コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(お願いだから…僕をおいていかないで…!)
もう大切な人に離れてほしくない。お願いだから…
「真白を連れて行かないで…」
耳の奥で救急車のサイレンが聞こえた。おそらく誰かが呼んだのだろう。僕はまた動けずにいる。真白のために、ちゃんと僕が動きたいのに…こわばった身体は、何をしても、どうしても動いてくれない。
「………み…きみ………君っ!」
「は、はい!」
「君はこの子の家族ですか?」
急いでいる救急隊員の声が聞こえる。答えなきゃ…答え…ないといけないのに…
震える声で僕は言った。
「彼女は僕の…恋人です」
「そ、そうか。ご家族がいないから、君が付き添いできてくれ!状況を説明する人が必要です!早く救急車に乗ってください!」
「彼女は僕の…恋人です…か……」
僕はもう一度呟いた。その言葉を言う僕の肩は震えていた。
「僕の恋人です」なんて、言う資格ないんじゃ…とも思った。だって、僕が真白の体調を気遣わなきゃいけなかったのに…最後はこうなってしまった。僕がもっとしっかり真白に気を遣っていたら…僕がもっとしっかり真白の病気を受け入れていれば…
僕が後悔に苛まれてうずくまりそうになっていたその時…
真白の手がピクリと動いた。
本当に、本当に少しだけ。だけど僕には、真白が生きているという確信を与えてくれたように思えた。
「た………く?」
真白の声が聞こえた。でも、無理をしてるのがわかる。
「真白、言わなくていい。僕が”聴く”から」
そう言うと真白はフッと笑った。
(拓馬くん…ごめんね。結局倒れちゃった…せっかくの初デートだったのに…)
そんなことない…僕にとっても最高の初デートだったのだから。
「謝らなくていいんだよ…?」
(ねぇ、拓馬くん)
「なに…?」
(私のお見舞いには来ないでほしいんだ。拓馬くんに…泣いてほしくないの…)
真白はニコッと笑った。でも…
「ごめんね。でも、僕は行くよ。心の準備が出来たら、ちゃんと会いに行くから」
(そっか…じゃあ、私はちょっとだけ寝るね?本当に…ちょっとだけだから…)
「う、うん…おやすみ、真白」
僕は心の底から湧き出て来る、「真白が二度と目覚めない」という不安を振り払った。僕は待つから…だから…
「早く起きてね、真白…」
「拓馬くん…?」
私が目を覚ますと、拓馬くんは居なかった…
※今回長い!w久しぶりに投稿したからね♪(♪じゃねぇよwお前はよ上げろwww)
それでは皆さん、次の話もお楽しみに〜〜〜!