テラーノベル
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桃 姫@フォロバ
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第10話:繋がれた絆と、深愛の狂宴
港都レヴィアでの補給を終えた『黒狼号』は、再び穏やかな蒼海へと船を進めていた。
甲板に降り注ぐ柔らかな陽光の中、シオンは船の錨(いかり)の近くで、ちょこんと腰を下ろしていた。
首元には、昨日レヴィから贈られた黒革のチョーカーが誇らしげに巻かれている。中央には、シオンの瞳と同じ蒼い宝石がキラリと光っていた。
シオン:「えへへ……きれいだなぁ。船長さんも、ガルドさんも、フェニさんも、みんな僕に優しくしてくれる……」
シオンは指先で宝石を撫で、嬉しそうに頬を緩めていた。
自分にとっては「大好きなみんなからもらった宝物の首飾り」だが、それが攻め三人による「俺たちの所有物であるという絶対的な烙印(首輪)」であることを、シオンは依然として何一つ理解していなかった。
そこへ、巨大な木樽を担いだ荒くれ船員の一人が通りかかった。
顔に大きな傷を持つ強面の男だが、シオンを見るや否や、一瞬で目尻を下げてデロデロの笑顔になった。
船員A:「おや、シオンの姫様! こんなところで何をしてるんだい? 風が冷たいだろ、風邪でも引いたら船長たちに俺たちが海へ投げ込まれちまう」
シオン:「あ、カルロスさん! お仕事お疲れ様です! 姫様じゃなくてシオンですよ? ……あのね、この首飾り、船長さんたちにもらったんです! 格好いいでしょう?」
シオンが胸を張って見せると、船員のカルロスはゴクリと息を呑んだ。
その首輪が何を意味しているか、船員なら誰もが分かっている。船長レヴィ、用心棒ガルド、航海士フェニの三人が、この可憐な少年の所有権を完全に主張し、他の何者も触れさせないという凄絶な誓いの印だ。
カルロス:「へ、へぇ……すげぇお似合いだぜ、シオン……。いやぁ、本当にうちの船に女神様が舞い降りたみたいだ」
シオン:「ふふ、カルロスさんってお口が上手ですね! あ、重そうな樽……僕もお手伝いします!」
シオンが立ち上がり、小さな手で樽を一緒に持とうとすり寄ってくる。
無防備すぎる距離の近さと、首輪から覗く白磁のような首筋の美しさに、カルロスは冷や汗を流しながら後ずさった。
カルロス:「め、滅相もない! 姫様の手を汚したら俺の首が飛ぶ! 気持ちだけで十分だ、ありがとよ!」
カルロスは脱兎のごとく逃げ出していった。
シオン:「あれ……? カルロスさん、行っちゃった。みんな、本当にお手伝いさせてくれないなぁ……」
シオンは不思議そうに首を傾げた。
いまや『黒狼号』の船内において、シオンは「誰もが守るべき絶対的アイドル=姫」として君臨していた。シオンが少しでも転びそうになれば船員たちが群がり、重いものを持とうとすれば奪い取る。
シオン本人は「みんなとっても親切だなぁ」と能天気に喜んでいるが、裏では攻め三人の恐怖政治と、シオン自身の圧倒的な愛嬌によって、船内の治安が謎の方向へ悪化していたのだった。
◇
その日の夜。
月が天頂に上り、静まり返った船長執務室。
シオンは部屋の中央に置かれた大きなソファで、レヴィ、ガルド、フェニの三人に囲まれるように座っていた。
テーブルの上には、フェニが街で買ってきた甘い果実酒や極上のスイーツが並んでいる。
フェニ:「はい、シオンくん。あーんです」
フェニがフォークで小さく切った甘いケーキを、シオンの口元へ差し出す。
シオン:「あーん……んぐ。……ん! おいしいです! フェニさん、とっても甘いです!」
シオンが口いっぱいに頬張り、満足そうに瞳を輝かせる。
フェニ:「ふふ、美味しいですか? 君が喜んでくれるなら、街のケーキ職人をそのまま拉致して船に乗せた甲斐がありましたね」
シオン:「えっ!? 拉致……!?」
ガルド:「冗談だ、真に受けるなガキ。……ほら、口の横にクリームがついてぞ」
ガルドは呆れたように言いながらも、ごつごつした大きな親指で、シオンの唇の端についた白いクリームを優しく拭い取った。そして、その指を躊躇なく自分の口の中に含んで舐めとる。
シオン:「あ、ガルドさん、僕のクリーム食べちゃった」
ガルド:「……べ、別にいいだろ。もったいねぇからな」
顔をわずかに赤くするガルド。その眼光は、シオンの首元に巻かれたチョーカーへと注がれていた。
ガルド:「……なぁレヴィ。この首輪、まじでお似合いだな」
レヴィ:「当然だ。俺が選んだんだからな」
レヴィはグラスを傾けながら、ソファーの背もたれに腕を回し、シオンの華奢な肩を引き寄せた。
レヴィの指先が、首輪の蒼い宝石を滑るように撫で、そのままシオンの白い首筋へと流れる。
シオン:「ふふ、船長さん。この首飾り、とっても気に入ってます! ずっとつけていてもいいですか?」
シオンがレヴィの顔を見上げて微笑むと、レヴィの金色の瞳にどろりとした甘い執着が宿った。
レヴィ:「ずっとつけていろ。お前が死ぬまで……いや、死んでも外すことは許さん。お前が俺たちのものだという証だ」
シオン:「はい! ずっと大切にします!」
何の疑いもなく頷くシオン。
フェニ:「ふふ、本当に可愛い子ですねぇ。自分が『首輪をつけられたペット』だとも知らずに、そんなに嬉しそうにするなんて」
フェニは甘い声で呟くと、シオンのタートルネックの襟元を、指先で静かに押し下げた。
布地の下から露わになるのは、昨夜三人が競うように刻みつけた、数々の鮮やかなキスマークと歯痕だった。
シオン:「あ……フェニさん……?」
フェニ:「ねぇ、シオンくん。昨日の『お仕置きとご褒美』……まだ身体に残っていますね。痛くはありませんか?」
シオン:「痛くないですよ! 身体がポカポカして……なんだか、みんなの体温がずっと僕の中に残っているみたいで、すごく安心するんです」
そう言って、シオンは自分の胸元に手を当て、嬉しそうに目を細めた。
その言葉に、男三人の空気が一瞬で跳ね上がった。
レヴィの鼓動が速くなり、ガルドの喉がゴクリと鳴り、フェニの笑みが一段と深くなる。
ガルド:「お前……そんなこと言ったら、今夜もタガが外れるぞ……!」
ガルドが掠れた声で呟き、シオンの腰を強い力で引き寄せた。
シオン:「え……? タガが外れる……? ガルドさん、またみんなでお布団に入るんですか?」
シオンが無防備に首を傾げたその瞬間、レヴィがシオンの顎を捕らえ、そのまま激しい接吻でその唇を塞いだ。
シオン:「んむっ……!? !?!?」
ソファーの上で、レヴィの情熱的な舌がシオンの口内を荒々しく貪り尽くす。唾液が交じり合い、甘い吐息が漏れ出す。
シオン(心声):(あ……んっ……! 船長さんの舌……すごく熱い……っ! お息が……っ!)
