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前回の続き~
放課後の教室。
窓から差し込むオレンジ色の光に照らされながら、ころんは机に突っ伏していた。
「……うぅ、眠い……」
昼間にみんなからわちゃわちゃ甘やかされたせいで、どっと疲れが出ていたのだ。
そんなころんの頭に、ぽん、と優しく手が置かれる。
「寝るなら机より俺の肩のほうが楽だぞ?」
軽い調子で言うのは さとみ。
ころんは顔を上げてじろりと睨む。
「……それ絶対からかってるだろ」
「いやいや、マジで心配してるんだけど?」
くすくす笑うさとみに、ころんはしぶしぶ肩を借りることにした。
ふわりと漂う柔らかい香りに、少しだけ心臓が早くなる。
すると後ろから、ドアを開けて 莉犬 が顔を出した。
「あーっ! ころんくん、サトにいの肩なんか借りて〜!」
「ちょ、声でかい! 誰か来たらどうすんだよ!」
慌てて立ち上がろうとするころんを、今度は ジェル が止めた。
「いいじゃんいいじゃん、仲良しで。なぁ、俺の膝も貸してやろっか?」
「いらないから!!」
ころんが真っ赤になって抗議していると、静かにノートを閉じた るぅと が呟く。
「……僕の隣なら、安心して眠れると思うけど?」
一瞬、空気が止まる。
ころんは顔を赤くしたまま、どう返事していいか分からず固まった。
そんなころんを囲むように笑うみんな。
からかわれながらも愛されて、教室に響く笑い声は夕焼けに溶けていった。