テラーノベル
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「……で、どうすんの」
勇斗の家のリビング。さっきまで甘い雰囲気で、それこそ脳が溶けそうな濃厚なキスをしていた俺たちは今、まるで次のライブのセットリストでも決めるような、妙に深刻な顔で向き合っていた。
いや、向き合っているというより、俺は勇斗のデカい背中に守られるようにして、一台のスマホを二人で覗き込んでいる状態だ。
画面に映っているのは、検索サイトの真っ白な背景に並ぶ「男同士 やり方 初心者」という、自分たちで打っておきながら目ん玉が飛び出しそうな文字列。
アイドルとして、M!LKのリーダーとして、いろんな壁を乗り越えてきた自負はある。でも、今から俺たちが挑もうとしているこの未知の領域には、ダンスのステップも、MCの台本も、ボイトレの成果も、何一つ通用しない。
「……なんかさ、いろいろ準備が必要なんだな。潤滑剤とか、……あと、中を綺麗にするとか」
勇斗の声が、少しだけ上ずっている。
隣にある勇斗の体温は、さっきからずっと高いままだ。腕まくりしたスウェットから覗くあいつの腕は、俺のそれより一回りくらい太くて、節くれ立った大きな手は、スマホを持つ指先まで力がこもっている。
この手が、俺の身体のどこに触れ、どこまで入ってくるのか。それを想像しただけで、下腹部のあたりがキュッとして、息が苦しくなる。
「……なぁ、仁人。これさ、どっちが『いれる方』やるか、ちゃんと決めなきゃダメだよな」
勇斗が画面から目を離し、真剣な眼差しを俺に向けてきた。
その瞳は、いつものふざけた「おいちゃん」と呼ぶ時とは違う、複雑で熱い光を宿している。
「俺は、俺がいれられる方をやるべきだと思ってる」
勇斗が間髪入れずにそう言った。
俺は思わず「はぁ?」と大きな声を出してしまった。
「何言ってんの。お前、自分が今どれだけ大事な時期か分かってんの? ドラマの撮影も控えてるし、バラエティのレギュラーだってある。お前がいれられる方なんてやって、もし体調崩したり、腰とか痛めたらどうすんだよ。仕事に穴空けるわけにはいかないでしょ」
俺は必死で正論を並べ立てた。
実際、勇斗のスケジュールは今、分刻みと言ってもいい。そんな彼に、身体的な負担が大きそうな役回りをさせるなんて、俺のプライドが許さない。
「それは俺のセリフだよ!」
勇斗が俺の肩を掴んで、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。
肩を掴む手のひらが、俺の肩をすっぽりと覆い隠してしまう。
「仁人、お前……慢性的に腰悪いだろ。ダンスの練習の時だって、いつもシップ貼ったりケアしてるの、俺が一番近くで見てるんだよ。ただでさえ負担がかかるのに、……その、初めてのことで、お前の大事な腰に何かあったら、俺、一生後悔する。M!LKのパフォーマンスを支えてるのは、お前のその腰と足なんだよ」
「それは……そうだけど」
「だから、俺が受ける。俺は体力だけは自信あるし、多少寝不足でもドラマの現場くらい乗り切れる。仁人を傷つけるくらいなら、俺が全部引き受ける」
勇斗の言葉は、痛いくらいに優しかった。
あぁ、こいつは本当に、佐野勇斗だなと思う。
いつだって自分を後回しにして、メンバーのこと、俺のことを守ろうとする。その不器用なまでの過保護さに、胸が締め付けられる。
でも、それだけじゃないんだ。
俺の胸の奥にある「理由」は、もっと別の、自分勝手な、もっとドロドロとした、言葉にするのも恥ずかしい場所にある。
「……嫌だよ」
「何が」
「勇斗がそんな、……無理してる姿、見たくない。俺に気を使って、痛いの我慢して……そんなの、全然『恋愛』じゃないじゃん」
俺は勇斗の胸元を、ギュッと拳で掴んだ。
