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橋を渡ろうとしたけど、人だかりで足が動かなかったから、泳ぐことにしました。
後ろの人を忘れ進みました。
下の水には魚の死体が沢山ありました。私が踏み付けたのです
水も人だかりで、横に流れてるはずなのに、垂直に前や後ろへ蹌踉めきました。
ふと、考えたんです。私達は何処へ行っているのか、と。
逃げていたのです。
大きな怪物から。
布切りバサミみたいに、鋭く大きなハサミを持った男から私は逃げていたのです。
物が邪魔で、
どんどん怪我してしまって、
とうとう追いつかれてしまいました。
最初に男は私を脅しました。
「伏せをしろ」と。
まるで私は犬の様です。男は興奮状態でした。
恐怖に怯える私に、男は安心させるように、笑いました。
「言うことを聞いたら、解放してやる」
泣きながら床へ寝転びました。カチャカチャと音がして、それから写真を2、3枚撮られました。
撮ったあと、ふらふらと写真をしまいにタンスへ向かいました。
上に向かされた皮膚の皮は、いつにも増して重く感じました
向こうで聞こえる少しばかりの物音に絶望し、時間がリアルに感じました
ブランコの片隅で巣を作る蜘蛛を壊し、潰しました
別れ話をして、1人になりました。
空は夕方でした。
目が覚めると、男は私の上半身を膝枕のように置いていました。
話し合いをしたいと考えていましたが、私が無理でした。
苦しかったのです。彼の手が重くて、頭だけが動けませんでした
温かくなりました。恥ずかしかったです。でもそんなことを感じる暇などありませんでした。
それを見た彼は力を込めるのをやめ、私の頭をぐしゃぐしゃと回したあと、足元へ行きました。
緊張で息が荒くなりました。
力を使い果たした為、動けませんでした。
それほど、がんばりました。
満足した彼は大きなハサミを取りました。
川は渡っても特に変わったことはありませんでした。
でも、ここは人が少なかったです。
鯉や鮎が息を吸うため顔を出しているようでした
その醜さは面白くて、惨めに見えました
流された人はそのまま何もなくなりました。
近くの木の陰へ行き、伏目ながら地の向こうを眺め続け、
置いてきた「彼」を待つことにした。