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侑生side
今日、俺は巫女に告白する。そのために一緒に登校しようって誘った。気がついたら好きになっていたなんて無責任すぎるだろうか。
いつもより入念に手入れをして家を出た。学校とは反対に歩き出し、巫女の家の前に着く。
さっきから連絡しているのに一向に付かない。嫌われたのか?俺は何をしでかした?
ピーンポーン
若干緊張しながらもインターホンを押す。
「はーい」
中から出てきたのは巫女の母親だった。
「おはようございます。巫女はいますか?」
「あら、おはよう。侑生くんよね?巫女?ちゃんはこの家にはいないわよ?」
「え?」
この家にはいない?
「阿原巫女ですよ。あなたの娘さんの」
「さぁ……うちには息子しかいないはずなのだけれど……」
息子?いや、巫女には兄妹はいない。
「分かりました。ありがとうございます。」
どういうことだ?巫女がいない?
息子さんの名前は「澪」と言うらしい。何故か共通性だけは感じる。
一旦学校へ行って巫女がいるか確認してみよう。
ガラガラ
「はよー」
「侑生ー!聞いてくれよ〜!」
「……なんだよ。」
「彼女に振られちった〜」
「?お前らあんなラブラブだったのに?」
「そうなんだよ〜泣なんか、俺は金目的だったって……」
「お前ん家金持ちだからな。」
話が一段落したところで辺りを見回す。巫女の席にはまだ誰も座って居なかった。
「?どーした?そんなキョロキョロして。」
「なぁ、陽、巫女ってまだ来てない?」
「ミコ?」
「そうそう」
陽は巫女と中学の時一緒で仲がいい。悔しいけど、俺よりかは何か知ってるはずだ。
「……澪じゃなくて?」
「うん。お前と中学一緒だった。覚えてない?」
「巫女って名前はいないけど、澪なら同じ中学だったぜ〜、なんなら中学一緒なの澪くらいだし」
「澪ってだ……」
「俺の話?」
「そーそー、侑生のやつ、このクラスには巫女ってやつがいるって言い出してさ〜」
「あははっ伊佐山くんは面白い冗談を言うね」
「澪ってさたしか生徒会だったよな?そんな奴いなかった?巫女……だっけ?」
「阿原巫女……」
「俺と同じ苗字なんだ、俺も阿原澪って言うんだ。」
「で、ぶっちゃけるところ、巫女ってやつはいたのか?」
「そんな人はこの学校にはいないよ。」