厚い胸板。鍛えられた筋肉の感触が、手のひらを通して伝わってくる。
このデカい男が、俺の下で身体を丸めて耐える姿。……正直、想像できないし、させたくない。
俺が知っている勇斗は、いつだって俺を引っ張って、俺を包み込んでくれる存在だ。
喧嘩もするし、ふざけ合うけど、根底にあるのは圧倒的な「包容力」なんだ。
「……俺は……」
「仁人?」
俺は俯いたまま、顔が沸騰しそうなくらい熱くなるのを感じていた。
心臓がうるさい。さっきからバクバクと肋骨を叩いていて、もう限界だった。
「……俺は、お前に抱かれたいんだよ。……言わせんな、バカ」
沈黙が流れた。
リビングの時計の秒針の音だけが、やけに大きく聞こえる。
勇斗の肩がピクッと震えた。俺を掴んでいた手の力が、ふっと抜ける。
「……仁人。今、なんて……」
「一回しか言わないから。……お前が俺に恋愛を教えるって言ったんだから、だったら、……お前の、その、お前に、俺を、……抱いてほしいんだよ」
恥ずかしすぎて、涙が出てきた。
三十路手前の男が、何を言っているんだ。
でも、これが本音だった。
勇斗の大きな手に、腕に、胸に。そして、あいつの熱い塊に。
全てを委ねて、壊されるくらいに愛されたい。
理屈じゃない。腰がどうとか、仕事がどうとか、そんなのは全部後付けの言い訳だったんだ。
「…………仁人」
勇斗の声が、今まで聴いたことがないくらい、深く、甘く、熱を孕んで響いた。
彼の手が、俺の顎をそっと持ち上げる。
視線が絡まる。勇斗の瞳は、もう「守る」だけの色じゃなかった。
それは、俺という存在を余すことなく喰らい尽くそうとする、真っ直ぐな欲望の色だった。
「……わかった。そこまで言うなら、もう俺、手加減しないよ」
勇斗の低い声が鼓膜を震わせる。
その瞬間、俺の背筋にゾクゾクとした快感とも恐怖ともつかない震えが走った。
「……でも、準備はちゃんとする。仁人が痛いのは嫌だから。……な?」
勇斗はそう言うと、俺をベッドへ促す前に、まずは浴室へと向かった。
ネットで調べた通り、清潔にするための準備をするために。
俺は一人、残されたリビングで、自分の指先がガタガタと震えているのを見つめていた。
もう、後戻りはできない。
浴室から戻ってきた勇斗は、少しだけ湿った空気を纏っていた。
「……仁人。お前の番。……ゆっくりでいいから。俺、ここで待ってるから」
勇斗のその言葉に頷き、俺はふらつく足取りで浴室へと向かった。
鏡に映る自分の顔は、見たこともないくらい上気していて、瞳は潤んでいる。
これから起こることを想像するだけで、腰の力が抜けそうだった。
ネットの知識を頼りに、慣れない手つきで自分の身体を整えていく。
冷たい水の感触と、反比例するように熱くなっていく内側。
指先が震えて、何度も深呼吸を繰り返した。
「……待ってろよ、勇斗」
浴室の湿った熱気を纏ったまま、俺は吸い込まれるように寝室のベッドへと足を進めた。
明かりを落とした部屋の中で、勇斗が一人、俺を待っている。
シーツの上に座り、膝に肘をついて考え込むような仕草をしているそのシルエットは、暗がりの中でも驚くほど大きく、男性的だった。
「……お待たせ」
声をかけると、勇斗がゆっくりと顔を上げた。
その瞳に、俺の半裸の姿が映る。
自分でも心臓の音がうるさいくらい鳴っているのが分かった。緊張で足の指先まで冷たくなっているのに、勇斗の視線が触れる場所だけが、火がついたように熱い。
「……仁人。こっちおいで」
勇斗が隣をポンポンと叩く。
俺は言われるまま、震える膝をついてベッドに上がり、勇斗の隣に滑り込んだ。
途端、勇斗の体温が押し寄せてくる。
さっきまで一人でいたリビングとは、空気の密度が違う。勇斗が放つ圧倒的な重圧に、俺の喉はカラカラに乾ききっていた。
