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2件
好き、リョナって尊かったんだ、
なんかリョナいいかもしれないと思うことはないことはないかも………………ええな……
2日目
腹部の痛みで目が覚める。目を開けると思う嫌な現実が目に入った。そして視界に違和感がある、どうやら右目しか治らなかったらしい。まだあの男は来ていないようだ。
そうなると、当然逃げるに決まっているある。縄抜けをして扉に手をかけると開いていた。随分となめられているある。そのまま階段を上り、周りに気を使いながら顔を出すと人の気配はなかった。扉が見えたのでコソコソと歩いていく。ドアノブに手をかけると、開いていなかった。
(どうするある、鍵を開けるようなものは持っていないからとりあえず引き返すある)
そう思い後ろをむこうとすると、影があることに気づいた。逃げることに夢中になって気づかなかったのだ。やばいやばいやばい、どうする。昨日みたいにはされたくないある。
「おはようだな、まさかお前がここにいるとは思わなかったぜ。理由を教えてもらおうか」
「お、おはようある。散歩が習慣で、寝ぼけてたある」
「それにしては、随分と慎重に行ってたじゃないか。どこが寝ぼけてるんだ?」
「え、あ、それ、ちがう」
昨日みたいになるのか?もう嫌だ、嫌だ。
「なんだぁ?まあいいか、飯食うから来い」
「え、はい、わかったある」
どういうことある。昨日とは大違い、変わりすぎて怖いある。
「ここで座って待っとれ」
「わかったある」
そう言うと男はご飯を作り始めた。だが、包丁を持つ手が危なっかしい。これ、ろくに料理したことないやつあるね、我のご飯が不味いのは嫌ある。
「……ご飯は作ったことあるあるか?」
「ちょっとだけな、飯は女房に任せてたから作り方とかわかんねぇ」
「仕方ねえある、我が作ってやる」
正直言うと、上手くなかったらどうなるか怖いが、飯はいいものを食いたい。美食大国の名にかけてでもある。適当に炒飯でも作るあるか。
「できたある!」
お皿に盛り付けて完成ある。
「おー、ありがとな」
「っ…美味い飯を食いたかっただけある」
こいつがいたことを忘れていたある。机に炒飯を運ぶ。もし気に入られなかったら?美味しくないと思われたら?怖くて体が震える。
「どうぞ、ある」
「ありがとな……うめぇ」
よかった、美味しくないからで殴られることはないあるね。我も食べたらやっぱり美味しいある。
「ごちそうさま、美味しかったぞ」
「…よかったある」
そう言うと男は笑う。昨日との落差で鳥肌が立ちそうだ。我もすぐに食べ終わり食器を片付ける。
「食器洗ってくれんのか、ありがとな」
「…そんくらい当然ある」
機嫌を損なわないためにはこんくらいはするある。片付けるために皿を取ろうとすると落としてしまった。皿の割れる音が響く。当然だ、片目がないんだから。距離がわかるはずがない。近くにはあの男、見られているに決まっている。もしかしたら殴られるかも知れない。
「…なんだよ、見にくいなら言ってくれよ」
「…あ、落としてごめんなさい…ある」
「いや、お前に怪我がないなら良いよ」
おかしい。昨日の男ならきっと、怒鳴って殴りかかってきたはずだ。それなのに今日は怒らない。しかも我の心配までしている。我が眠っているうちに入れ替わったと言われても信じれるくらいだ。しばらく呆然としていると男が箒とちりとりを持ってきた。
「掃除するからどけ、踏まないようにしろよ」
「わ、我がやるある!我が割ったし、片目が見えなくてもこのくらいはできるある」
「いいから、俺がやる」
男はそう言って我を睨みつける。そこまで言われると強く出れないし、睨まれたから仕方なく下がる。仕方ないから適当にお茶でも入れて待っていることにする。またなんか言われるかもしれないが、今日の男は甘いから許すはずだ。
「片付け終わったあるか?ならお茶飲むよろし」
「お前はまた勝手に…」
ブツブツ文句を言いながら男はお茶を飲む。男はお茶を飲んで固まってる。美味しくて固まったあるね。さすが我ある。
「…うめぇな」
「そうある!お茶を飲むと心が落ち着くある。遠慮しないでもっと飲むよろし」
「まあ、女房の淹れたお茶には劣るが」
「はぁ!?もっと素直になるよろし!」