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「櫛引。火くれ、ライター切れちまった。手前ェ等いつまで屯ってるんだ??」
屋上のコーヒー牛乳のがぶ飲みコースが戦友達のグッドホルモン。あの日の快晴の青空はいつしか飛行機雲と成り太陽のしっぽを命の煌きと共に曝け出す……
「おい。なんか落ちてきたぞ、夕立か?」
ノート? 黒くて辛気臭ェ。リーダー格の大男が触れた瞬間、レムが実体化した!
『“あいつ”の正夢通り、学生に神が居る……彼の舎弟か?』
「ヒッ……化け物!」
櫛引悠貴はピアスを外して歩み寄る。白昼堂々の異形の者との邂逅【DEATH NOTE】? フラッシュ・バックする啓司の記憶……
「2組の生け好かねェ男子の事言ってんのか? 日本語喋れよ漫画野郎」
『現実を見ろ。外国は未だに核戦争の真っ只中、自衛隊も平和ボケしてる……10代の“若気の至り”で世界を変える気はあるか男子?』
「動画撮れ……拡散したら「いいね」のバカ騒ぎだ。加七子」
レムは一人の紅一点の女子に気付く。本を読み耽て退屈そうだった、神の進化か……誰でも良かった。この鳥篭の鉄檻を壊してくれる反逆者の到来を私は祈るばかり。
「男なんてクビだ、俺の恋愛は成就する。マインドフルネスナメんじゃねえぞ」
夏休みまで四週間。勝気な女なのは正反対の性格、これもまた若さ? 私は彼女に托してみた。
『櫛引悠貴、稲場加七子。友達ごっこは終いだ。課外授業の林間学校へ赴け』
「金。知恵。先天的、後天的の才華……処世術なら家庭教師と塾長に聞けコスプレ・バイプレーヤー」
『手本を見せてやる、40秒後心臓麻痺だ。死にたい奴は前に出ろ』
おいおい……信用出来るのかマルチまがいオカルト生命体!? 悠貴が担任の教師の名前を書き殴る、血液の様な赤色で滲んだボールペンのインクが“破滅のイメージ”へと誘い合う。ポケットのスマホのバイブと着信が鳴り始めた!
【生徒達は直ちに下校セヨ、犯罪者のテロ行為と不審者の乱入を防げ!! 繰り返す……】
レムは冷たく頷く、加七子は図書委員長としての仕事を淡々と熟す……殺ったのか。大男は周りの状況と嘘みたいな8月の日本晴れの爽やかな上空を仰ぎ彼女に問い正す、逃げろ。後の事は俺達に総べて任せて魔神の悪態の言葉を刻め!
「学生なんて教科書通りにいかない岐路ばかり、終わり無きゲームは高らかに鐘の音色を鳴らす。男なら度胸と根性見せろ」
「これで良い……櫛引、嫌な事なんて忘れろよ? 悪い夢さ。啓司もAB型みたいだな、お前の勝ちだ」
「誰に言ってんだ? お前等が俺にビビるんだろ」
『近頃の若者も悟り世代の次……か。後悔するなよ、リュークより私の方が性格は丸いぞ』
消えた。リーダーはスマホを投げ捨てて思い切り叫んだ、空っぽで虚無な日常……最早死神界の存在意義など。レムは白い羽根を追い風に靡かせてGATEの門を搔い潜った。暗黒の悪魔成る髑髏と怠惰の亜空間が私の帰路を見届ける腐れ縁の絆!!
『あれ? リュークじゃねェ、ノート渡したのかレム。今頃大騒ぎだぜ』
『ギャハハハ。ノストラダムスの大預言の再来か、暇潰しの死亡遊戯に持って来いだ! オイラの人生の伴侶は何処……カナピ~』
相変わらず働かない連中、死後の世界の様な長閑で事なかれ主義のエゴイスト……私の醜き心臓は疲弊し切っていた。伊藤啓司と櫛引悠貴、それを取り巻く幾つかのカード。ポーカーのロイヤルストレートフラッシュなどとうの昔に飽き飽きした、幸せは自分では気付かない証! リュークの不在と未来の予定調和は脳内で言霊を奏でゆく……タイム・リープの時間超過もそろそろ次のフェーズ、新世界の神など愚の骨頂=鬼畜の所業!! ノートは二冊人間の手に墜ちた、DEATH NOTEの最期を見届けるのが我々の役目。役者の演者は今の所現状維持の経過観察……私のメスとしての母性愛が彼を献身的に見守る、たった一つの現実!