「……怖がってんの、バレバレだぞ」
「っ、……仕方ないだろ。初めてなんだから」
俺が強がって言い返すと、勇斗はふっと柔らかく目を細めた。
そして、あの大きな、厚みのある手のひらで、俺の頬をそっと包み込んだ。
親指の付け根の膨らみが、俺の耳の裏まで届く。
……デカい。やっぱり、この男の手は、俺をまるごと包み込んでしまうようだ。
「俺も怖いよ。……仁人を壊しちゃいそうで。でも、もう止まれないから」
勇斗の顔が近づき、唇が重なる。
さっきの練習とは違う。もっと深く、もっと激しく。
俺の口内を蹂躙する勇斗の舌は、熱くて、逃げ場を与えてくれない。
「ん……っ、んぅ……」
後頭部を大きな手で支えられ、俺はただ勇斗の腕の中に閉じ込められたまま、溢れ出す唾液を飲み込むことしかできなかった。
やがて、勇斗が俺をゆっくりと仰向けに押し倒した。
上から覆いかぶさってくるその体格差に、息が詰まる。
俺の両手首が、勇斗の片手だけで軽々とシーツに縫い付けられた。
「……まずは、解さないとな。ネットに書いてあっただろ」
「あ……っ、……うん」
勇斗がもう片方の手で、枕元に置いてあったローションのボトルを手に取る。
カチッという小さな音のあと、冷たい液体が俺の太ももの間に落とされた。
その冷たさに身体がビクッと跳ねる。
「……力、抜いて。仁人」
勇斗の声は、いつになく落ち着いていた。
でも、俺の手首を掴む指の力は、隠しきれない独占欲で満ちている。
勇斗の長い指が、おそるおそる俺の入り口をなぞり始めた。
「ぁ……っ」
不慣れな感触に、腰が逃げようとする。
でも、勇斗の膝が俺の脚を割って入り込み、それを許さない。
一本、また一本と、勇斗の指が内側へと侵入してくる。
「っ、……ぅ、痛……い……っ」
「ごめん。すぐ慣れるから……。深呼吸して。俺を見て」
勇斗の言葉に従って、俺は必死に呼吸を繰り返した。
勇斗の指は、ゆっくりと、でも確実に俺の内壁を押し広げていく。
節くれ立った指の感触が、自分の中をかき乱す。
それが痛みの域を超えて、重苦しい圧迫感に変わっていく。
そして、勇斗の指が、ある一点に触れた時だった。
「ひ……あぁっ!?」
背筋を突き抜けるような、鋭い衝撃。
頭の芯がジンと痺れて、目の前がチカチカと明滅した。
今まで生きてきて、一度も味わったことのない、暴力的なまでの感覚。
「……ここか?」
勇斗の声が、どこか遠くで聞こえる。
指が、その一点を執拗に擦り上げるように動いた。
「ま、待っ……! 何これ……っ、やだ!! 勇斗、やめて……っ!!」
快楽。……そう呼ぶには、あまりにも恐ろしい感覚だった。
自分の意志とは関係なく、下腹部が熱く疼き、指先が痺れる。
身体の奥底にあるスイッチを無理やり押されたような、絶対的な支配感。
自分が人間ではなく、ただの「感じてしまう生き物」に作り変えられていくような、そんな本能的な恐怖が俺を襲った。
「怖い……っ、勇斗、怖い……っ!!」
涙がボロボロと溢れて、俺はなりふり構わず叫んでいた。
こんなの、俺の知っている「気持ちいい」じゃない。
もっと暗くて、深くて、逃げ場のない奈落に突き落とされるような……。
「……大丈夫。大丈夫だよ、仁人。俺がついてる」
勇斗が指の動きを止め、俺の顔を覗き込んできた。
その瞳には、恐怖に震える俺への深い慈しみと、それでもこの快楽を刻み込んでやりたいという、矛盾した情熱が同居していた。
勇斗は俺の涙を親指で拭うと、今度はより丁寧に、より優しく、その場所をほぐし始めた。
恐怖が、少しずつ、熱を孕んだ期待へと変わっていく。
「ん、……ぅ……は、ぁ……っ」
気づけば、俺の口からは、あのみっともない、甘えたような嬌声が漏れ続けていた。
でも、勇斗が「可愛いよ」と囁くたびに、その声はさらに高くなっていく。
「……だいぶ、柔らかくなったな」
