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(お願いだから…僕をおいていかないで…!)

もう大切な人に離れてほしくない。お願いだから…

「真白を連れて行かないで…」

耳の奥で救急車のサイレンが聞こえた。おそらく誰かが呼んだのだろう。僕はまた動けずにいる。真白のために、ちゃんと僕が動きたいのに…こわばった身体は、何をしても、どうしても動いてくれない。

「………み…きみ………君っ!」

「は、はい!」

「君はこの子の家族ですか?」

急いでいる救急隊員の声が聞こえる。答えなきゃ…答え…ないといけないのに…

震える声で僕は言った。

「彼女は僕の…恋人です」

「そ、そうか。ご家族がいないから、君が付き添いできてくれ!状況を説明する人が必要です!早く救急車に乗ってください!」



「彼女は僕の…恋人です…か……」

僕はもう一度呟いた。その言葉を言う僕の肩は震えていた。

「僕の恋人です」なんて、言う資格ないんじゃ…とも思った。だって、僕が真白の体調を気遣わなきゃいけなかったのに…最後はこうなってしまった。僕がもっとしっかり真白に気を遣っていたら…僕がもっとしっかり真白の病気を受け入れていれば…

僕が後悔に苛まれてうずくまりそうになっていたその時…

真白の手がピクリと動いた。

本当に、本当に少しだけ。だけど僕には、真白が生きているという確信を与えてくれたように思えた。

「た………く?」

真白の声が聞こえた。でも、無理をしてるのがわかる。

「真白、言わなくていい。僕が”聴く”から」

そう言うと真白はフッと笑った。

(拓馬くん…ごめんね。結局倒れちゃった…せっかくの初デートだったのに…)

そんなことない…僕にとっても最高の初デートだったのだから。

「謝らなくていいんだよ…?」

(ねぇ、拓馬くん)

「なに…?」

(私のお見舞いには来ないでほしいんだ。拓馬くんに…泣いてほしくないの…)

真白はニコッと笑った。でも…

「ごめんね。でも、僕は行くよ。心の準備が出来たら、ちゃんと会いに行くから」

(そっか…じゃあ、私はちょっとだけ寝るね?本当に…ちょっとだけだから…)

「う、うん…おやすみ、真白」

僕は心の底から湧き出て来る、「真白が二度と目覚めない」という不安を振り払った。僕は待つから…だから…

「早く起きてね、真白…」


「拓馬くん…?」

私が目を覚ますと、拓馬くんは居なかった…



※今回長い!w久しぶりに投稿したからね♪(♪じゃねぇよwお前はよ上げろwww)

それでは皆さん、次の話もお楽しみに〜〜〜!

心の声が聞こえる僕と、心を殺した君の話。(完結)

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