『やめろ。肩入れしすぎだ、雌なんて半歩下がって見てろ……二つの世界が繋がったな! リュークといい貴様といいとんだはた迷惑さ』
『デスノートは殺人の兵器と化す、戦争で全員オジャンか? 探偵の名推理が俺等を嗅ぎ付けるんじゃ……』
違う。過去の歴史から紐解くルーツとこの惑星の過ちが現在の社会という名の【情勢】を創り上げた、令和7年でもネバーランドの理想郷(ユートピア)には程遠い事実……その程度の悪知恵が森羅万象、輪廻転生のヒトの業となりて第三次世界大戦のトリガー(引き金)の撃鉄を撃ち抜く!! メシアの救世主は成り上がりのその場しのぎの“社畜”。私の勘に狂いなど無い!
稲場加七子。女の気持ちなど恋に恋する少女漫画の主人公を夢見る現実の壁そのもの、いつだって黒歴史を動かすのは雄(オス=男)!!
『時代だよ。乗りかかった船さ、ノアは神話の始まりにてアダム&イヴの毒りんごを召された……過去の書物も勉強と刺激に良い』
一匹の下級死神が生欠伸をして答える。
『バーカ! フィクションの創作物なんざネタ切れ必須、モルモットの人間力次第。試される大地ってな』
『?』
『それが人生。毎日同じ事のループ……日記でも付けるか? ドラマティックに生きてみろ、無理ゲーだから! な?』
下界が何やら騒がしい、警視庁が動き出した。ノートの犠牲者の弔い合戦……リュークも手の込んだ事をする。啓司は電車に揺られ街へ繰り出す気か。楽園の扉は幾人の神の祭典、台本通りの展開!
『重い腰を動かしたのか。門限まで帰れよ、売り子でも逆ナンする気か? ノートの切れ端持ってるんだろ』
「今ここでお前を殺しても誰も何も気付かない」
ジャンバーを着飾る彼の視線は鋭く都民の行動に厳しかった。死神は俺にしか見えない、今がその時。最寄り駅の改札の駅長に尋ねる。
「池袋線? 電子掲示板のパネル通りですよ。今日は平常運行なので」
「有難う御座います」
リュークは駅内を飛び回る、自爆テロの予行演習か? こいつの言動はいちいち惹かれちまう……ま、いいか。俺部外者で関係無ェし。東京駅の外はポリスDJの清野がメガホンで騒いでいる。眠らぬ街、か。聞いて呆れるー
『お前だけだぞ。どうする??? 監視カメラの死角言ってやろうか、手を貸すぜ』
「警察、犯罪心理学など同じ穴のムジナ」
今まで殺した人間はどれも候補者のブラックリストのHP(ホームページ)の記載通りの末路を歩んだ、次の神へのテスト走行、再開!
『乗るのか? 山手線、外内』
「死神界へ帰れ。俺の寿命まで傍観してろのっぺらぼう」
『ご機嫌斜め77度……飯でも食いてェ気分だ、屋形船で杯でも交わすかな。レムの奴今何処で何をっ』
歩道橋で擦れ違う男の影、死神同士が気付いた!! 櫛引悠貴……? またガキんちょ。ノートの持ち主?? 啓司が話し掛ける。
「AB高校の生徒だな。クリスマスの聖夜に一人でぼっち闊歩か」
「……へェ。キヨスクってこの先か? タバコ切れちまった」
レムが視線を送る、殺人鬼達の密会。死神の能力で時間超越の過去へ彷徨ったのか? 稲場加七子の残留思念(PSI・ESP)が気になる……学園祭でもおっ始めるのか、啓司。
「生徒手帳見せろ」
「何人の名前書いた? あの女を殺せ。サイキックだか知らねェがガキの使いじゃねェぞ」
「リューク!!」
粉雪の降り頻るサンタクロースは彼等にプレゼントのトナカイと成りソリへ下った……二体の死神が見定める夕刻の時!!