呼吸ができなくなったシオンがレヴィの胸をポンポンと叩くと、レヴィは名残惜しそうに唇を離した。銀色の糸が二人の間に引かれる。
レヴィ:「ハァ……ハァ……。お前がそんな顔で俺たちをねだるからだ」
シオン:「ね、ねだってないですよ……! んあぁっ……!?」
言いかけたたシオンの首筋に、今度はガルドが力任せに歯を立てた。
ガルド:「黙ってろ……っ! 俺にも吸わせろっ!」
ガルドはシオンの首筋の柔らかい皮膚を強く噛み吸い、じわじわと血の香りを引き出していく。
シオン:「ひあぁっ……!? ガルドさんっ……! か、噛むの強すぎます……っ! あつくて……痺れちゃう……っ!」
シオンは涙目になりながらガルドの広い背中にしがみついた。
フェニ:「ふふ、相変わらずお二人ともお立ち上がりが早いですねぇ。……でも、僕も我慢できません」
フェニはシオンの膝の間に割り込むと、シオンの服の裾を捲り上げ、太ももの内側へ自分の温かい手を直接滑り込ませた。
シオン:「んあぁっ……!? ふ、フェニさんっ……!? なんで……太ももの中……触るの……っ!?」
フェニの滑らかな指先が、シオンの太ももの内側を撫で上げ、一番敏感で熱を帯びた中心部を布越しにぐっと圧迫する。
シオン:「あ……っ……ぁああっ……!? !?!? ダメ……そこダメぇぇっ……!」
快感の波が押し寄せ、シオンは背中を大きく反らせた。
右からガルドに首筋を吸われ、上からレヴィに唇を奪われ、下からフェニに体を愛撫される。
ソファーの上で繰り広げられる、密室の甘く危険な狂宴。
レヴィ:「シオン……お前の血も、身体も、心も……全部俺たちに捧げろ」
ガルド:「お前は一生、俺たちの腕の中から逃げられねぇんだよ……!」
フェニ:「ふふ、愛していますよ、シオンくん。僕たちの可愛い、唯一無二の姫様……」
男たちの狂おしいほどの愛と執着の言葉が、シオンの頭の中に溶けていく。
シオンは涙を浮かべながら、男たちの首に必死にしがみついた。
シオン:「あ……っ……みんな……っ! 僕……どこにも行かない……っ! ずっと……ずっとみんなと一緒にいるよぉ……っ!」
無自覚なタラシである少年が漏らした、最高のおねだりと愛の言葉。
それに歓喜した男たちは、夜が明けるまで、シオンを惜しみなく抱きしめ、愛で、己の存在を刻み込み続けたのだった。
◇
翌朝。
眩しい陽光が差し込む中、シオンは三人の中に埋もれるようにして目覚めた。
全身には、昨日以上に鮮やかなキスマークと歯痕、そして首元には蒼く輝く首輪。
シオンは自分の身体を見下ろし、嬉しそうにふにゃりと微笑んだ。
シオン(心声):(あは……今日もしあわせだなぁ。みんなと一緒で、とっても暖かい……)
逃げ場のない洋上の密室で、首輪で繋がれた少年と男たちの「狂愛の航海」は、どこまでも、どこまでも甘く続いていくのだった。
コメント
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うわ、第10話読み終わった…! もうね、シオンの無自覚タラシっぷりが最高にエグいわ(褒めてる)。船員たちがみんな「姫様」扱いで逃げ出していくの、シオン本人は能天気に首傾げてるけど、裏でレヴィたちの恐怖政治が効いてるの笑うw そして夜のシーン…三人の独占欲と執着がダダ漏れで、首輪の意味を知らされてないシオンが「ずっとつけていていい?」って言うの、もう完全に飼い慣らされてる…。でも当の本人が幸せそうだから、読んでてこっちまであったかくなるんだよな。 ラストの「今日もしあわせだなぁ」で終わるの、狂愛の航海がまだまだ続く感じがして続きが気になるわ! 雫さんの書く甘やかしと執着のバランス、どタイプです🔥