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第96話「新たなる時代の息吹」
空は澄み、神の気配を失ったゴッドエデンには、静かな朝が訪れていた。
しかし、その静けさの中で、星の英雄たちはそれぞれの“終わり”と“始まり”に向き合っていた。
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ゲズは、一人、神殿の高台に立っていた。
眼下には果てなき雲の海。あの闇の世界の残響はもうどこにもない。
セレナ「ここにいたんだ、ゲズ」
ゲズ「……なんとなくな。静かでさ。落ち着くんだ」
セレナは隣に並び、空を見上げた。
セレナ「終わったんだね、戦い。でも……これからなんだよね、本当は」
ゲズ「ああ。神もいない。ルールも、正義も、誰かが決めるんじゃない。……俺たちが、決めるんだ」
セレナ「怖くない?」
ゲズ「正直、怖いよ。でもさ。……お前がいるから、きっと俺は、何度でも立ち上がれる」
セレナは微笑み、そっとゲズの手を握った。
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一方その頃、リオンとウカビルは中庭で剣の打ち合いをしていた。
祝宴の余韻もそこそこに、二人は“これから”に向けて己を磨いていた。
カン! カン! 火花が散る。
ウカビル「手ぇ抜いてんじゃねーぞ、リオン!」
リオン「抜いてねえよ。……でもお前、強くなったな。アレスの力、ちゃんと継いでる」
ウカビル「力だけじゃねぇよ。あいつの意思も、魂もだ」
リオン「……俺は、兄貴の背中をずっと追ってた。でも今は違う。兄貴を超えるんだ。星の英雄として、未来を守るために」
ウカビル「へへ、なら俺も負けられねぇな」
ふたりは剣を交えながら、言葉以上に、確かな絆を確認していた。
⸻
その夜、神殿の中央にて、四人は再び集まる。
アダムは、彼らの姿を見つめていた。
神ではない、新たな“守護者”たちの背に、確かな光を見て。
アダム「この宇宙に新たな時代が訪れる。その中心にいるのが、君たちだ」
ゲズ「俺たちは、もう迷わない。守るって決めたから」
セレナ「この命が尽きるその時まで」
リオン「誰かの“正義”じゃなく、俺たち自身の“正義”で」
ウカビル「ぶっ壊れてるこの世界、俺たちで立て直してやろうぜ」
アダムは静かにうなずき、最後に言葉を送った。
アダム「ありがとう、星の英雄たちよ――君たちが、希望そのものだ」