「加七子≠ナンセンスだ、諦めろよ……試しに書け」
悠貴の言葉に【疑い】、【妬み】を隠せない啓司はポケットの紙の切れ端に触れる。大日本は恐怖国家の洗礼を浴びた。二人目の神様? パトカーが橋の下を通り過ぎる、サイレンの音色が二人の少年の焦燥感を煽った。レムが悠貴に耳打ちした直後! 贖いの失意……大乱闘の余念が二人のジャポニスムを追い込みゆく!
「悪魔壁紙にして神頼みってか? 高卒ごときがしゃしゃるな、お母さんの肉じゃがで愛噛みしめろ童貞」
「走馬燈に縋れパンピー風情。寄越せ」
これが全ての絡繰り……ギアの歯車の滑車は油を注すのを待ち焦がれる一瞬の為だけの解凍実験、ホムンクルスの解剖がきりきりと時刻を剞む悲しくて儚き灰空のソナタ。男達は戰う!! 12月25日PM10:37……
「稲場電話出るかな。……もしもし」
「逃げるのか」
監視カメラだらけの外国と違い大日本は東京駅を取り囲む23区域内の新世界のハッピー・エンドの欠けらを握り締め残り少ない年末を大切な人と過ごし征く運命、一石を投じる!!
『俺が書いてやろうか? 透明人間だ、三下のプライドなんて捨てろ』
「ヤレ」
「無駄だ。ピースメーカーと違い進化人は風邪すら引かない、端っこにでもメモれ」
レムが悠貴のスマホを取り上げる、バトル・ファイト?? やれやれ。奴さん怒りなすった……面白ェガキ!!
『私の負けで良い、好きなだけ殴れ。だが』
「言い訳がましく口答えするな、雌ごときが」
仲間割れか? 喧嘩両成敗だぜ。加七子のヤツ今頃家事でも手伝ってるのか……俺一人でイイ! 街頭演説も空耳アワーの真っ最中、殺せない人間も居るー
「もういいか? 初詣行かなきゃ」
「何が国民の祝日だ! 堕落した現実なんざ助けねェ、日本はもうゲームオーバー寸前」
「……だから?」
「お前も死神を餌付けしとけ、面倒くさがり屋の怠け者って書くぞ櫛引」
『帰るぞ、収穫は多かった。正月は仏様にお参りだ……紅白歌合戦は勝ち越し。そうだろ?』
「女なんてうざってェ。啓司、耀子に既読スルーLINE送れ」
二人の漢は夜空を見上げる。現実の世界、神のみぞ知る結末……白か黒。逝く道は一つだけ! 二人はなごり雪に去ってゆく寂しい肩と背中に降り積もる白い雪を時代の先駆者に准えて帰路に着いた。年末年始の一大イベントはこの国を否応無しに加速させゆく【遠い未来の天國】のロマンスを初夢に馳せるー
警察に正月何て無い!!
部下の清野は非番の職務を内定させた、僕なんて弱い。まだまだ出世街道邁進コースだ! 巷では奇々怪々の連日ニュースだらけの新世紀。犯罪者達の相次ぐ変死……仕事をバリバリ熟さねば!!!
「清野、餞別さ。交代の時間だ」
「警部補。裏でのフリーメイソンの組織グルメ(闇グループ)の犯行っすかね??」
刑事は胸と腰の拳銃を光らせて時代の煌きを達観しゆく、裁きの時は胎動をカウントする逆さまの砂時計の零れ落ちる“無常の涙”。東京都心に潜む爆弾と導火線が彼等の【精神状態】を擦り減らした。
『祭りが好きな人種なんだな。お前とは大違いだ、陰謀の糸のマリオネットを教えてやる……警察内部をハッキングして来たぜ』
「忠誠を誓え。お喋りな悪趣味ペット」
神は待つ。鎮魂歌【レクイエム】の終焉を……。