「あの…」
「わかってる」
「え!」
自分そんなに顔に出てたのかなぁと思いながら男を見る
「お貴族様の道楽に付き合わされたってとこだろ しっかし難儀だなァ お前みたいなちっこいガキにアンティーク並みに古い銃渡すたぁなぁ pcc渡してくれりゃいいのに」
pcc=ピストルキャリバーカービン…ピストル弾を使用するカービン(騎銃)
肩当て、頬付けがしっかり出来るため反動が小さい 主にホームディフェンスなどに使われる
あらぬ誤解をされているようで心が痛む
「違うんです!!」
ハッ!
思わず叫んでしまい慌てて口元を隠す
「僕…地図にも載らないくらい遠く離れた小さな村から来て、これはその…門出祝でもらった 思い出の銃なんです」
大事そうに銃を抱える
(下手な演技だったけどなんとか騙せた… かな?)
「…そいつはすまなかった」
慌てて否定する
「い…いえ!謝らなくても…実際古い銃なのには変わりないんですから」
「それにしても…まるで新品のような輝きだな」
ギクッ!
「それは…ほら!メンテナンスは頻繁にしなさいって言われて…」
額に冷や汗が浮かぶ
「そうか」
「そろそろ見えて来るぞ」
雑木林を抜けるとそこには立派なログハウスが立っていた
(ログハウス、初めて見た…ん?よく見ると隙間空いてたり何箇所か補修された跡がある)
「もしかして…一人で作ったんですか?」
「ん?ああ 森の奥まで入って来られる建築士はなかなか居ないからな」
(すっ…すごい)
「さっ 入った入った」
家の中は整頓されていて壁には熊の毛皮が飾ってあった
キッチンにはハーブやドライフラワーが束で吊るされている
「もしかして奥さんとかいらっしゃるんですか?」
「いや、一人暮らしだぞ」
(一人暮らしでこの綺麗さは異常じゃなかろうか…)
「ま、一旦座ってくれ」
言われた通り椅子に腰掛ける
「色々と話さなきゃいけないことがある
まず、俺の名前はロウグ ここらじゃ珍しい名前だ お前は?」
「ライムです」
「まずライム、お前が助けた生き物、あれは」
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