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リバース鉱山 午後22時

ガチャッ

(奴隷達が帰ってきたのか?)

ヘックスが収監されている檻がある家の扉が開かれる。するとゾロゾロと朝からの労働で疲れ果てた奴隷達が入ってくる。

奴隷達は自分の檻へと自主的に入って行く。

ヘックス(相変わらずやつれてるなぁ。)

ヘックス(まともな食事も貰えず毎日毎日意味があるかもわからない像を作っている彼等が可哀想に思うよ。)

のあ「あぁぁぁぁぁぁ…..ようやく終わった。」

えと「疲れた…..」

るな「るなもう嫌….」

ヘックス(おっアイツらも帰ってきたのか。)

俺は3人に話しかけようと思ったが見るからに疲れてそうだからやめておくことにした。

だが……

のあ「あっ….ヘックスさん。」

えと「えっ….あっほんとだ。」

るな「ヘックスさんだ。」

向こうから話しかけてきた。なので会話することにした。

ヘックス「よっまだ元気そうだな。」

えと「……元気そうに見えますか?」

ヘックス「他の奴隷達と比べたらまだアンタらは元気な部類に分類されるよ。」

るな「もう疲れて死にそうです…..」

のあ「お腹減ってもう力が出ません….ヘックスさん何か食べ物ありませんか?」

俺は手を上げて左右に振る。

ヘックス「残念ながら一切ない。」

のあ「ガーン!」

ヘックス「今日はもうさっさと寝た方がいい。そろそろ歩哨の奴も就寝しにこの家に来るから檻に入れ。」

「「「…..はい。」」」

3人は自分の檻に入るとすぐに寝息を立てながら寝てしまった。よほど疲れていたのだろう。

暗くてあんまり見えなかったがよく見ると着ている服が土埃などでかなり汚れている。

……可哀想に。

彼女等の元気は一体どれぐらい持つのだろうか?これからこの生活が毎日続くんだ。いつあの奴隷たちのようになるか想像に難くない。

残念だが俺には君たちのような奴隷達を助けることはできない。

俺も自分のことで精一杯なんだ。

すると歩哨2人が家に入ってきた。コイツらがこの家の番人だ。

まあ番人と言ってもこの家で寝るだけでずっと起きて見張るとゆうことなんてしないんだけどな。

HN歩哨3「はぁ〜さて寝るとするか。」

HN歩哨4「そうだな3。」

会話をしながら入ってきた2人があの3人の檻に前で足を止める。

HN歩哨3が3人の檻を覗き込む。

HN歩哨3「コイツら反抗的な奴隷の奴等だよなぁ?」

HN歩哨4「ん?ああ確かにそうだな。」

HN歩哨3「オクランの任務を果たそうとしない奴隷どもめ。」

HN歩哨4「はははっ入ったばかりの奴隷はいつもこうだろ?3。」

HN歩哨3「はっ!確かにそうだな。まあその反骨精神もいつまで持つかな?」

HN歩哨4「俺は1週間と予想する。」

HN歩哨3「じゃあ俺は4日で。」

HN歩哨4「外れた方が酒奢りな。」

HN歩哨3「よし!その賭け乗った!」

HN歩哨4「それじゃもう寝るか。眠いし。」

HN歩哨3「そうだな。寝るか。」

2人は自分達のベッドがある方向へと向かって行った。

ヘックス(ようやく行ったか…..あの歩哨達寝るまでがいつも遅いんだよ。)

ヘックス(今は午後22時30か。これは1時間後に決行だな。)






午前00時00分

ヘックス(念の為00時まで待ったが流石にもういいだろ。)

カチャカチャカチャ…….

俺は自分の檻のピッキングを始める。昔はよく失敗したが今ではもう慣れっこだ。

まさか昔アイツに教えてもらった泥棒スキルがここで役立つとはな。

カチャっ!

ヘックス(おっ!開いた開いた。)

俺は静かに檻の扉を開ける。毎日やってることだが毎回心臓がドキドキする。

ヘックス(あっ足枷も外しとかないと)

そう思って足についていた足枷を外す。足枷の解錠自体はとっくの昔にしてるので足枷を外すだけで大丈夫だ。

そして家の中を忍び足で移動する。万が一この姿を歩哨2人に発見されたら俺は間違いなく公開処刑されるからだ。

だがそんな危険を犯してまで檻の外に出る理由がある、それは食糧だ。

ここリバース鉱山では奴隷達に(俺も含めて)まともに食糧が与えられない。

歩哨達は飯をたらふく食らいながら奴隷達をこき使い奴隷達は餓死しない程度の食糧しか与えられない。

そうやって奴隷達の体力や精神を消耗させ脱走と反乱を起こさせないようにする為だ。

俺はここに捕虜として収監されてから今まで脱走のことしか考えていない。

オクラン教?オクランの任務?そんなこと俺にとってはどうでもいいことだ。

ただ逃げ出す、それだけだ。

だが「腹が減っては戦はできぬ」とゆう言葉がある。

この言葉もアイツに教わった言葉だ。

実際その通りだと思う。だからこそ俺は食糧を探しに行くのだ。

とりあえず今日も家にある樽を片っ端から調べていく。

大体この中に食糧が入っているからだ。

ガサガサガサ

ヘックス(この樽にはないか次の樽は)ガサガサ

運がいい時は栄養満点のブロック型栄養食が入っている時がある。これが凄く美味い。

まあ、今までの合計で出たきた回数5〜6しかないけど….