勇斗が指を抜いた。
空虚感に襲われる暇もなく、今度は、それまでとは比べ物にならないほどの「熱」が、俺の入り口に押し当てられた。
勇斗の太くて硬い塊が、俺の中を強引に押し広げてくる。
「……っ、ん、あぁぁぁ……っ!!」
喉の奥から、自分でも聞いたことのない高い声が漏れた。
体が真っ二つに裂けるかと思った。内側が限界まで横に広げられて、内臓を直接押し上げられるような、生々しい圧迫感。俺は怖くなって、目の前にある勇斗の厚い胸板を両手で必死に押し返した。
「ま、……まって。入らない……っ! 勇斗、……こわい、壊れる……っ!!」
「壊さない。……絶対、壊さないから。……仁人、俺を信じて」
勇斗が俺の両手を掴み、自分の首に回させた。
「俺にしがみつけ。……お前の全部、俺にくれよ」
その一言で、俺の覚悟が決まった。
勇斗の首に腕を回し、その広い背中に指を立てる。
「……っ、こい……っ、勇斗……っ!!」
勇斗が腰を沈めた。
「ぁ……ぐ、ぅ……っ!!」
身体が真っ二つに裂けるような衝撃。
勇斗の大きな塊が、一寸ずつ、俺の奥へと潜り込んでくる。
内壁が限界まで引き絞られ、呼吸をすることさえ忘れてしまう。
勇斗もまた、苦しそうに顔を歪めていた。
「……あ、……、仁人、……きつい……っ、締めすぎ……っ」
俺の狭い中へと、勇斗の「男」が全て埋まっていく。
完全に入りきった瞬間、俺たちは同時に大きなため息を吐き出した。
繋がっている。
心臓の鼓動が、結合部を通してダイレクトに響き合う。
勇斗がゆっくりと、腰を動かし始めた。
「あ、……ぁぁっ!!」
さっき、指で触れられたあの場所を、勇斗の熱い先端が容赦なく穿つ。
衝撃のたびに、意識が飛びそうになる。
怖い。でも、逃げたくない。
勇斗は俺を抱きしめたまま、不意に俺の体を抱き上げた。
そのまま、勇斗がベッドの上に座る形になり、俺はその膝の上に正面から跨らされる。
「あ、……ぁぁっ、深、い……っ! 待って、これ、……だめっ……!!」
重力で自分の重さが全部下にかかって、先端が一番奥を強く突き上げる。
さっきまでとは比べものにならないくらい、深くまで刺さっているのがわかる。
「は、……ふぅ、……っ、……こわい、勇斗……っ!!」
俺は少しでもこの苦しさを逃そうと、勇斗の首にしがみついたまま、腕に力を込めて自分の体を持ち上げようとした。少しでも中にあるものを浅くしたかった。
けれど、勇斗は俺の腰を大きな両手でがっしり掴むと、力ずくで下へと引き戻した。
「……自分から腰浮かせて、そんなに深く欲しいの?」
「ちが、……っ、……は、ぁ……っ、ちが……っ」
否定したいのに、勇斗がわざと中の一点に先端をこすりつけるように腰を揺らす。
そのせいで、まともな言葉にならない。
俺の意思とは関係なく、膝の力がふっと抜けてしまう。浅くしようとしたのに、快感で腰に力が入らなくて、さっきよりも深く勇斗の上へと落ち込んだ。
「あ、ひ……っ!! あぁぁぁっ、……ん、んぅ……っ!!」
「……っ、仁人、……っ!!」
勇斗が俺の腰を強く自分の方へ引き寄せた。そのまま、一番奥を叩きつけられるような衝撃と一緒に、俺は一度目の絶頂を迎えた。
「あ、あぁぁぁぁぁぁっ!!!」
足の先までガクガクと震えて、俺は勇斗の胸に顔を埋めたまま、荒い呼吸を繰り返した。
しばらくして、勇斗が俺の背中を撫でながら、ふと動きを止めた。
繋がったままの場所が熱くて、静かな部屋の中でそこだけがずっと脈打っている。
「……なぁ、仁人」
勇斗が、俺の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
「……お前、俺のこと好きなの?」
心臓が大きく跳ねた。
「恋愛ごっこから始めて、本物にしてけばいいじゃん」と、勇斗がそう言ったから、俺は今日ここにいる。でも。
