テラーノベル
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第一話 知らない獣
夢を見ていた気がした。
けれど何も思い出せない。
「……」
架はゆっくり目を開いた。
何かいる。
目の前に。
黄色い瞳。
近い。
ものすごく近い。
「うわっ!?」
反射的に飛び起きる。
勢い余ってベッドから落ちた。
ドサッ。
痛い。
顔を上げる。
青白い獣がいた。
獣も驚いたらしい。
ぴょんと後ろへ飛び退く。
そのまま足を滑らせた。
ごろっ。
床を転がる。
「……」
「……」
獣は何事もなかったように立ち上がった。
「キュ」
「いや今転んだだろ」
尻尾が揺れる。
まったく気にしていないらしい。
架は立ち上がった。
獣を見る。
見覚えのある姿だった。
「……メモリアル?」
獣は首を傾げた。
「キュ?」
「聞いてない」
「なんでいるんだよ」
獣はとことこと近付いてくる。
「来るな」
止まらない。
とことこ。
「来るなって」
とことこ。
獣は足元で座った。
「キュ」
尻尾がぱたぱたと揺れている。
架は額を押さえた。
獣を抱え上げる。
意外と軽い。
そのまま玄関へ向かった。
外へ出す。
「帰れ」
扉を閉める。
数秒後。
カリカリ。
嫌な予感がした。
扉を開く。
いた。
「キュ」
「なんでだよ」
扉を閉める。
数秒後。
カリカリ。
「なんでだよ……」
それから何度追い出しても結果は同じだった。
「もう知らん……」
扉を閉める。
今度こそ無視する。
しばらく静かだった。
カリカリという音も聞こえない。
「ようやく帰ったか……」
小さく息を吐く。
喉が渇いた。
台所へ向かう。
コップを取り出す。
水を入れる。
一口飲む。
その時。
足元で何かが動いた。
見る。
いた。
「ぶっ!?」
思わずむせた。
青白い獣が座っている。
いつの間に入った。
「キュ」
獣は嬉しそうだった。
架はしばらく固まる。
そして額を押さえた。
「……なんなんだよ、お前」
#相棒
コメント
1件
あら、これは面白い幕開けだわ!青白い獣が突然現れて、何度追い出してもカリカリして戻ってくる姿、めっちゃ可愛いじゃん。しかも「転んだのに全く気にしてない」とかそのマイペースさに笑ったw 架の「もう知らん…」からの水飲んでる間にいつの間に入ってるオチも好き。どんな繋がりがあるのか気になるなー。「メモリアル」って名前も意味深だし、これからの関係性が楽しみ!🐾