それ以外だと野菜料理やパン、焼き魚、ドライミートなどがある。

ヘックス(これにもないかまずいな…)ガサガサ

運が悪い時は何もない。その時はもう諦めて寝るしかない。

ヘックス(頼む食糧あってくれ…..)ガサガサガサ

ヘックス(おっ!ラッキー!今日はついてるぞ!ブロック型栄養食だ!それにパンもあるぞ!)

ヘックス(しかも大量にあるじゃないか!いっぱい掻っ攫うか!)

俺は意気揚々と食糧を盗んでいく。

こんだけあればしばらくは食糧強奪しなくてもいいし遂に待ちに待った脱獄計画も始動できる。

とりあえずそれぞれ7個ずつと近くにあった水瓶4本を奪い俺は自分の檻に戻る。

戻ってまずやることは自分の足に足枷をつけ檻の鍵を閉めること。

そうしないと歩哨達にバレる可能性があるからだ。

ヘックス(今は午前00時12分、よーしゆっくり食べるか)

俺はそう決め盗んできたブロック型栄養食をムシャムシャと食べ始める。

うん、やっぱり美味い。だが腹が減っていたので直ぐに食べ終わってしまった。

ヘックス(ヤッベ、早く食べ過ぎた。パンはちぎりながら食べるか。)

パンのこそろが落ちないように注意しながらちびちびと食べていく。

ヘックス(ここからの脱獄計画もいい加減進めないとな。)

俺はこれまでリバース鉱山からの脱獄計画を2度計画したが全部失敗に終わっている。

1度目の計画は計画段階で歩哨どもにバレてしまいその結果、3日間磔にされた。

2度目の計画は俺含めて8人で計画して決行しあとちょっとで脱獄できそうだったが歩哨どもに発見され全員取り押さえられてしまった。

そのメンバーの内3人は奴隷達の前で公開処刑にされあとの4人は歩哨達によって何処かに連れて行かれ俺は歩哨どもに剣で斬られたり殴られたりされた。

まあ、そのあと治療はしてくれたんだがな。でも傷自体は今でも身体に残っている。

ヘックス(パンも食べ終わっちまった。もう腹一杯になったし水瓶飲んで寝るか。)

俺は*ゴクゴク*と水瓶を飲み喉が潤う。飲んだあと食糧が見つからないようにポケットなどに隠して俺は寝た。












午前7時27分

ヘックス(ふぁ〜もう朝か?)

俺はあくびをしながら朝を迎える。歩哨どもはもう起きてるようで奴隷達を労働に向かわせている。

あの3人の方を見るともういなくなっていた。

ヘックス(……今日から本格的に脱獄計画について立案しよう。)

俺は労働を強制されないので時間自体はたっぷりある。

その時間を使って脱獄計画を立案するのだ。今回の脱獄は俺1人でやる。

これが失敗したらもう俺の人生は終わるからな。

今回の脱獄計画は3段階に分ける。

第1段階はまず俺の装備の回収だ。

俺が帝国近衛兵の時に着ていた鎧が歩哨達の宿舎に保管されていることを俺は知っている。

だからまずはそれを回収し自分の装備を整える。

第2段階は番人の始末だ。

番人に気づかれたらその時点で終了だ。なので脱獄する前にこの家にいるHN歩哨3・4を始末する。

そして第3段階これが1番難しいそれは門の突破だ。

前回の計画もここで失敗した。門には歩哨5人が24時間体制で警備しており強行突破しか手段がないのだ。

だが相手は歩哨でこっちは装備が何もない逃亡しようとしている奴隷、勝率は0%だ。

なので装備をつけて歩哨達と戦って勝つしかない。

戦い自体は心配いらない、俺はハイブドローン兵だからな。

戦闘には慣れっこだ。

脱獄したあとのこともちゃんと考えている。前回の計画の時にリバース鉱山の近くの森にHNの反武装組織浮浪忍者の隠れ家があることを教えてもらった。

脱獄したあとはそこに向かうことにしている。

場所自体はポケットに隠している地図に書いている。

ヘックス(こんなところからさっさと抜け出してしまおう。もう奴隷達の泣き叫ぶ声も聞きたくないしな。)

からぴちの異世界冒険記

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