テラーノベル
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「オーケー。では、最初のアップダウンに戻ってください。ワンエン、ツーエン…さあ、4と8でその場で軽くジャンプを入れます。ヒールの方は無理なく背伸びでオーケー」
「「「「ぃぇーい」」」」
だんだん声が出てきたな…
「ワンエン、ツーエン、スリーエン、はいっジャンプ、ファイヴエン、シックスエン、セブンエン、はいっジャンプ…」
数回続けると、ジャンプしながら
「「「「フゥー」」」」
とか声を出す人たちがいて盛り上がってくる。
私は膝を胸につけるようなジャンプや体を大きく反らすジャンプを見せておく。
すると出来そうな人はチャレンジしている。
「疲れて来た方はジャンプをやめて、同じタイミングで腕を使いますよぉ」
「「「はぁい」」」
「「「オーケーですっ」」」
アップダウンに両腕を突き上げるだけだが、皆さんのノリノリは加速する。
「真っ直ぐ突き上げオーケー、指を立てて手首をこう回してちょっぴりセクシーなのもオーケー」
ここで歓声が起こるので
「じゃあ、ジャンプはストップで、そのタイミングで腰を回してみましょう。はい、アップダウン、アップダウン、アップダウン、くるり…」
なんだコレ…と思うくらいの歓声とともに皆さんが腰を回す。
もう音楽に合わせて動いてるだけで楽しいんだね。
「腰回しがカクカクする方は、回すのではなくドンと腰を左右に弾いてください。恥ずかしさを捨てておもいっきりドンと弾くとカッコいいですよ」
曲が変わったので、あと5分11秒…
「ラスト5分です。今日の動きを自由に組み合わせてください。迷う方は私の真似を無理なく、お願いします」
アップダウンの基本を崩さないで肩をくねらせポンと手拍子を入れる。
ほとんどの人が‘自分なりに’真似している。
フラッシュモブの練習のようなバラバラ感が可笑しくて、楽しい。
サイドステップを踏みながらアップダウンを繰り返し、途中からアップは外側の足の爪先を使う。
疲れている人がいるね、30分だもの…植木さん、ドリンクの売り上げに貢献出来るかもしれません。
「ラスト~」
「「「「ぅおおぉぉ」」」」
「「「イエーイ」」」
どんな動きの人も8のカウントでくるりとターンするように促して、あっという間に30分が終了。
ここから営業開始となる。
「ありがとうございました。引き続き、フロアでお楽しみ下さい」
そう言うと、二人の黒服さんがすぐに私の隣に来て通路へと向かわせる。
植木さんが
「終了後、だらだらと一緒に踊って教えることになるのはダメだ」
と言っていたのでこの方法で下がるのだ。
私が植木さんのいる上に戻ると
「お疲れ、才花ちゃん」
タクと、私の頭のポンポンとする羅依がいた。
「ただいま、羅依」
「おかえり。お疲れ、才花」
「サイサイ先生、息ひとつ乱れないんだね。動き続けて声出していたのに」
座っている椅子ごとくるっと私に向いた植木さんに
「そうですね…アップ程度か、以下ですから。あんな感じで良かったですか?」
マイクを外しながら聞き、羅依の手渡してくれた水を飲む。
「いいよ、十分。大成功」
「良かったぁ、ありがとうございます」
「明日も同じでいいから」
「もしも同じ人が来ていても?」
「いいよ。自由にアレンジするポイントも作ってくれているから十分。レベルは絶対に上げないで。これの口コミは新規の客を絶対に取り込めるから」
「才花ちゃん、誰でも気軽に入れるクラブじゃないとダメなんだ。上級者ばかりの集まるクラブもあって、踊る客と見る客が完全に二分化するクラブもあるけど、ここはそんなコンセプトじゃない」
「アミューズメントダンスクラブ」
「「そう」」
植木さんとタクの声が揃う間も、羅依の視線はずっと私にある。
「うん?羅依?」
「才花の感想は?ここがどうこうでなく、集客どうこうでなく、才花はどうだった?」
コメント
3件
フラフラ〜😵💫 でも気持ちはジャンプ💃⤴️⤴️⤴️ お疲れさまでした!!
サイサイ〜!ジャンプはヒール👠なので背伸びでいきまーす(単なる歳です🤣)(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛ 腕は任せて〜!指立てて手首回しも任せて〜!血が騒いできて沸々してきたよ〜(☝ ˘ω˘)☝フゥッフゥッ腰もいくよーっ〜〜⤴⤴♡ あぁー終わっちゃったー(ノ*>v<)ノ ヽ(*'v'ヽ)ハイターッチ!!!明日も並ぶよ〜💪 才花ちゃんお疲れ様です! 羅依、そこが1番大事なとこだよね。才花ちゃんが楽しめたか、気持ちよかったか、ね…( •̥́ ˍ •̀ू )💦
才花が楽しいか幸せかが羅衣の気になるところだね。才花幸せだね💕