ましかった。
……おかしいな。
別にそういう感情を持つタイプじゃなかったはずだ。
「だんくん、顔赤いよ?」
『……お酒のせいです』
「素直じゃないなぁ〜」
軽口を叩かれて、視線を逸らした。
グラスの中で泡が弾け、静かに消えていく。
れりあさんはいつの間にかいなくなっていた。
「嫉妬しちゃった?」
『……』
「嬉しいねぇ、だんくんがそう思ってくれてたなんて」
ウェスカーさんが嬉しそうに笑う。
その笑みはれりあさんに向けていたものとは似ているようで少し違う。
『…その笑ってる姿が私だけのものになればいいのに。…なんて強欲ですかね』
「いいや?私だって君を自分だけのものにしたい」
『ふふ、それもいいですね』
「あ、冗談だと思ってるね?割と本気なんだけど」
クスクスと笑いながらソファに体重を預ける。
体が包みこまれるような感覚が心地よかった。
「だんくん大分酔ってるね?」
『んふふ、そうかもしれないです』
「酔うと笑上戸になるんだ」
ウェスカーさんが、やわらかく笑った。
照明の光が、グラスの泡を淡く照らす。
静かな音楽が流れる中で、世界が少しぼやけて見えた。
『……このまま、もう少し飲んでてもいいですか』
「もちろん。夜はまだ長い」
カラン、と氷が鳴った。
その音だけが、ふたりの間に優しく響いていた。
ひっさびさのウェスだん投稿
まだスランプ気味ですが、頑張って投稿します
コメント
2件
大人の雰囲気が逆にえっちなんだよなぁ〜、ありがとうありがとう🙏