「……っ、……わかんない、よ……」
俺は、勇斗の胸元に顔を隠したまま、消え入りそうな声で答えた。
「……急展開すぎて、わからない……っ。……恋愛ごっこだって、言ったじゃん……っ」
「……俺はもう、ごっこなんて思ってねーよ」
勇斗の声が、さっきより低くなった。
あいつは俺をまたシーツの上へ仰向けに押し倒した。繋がったまま体勢を変えるとき、過敏になった内側を勇斗の塊がじりじりと擦り上げる。
「あ、……ん、んぅぅ……っ!! まだ、入ってる……っ」
「……わからせてやる。お前が俺を好きだってこと、今ここで」
勇斗は俺の両足を高く持ち上げると、自分の肩にかけさせた。
完全に開かされて、逃げ場がない。勇斗の目は、さっきよりもずっと濃い熱を帯びていた。
一回イッてぐったりしている俺の都合なんて関係なく、勇斗のそれはさっきよりさらに硬くなっている。
「……っ、勇斗、……まだ、やるの……?」
「……当たり前だろ。止まれるわけねーじゃん」
勇斗がまた、激しく腰を沈めた。
「あ、……ぁぁぁぁっ!!」
一度果てた後の体には、その衝撃はあまりにも生々しくて、キツい。
勇斗の腹と俺の腹が激しくぶつかって、肌の間で汗がじっとりと滲む。
「ぐ、ぅ……っ、はや、と……っ!!」
勇斗が俺の髪を掴むようにして顔を上げさせ、何度も深く唇を塞いでくる。
呼吸ができないまま、内側をめちゃくちゃに突き上げられる。
「ごっこ」のはずなのに、体も心も、勇斗の熱を求めて勝手に震えてしまう。
「……はや、と……っ、すき、……っ、……だいすき……っ!!」
口から溢れたのは、俺自身も驚くくらいの、剥き出しの告白だった。
それを聞いた瞬間、勇斗の動きがさらに激しくなった。
俺の腰を砕くくらいの力で掴んで、猛烈な勢いで腰を叩きつけてくる。
「あ、ぁぁぁっ!! ふ、あ……っ!! はやと、……はや、とっ!!」
突き上げられるたびに、勇斗の硬い先端が、俺の奥に何度もぶつかる。
二度目の絶頂が、さっきよりも大きな熱を持って上がってくるのがわかった。
「あ、……ん、……いく、……いっしょに、いこ……っ!!」
「……っ、仁人、……いくぞ、……っ!!」
二人の体が同時に大きく跳ねて、重なった。
勇斗の熱い液体が、俺の中を埋め尽くしていく。
俺は勇斗の背中に爪を立てて、あいつが俺の中に全部を出し切るまで、その重さを受け止めた。
「……はぁ、……はぁ、……っ」
俺は勇斗の腕の中で、完全に脱力して横たわっていた。
体中が汗でべたついて、勇斗の体重が重い。けれど、その重さが、彼と繋がった証拠みたいで安心した。
「……仁人」
勇斗が、俺の頬を指でそっとなぞった。
「……さっきの、嘘じゃねーよな?」
「……っ、……うるさい、ばか……」
俺は顔を真っ赤にして、勇斗の胸元に顔を押し付けた。
「恋愛ごっこ」なんて言葉でもう誤魔化せないくらい、俺の体も心も、勇斗のことしか考えられなくなっていた。
静かになった部屋に、また衣類が擦れるような音が響く。
勇斗の手が、俺の腰のあたりをまたゆっくりとなぞり始めた。
それだけじゃなく、俺の中に残っているあいつの塊が、また熱を持って硬くなっていくのがはっきりとわかった。
「……っ、おまえ、……まだ元気なの……?」
あきれ半分、怖さ半分で聞くと、勇斗はいたずらっぽく笑って俺を覗き込んできた。
「……仁人が可愛すぎるのが悪い」
「……っ、……もう、……」
勇斗は少し潤んだ瞳で俺を見つめたまま、またゆっくりと腰を動かし始めようとする。
「……つぎは、……もうちょっと、やさしくしてよね……」
俺が観念して小さく呟くと、勇斗は嬉しそうに笑って、また俺の唇を塞いだ。
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天才です😭😭