「この風はどこからきたのと♪」
この歌声は…..
「シャンクス!どうだった?あたし上手い?」
「あぁ!さすがだな!!ウタ!」
「へへっ。シャンクスの娘だからね!」
「ウタは凄く歌が上手いね!名前通り!」
「オトも名前どーり上手いよ!!」
ウタの夢の中….
「ウタ!オト!こっち来い!!」
「「シャンクス!」」
幸せそうな顔だなぁ…わたしが居なくてもその笑顔は変わらない
オトはその空間に必要ない….ボクはトール。トールは最高の演奏家。世界一の音を奏でる者。
ウタは楽しそうに笑うなぁ。ウタの悲しかったことはなんだろう……知りたい。
ごめんね。今からウタには悲しかったときの夢を見せる。後から恨み言は聞くから。今は、許して…
「シャンクス….?オトは…?」
「ウタ。目が覚めたか」
「シャンクス!!オトは….!」
「オトは…演奏家になるために船をおりた。ただそれだけだ」
わたしのこと…?わたしのために、悲しんでくれたの?
「え……..オトが?」
「…………」
「っ…!シャンクスのバカ!オトが船をおりるわけない!!シャンクスが大好きなのにッ!!アタシと最高の相棒になるって、言ったのに…!!!」
“ 相棒 ”か…..。懐かしいなその呼び名。わたし嬉しかったよ。そう言ってくれて。悲しかったことがわたしがいなくなったことで。嬉しい、わたしがいないことを悲しんでくれて。
「本当のこと言ってよ!オトは、…オトはどこ!!」
「…..エレジア」
「えっ…なんで、そこに…」
「エレジアには世界各地から最高の音楽家や楽譜があるだろう?オトはそこで世界一の演奏家になるため船をおりたんだ」
「でも…でも!オトはアタシと相棒になるって…!」
「………..」
「何か言ってよ!!シャンクス!」
「っ…..!シャンクスのバカ!もう知らない!!」
こんなことがあったんだ….。知らなかった。そりゃあそうかな…?わたしがいないときの出来事なんだからわたしが知ってたら怖いよね。
わたしも….ウタと2人で相棒になりたかった。もっと一緒にウタと暮らしたかった。シャンクスに褒めてもらいたかった。自慢の娘だ、って言ってもらいたかった。でも、それは過去。ボクはトールなんだから。
「………ャ…、……..ちょ….」
「ロジャー船長!」
シャンクス…?
「あぁ?どうしたシャンクス!」
「次はどの島に行くんだ?」
「そりゃァついてからのお楽しみだろォ!!」
「ガキめ」
「バギーもガキだろ!!??」
「はぁ?うるせぇ派手バカ野郎!!!」
小さいシャンクス…それに、海賊王。あんな顔してたんだ。海賊王って言うわりには優しそうな顔だなぁ。
「……….」
え?今、目があった…?いや、気の所為だよね…。ここはシャンクスの夢の中。夢によって創りだされた人に自我はないはず。きっと見間違いだよね?
「ロジャーせ…んちょ….」
「ゲホッ…ゲホッ……..」
「…………」
海賊王、病気なんだ。それをシャンクスは知ってたんだ。大事な人が病気を隠して自分たちには普通に接している、悲しいね。ボクだったら、耐えられない。無理をさせてるって思って罪悪感に苛まれる。
カシャン
え?
「よォ、犯罪者」
なんで….
「今、なんでって思っただろ?俺もだ」
どうして、夢によって創りだされた人間が自我を持ち、ボクと喋ってるの?
「そんなもん俺も知らねェ。いつも通り上から見てりゃいつのまにかあそこに居たんだよ」
上って…..海賊王は天国なの?地獄なの?
「んなもん、今関係ねェだろ?」
関係ないって……..大ありだよ。もう少ししたらボクもそっちに仲間入りするんだから
「お前ェには、まだ早ェよ。」
早くないよ。世界にはたくさんの命があり、たくさんの命が消える。それに比べたらボクは長生きした。
「21のガキが何言ってやがる」
もうガキじゃないよ。1人前の大人だよ、ボクは。
「そりゃァ身体だけな?てめェの心は9歳で止まってる。」
違う….
「違わねェ。」
違う!!
「違わねェ!!自分の心を見ろ。今ならまだ引き返せるぞ」
ボクに死ねっていうの?
「お前ェが死ぬ以外にもあんだろ?出る方法が」
ないよ…..
「目を背けるな」
背けてなんかない
「政府が知らねェ、お前だけが知ってる解放条件があるだろ?」
そんなの知らない。
「ガキはもうちょっと我儘を言え。」
もう、ガキじゃないよ…。こうやって話してもラチがあかない。もうシャンクスの夢の中に帰って
「待t……」
バイバイ。
「….すまねェな。シャンクス。説得はァ出来なかったぜ」
「ロジャー船長?どういう…….」
「気づいてやれ。お前ェの大切なもんが壊れちまうぞ」
「………..」
ポチャン…ポチャン。
__ “•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪𐄇𖡛
ボク、立派な演奏家かな?みんなを幸せに出来たかな。みんなの記憶に残れるかな。
誰かの記憶に残りたい。ボクが消えたとき悲しんで欲しい。オトが出来なかったことは、トールがする。
オトが消えたときウタが悲しんでくれた。でも他は?シャンクスは?ベックは?みんなは?
トールが消えたら…..みんな、悲しんでくれるかな?泣いてくれる人がほしい。大勢の人の記憶の中にボクはありたい。もっと、頼ってほしい。ボクは、誰かに必要とされたい
ボクは、愛されたい。
わたしは、愛されたかった。
ポチャン…ポチャン。
「みんなぁ、わたしを愛して…必要と、して……」
大丈夫。ボクがついてる。安心して、わたし。
「やだぁ…..、みんなが、ウタが…シャンクスが、いいもん…」
わたしはボク。ボクはわたし。
( イメージ↓見た目は違います )
泣かないで。
「うぁぁあ….会いたい….」
……..会いたいね…。
「会いにいけばいいじゃねェか。」
え?
「俺が連れてってやる!!」
どうして、ルフィ……!
🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶
あとがき
✧トール✧
みんなの記憶に残りたい。必要とされたい。愛されたい。みんなの幸せな顔が見たい。
ボクがやらなきゃ….
✧オト✧
みんなの記憶に残りたかった。必要とされたかった。愛されたかった。
わたしは….
✧小さいオト✧
みんなに会いたい….。シャンクス、ウタぁ…
✧ウタ✧
オト大好き!最高の相棒になりたい!!でも、もう….
✧シャンクス✧
ロジャー船長…!
「気づいてやれ」あぁ、もう行かねェとな…
見て下さってありがとうございます!
トールとオトの対比気づきました?ワク (ง˘ω˘)วワク
次回をお楽しみにー!!
コメント
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天才ですか!?