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_____街のきらめくイルミネーションが恋人たちを包む聖なる夜___
私はクリスマスの寒空の中に独りだった。
街のイルミネーションがちらちら顔見せる中くらいのビルの屋上で…
今日、本当なら彼氏と共に過ごせたこの夜。
でも、断られてしまって結局独りぼっちになってしまった。
所謂「ドタキャン」というやつだ。
私はこの孤独を紛らわすためにこの屋上まで上がってきたのだ。
気持のせいもあるだろうが、いつもより周りの空気が息苦しく、とても寒く感じ凍えそうだった。
でも、私は待ち続けた例え彼が来なかったとしても後悔はないなと自分の胸に言い聞かせ…
嗚呼、やはり彼は来ないのだろうかそう思った。
でも嫌だった、受け入れたくなかった。もしもこの夜私以外の人と共にしてたらと考えたら死にそうになる、私に殺される______!
____ないで、来ないで、来ないで!!!
嫌だ!私を殺したくない!助けて、無理だ、何で、私殺したくない、殺さないで…
いつまで続くだろうこの攻防は、体力持つだろうか、無理せずに受け入れてしまえばいいのに…その方がずっと楽だろうに。
この時私は胸の中に広がっていく満足感、幸福感 “ 抗えない ” 望んでないよこんなの不快、不快だよ抗わなきゃ飲み込まれてしまうよ
いっその事いいのだろうか身を委ねても、彼は悲しまない、街は恋人で溢れている……
ふふっ…ふふふっ絶好の機会過ぎるでしょ!!!
こんな恋人しかいない悲しむ人が大勢いる機会なんて……!
「こんなときに飛び降りたら…皆が集まってくるよね、そこに彼もいるかな…?」
「居たらいいなぁ〜♡」
高揚感が収まることなく、私がこの夜去った後私への思いが募って仕方がなくなる彼の事を何度も何度も頭の中を往復していった。
そしたら、また私の事見てくれる!?
私を失った悲しみをずっと持ち続けてくれる、
そんなの嬉しい以外の何物でもないじゃない!!
私は柵に手をかけた。
『あ、落ちる』
思った瞬間彼との思いが頭を駆け巡っ……
『痛い、痛い…何で何で私の想いこんなものじゃない…』
「い…た…ヒュは、アあ” 」
体に冷たい感覚…全身を針で刺されてる…石畳のゴツゴツした感触、息できない…無理だな、
抗えなかった…なりたかった、皆みたいに
イルミネーションに似合わない生臭い匂いが私の周辺を包んでいた。
惚けていた恋人たちも一瞬で凍りついた。火照って堪らなかったその体が私の体によって温度を失っていく…青ざめていってさっきまでの美人が引っ張られているような引きつった醜い顔になっていた。
意識は遠のいていくばかり、彼は来ない、まただ又この気持ち、シングルベル、独りでクリスマスの寒空の下私は身を委ねた。
どうせ来ることない彼に気持ばかりを届けようと醜く意識を残して。