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み ん と
学園祭準備が順調に進み、副会長シリル・アシュリーと会計モニカ・ノートン、広報セレナ・シルヴィア、そして部品確認の代表生徒の四人で行うとしている最中、なぜかセレナは王城に呼ばれていた。
「あの、どうして私が王城に行かなければならないんですか?」
「それは、ご自分が一番理解してるのでは?」
「うぐっ、」
〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーに言われたその一言には心当たりしかない。
「まさか、新年初めの魔力測定を怠っていたとは、今何月だと思っているんですか?」
「魔術奉納の後は式典だけで特にすることもないから部屋に籠っていただけよ」
新年の初めには貴族へ挨拶する為に開かれた新年の儀というものがあり、そこで七賢人達は国王陛下に魔術奉納という貴族に捧げるギフトのようなものである。それが終わったらパーティーなどが開かれている。しかし、そういう行事に全く興味がないセレナは午前に全て終わらせ後は部屋に籠って一週間が過ぎるのを待っていた。
「とりあえず、魔力測定を始めるのでこれに手をかざしてください」
「はぁ、早く済ませてください」
「先輩殿、なぜ私がここまでして差し上げているのかお忘れですか?」
「そ、それは…」
セレナが今から手をかざそうとしている魔力量測定器には魔力と共に得意属性が現れる。セレナが親の英才教育で無属性になったことを知っているのは七賢人の中でも三人しかいない。そのため、魔力測定をする際は他の人には外してもらいルイスにいつも頼んでいるのだ。
「それには感謝してるから早くやって」
「…全くこのガキは、」
セレナが手をかざした瞬間、水晶は透明に光り始めた。
「おや、やはり無属性なのですね」
「いっそのまま、氷属性なら楽なのに…」
「我々にとってはそれが当たり前のことです 」
「当たり前は当たり前じゃないの」
七賢人のセレナもルイスもたまたま魔術の才能が開花し、魔力量が多い事で七賢人に任命された。だが、魔術が当たり前のように扱える訳ではない。そのことに関してはセレナもルイスも十分理解している。
「…そうですね、」
「で、どうなの?」
「魔力量が200を超えているのは当然のように、えげつない魔力量を保持していらっしゃいますね」
「最近、自分の魔力量については知らなかったな、いくつなの?」
「それは、___」
「雑談してたらこんな時間に、モニカ達もう部品点検終わってるかな、」
部品点検は早くてお昼に、遅くて夕方に終わる予定だ。現在時刻は夕方になる手前だ。
(結界に攻撃された痕跡が、この魔力はモニカ?)
セレンディア学園には〈結界の魔術師〉であるルイス・ミラーが発動した保護結界が張られている。外部からの攻撃は一切通さず有能な結界だが、既に学園内に潜んでいるのならその結界は意味を持たない。そんな中、堂々と攻撃魔術が発動されている。
「何が起こってるの、」
セレナがそう疑問を抱きつつ、学園内に入り認識阻害の結界を張ることで〈白銀の魔女〉セレナ・クリスタリアとは全くの別顔で過ごすことができる。
「セレナ様、た、大変です!!」
「モニカ、!?その者は?」
「えっと、…ケイシー・グローブ私の友…」
「会長を狙ってる敵でモニカとはただの知り合いよ」
ケイシーがそう発言した瞬間、一瞬だけモニカの顔が沈んだ気がした。
「それで、どうしたの?」
「が、学園内に〈螺炎〉が仕掛けられてます、!」
「〈螺炎〉、!?なぜ、どこにあるの!?」
「ネロに頼んで捜索して貰ったところ、殿下がいる倉庫に、!!」
〈螺炎〉は周囲の魔力を吸収して圧縮、内側で渦を巻くような魔力の流れで属性は火、殺傷能力はとても高く、近くにいる人々は簡単に吹き飛ぶだろう。
「っ…仕掛けたのは貴方?」
「そうよ、でも解除は絶対にしないから」
「これから、ルイスさんの結界をお借りして〈螺炎〉を封じ込めようと思い、ます」
「モニカ、噴水の所に行くつもりよね?彼処はルイス君と〈茨の魔女〉様による書き換え防止がある」
「そんな、!」
モニカの視線がケイシーに行く。恐らく、魔術を使うことで七賢人だとバレかねないからだ。
「モニカ、もう彼女は殿下を暗殺しようと企んだことでもう自由はない、覚悟を決めなさい」
「…、はい」
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