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一国のロゼが魔族のハーフなのに人に恋をしてしまう話

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一国のロゼが魔族のハーフなのに人に恋をしてしまう話

4 - 欲しいものは、無かったものとイコールの関係である。

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2023年04月03日

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……

しーん、と静まる部屋の中。

オレの啜り泣く声が異様に響いて、「オレはロゼが、本当に大好きだった」と自覚する。

いや、今も大好きだが、

どうして……どうして死んでしまったのだろうか。

あぁ、もっと早くに伝えていれば良かった。

ロゼが好きだ、大好きだ、と。

本当の名前も知らない仲だったけど、大好きだったんだ。

オレの人生を捧げていたかった。

オレの恋心を知られないままでも良かったんだ。

ただ、捧げていたかったんだ。

オレの全てを、知って欲しかった。

ロゼの全てを、知りたかった。

本当の名前、なんて言うんだろうか。


「ロゼ……、死ぬなら、オレの手で、死んで欲しかったな……」


ロゼの初恋も、最期も、ロゼの全てが、オレであって欲しかった。

初めても最後も、全部オレが良かった。

死ぬなら、自分の手で死んでしまって欲しかった。

お前が苦しいなら、オレも苦しくて。

お前が嬉しいなら、オレも嬉しくて。

お前が悲しいなら、オレも悲しいよ。

お前が死んだなら、オレは誰よりも悲しむ。

お前が許すのなら、オレも許せなくても許す。

お前の全てが、オレの全てなんだ。

本当に、大好きなんだ。

どんなに醜くても、どんなに暗くても。

オレはきっと、お前を好きになった。


「ロゼ、お前は何故……クォーツを持っていたんだ、半分に割れているのに、大切そうに手に持っていたんだ…」


お前の全てを知りたくて。

でも、知れなかった。


生命が終わること。

それは分かっていたはずだ。


お前はどうして、そんなに優しく笑えるのに。

人のために全力を尽くせるのに。

オレは、そんなに優しく笑えないし。

ロゼ以外の人の為だけに尽くせない。


おれが、しねばよかった


おまえのかわりに、おれが。




____『お兄ちゃん、知ってる?』



____『等価交換することで、人を生き返らせることも、死なせることも、存在しない物を作れる「悪魔」が居るって』


____『その「悪魔」はね、』





____『人の命と引き換えに、なんでもしてくれるんだって。』






______そうか。

そうすれば。

それでも、オレの命を「はいどうぞ」と引き渡すわけには行かないだろう。


監獄で、死刑宣告された物をふたり、集めてこよう




類のために犠牲になれるんだから、感謝してもらわないとな……はは、














王は、今。

ロゼになれる者を探している。

でも、どうしても見つからなくて。

『私が命に換えても、ロゼを見つけて来ます』

と約束をした。


悪魔と契約するのは、この国では許されている。

だが、引き換えの命は処刑宣告された者を使うという条件。


なら、オレも契約しよう。




翌日

悪魔召喚の儀式を行うと、橙の髪に、前髪に少し黄色のメッシュが入っていて……一言で表すと、とても人間らしい悪魔だった。

「おい」

「なんだ」

話し掛けてきたのはあちらから。

『引き換えで何をするのか』や、『犠牲になる者』、その他諸々話す。

どうやらその悪魔は『アキト』という名らしく、かなり上位の悪魔らしい。

下位の悪魔は人の形すら成していないそうだ。

「じゃ、早く犠牲にする人間。」

「こっちだ」

案内していると、「こいつらは処刑が決まった奴らか、うるせぇな……」と文句を呟いていた。

「この2人だ。」

「おい、騎士団長サマが悪魔と契約かよ、良いのかそれ!!」

「俺らは悪魔と契約したせいでここにいるのに、そっちはなんだよ!!騎士団長だから許されるのかよ!!!!」

煩い。

とにかく煩い。

だから気に食わない。

だから悪魔に食わせる。

悲鳴を上げなければいいが。

「もう食っていいのか?」

「いいぞ」

いい味はしなさそうだな、と呟く。

「……で、『この国のロゼを生き返らせる』、だったか?もうひとつ、願い事を叶えてやれるが」

ロゼを生き返らせるには死体が必要、と言われたので持ってきたが、『もうひとつ』叶えられる。

その『もうひとつ』は、オレにとって必要な物だった。

欲しかったもの、だった

























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