TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

雲の上にいるメスドラゴンはナオトをそこにおびき寄せるために雨を長時間降らせていた。

どうやら彼女は彼との子どもが欲しいらしい。

そんなことミノリたちが許すわけがない。

ミノリはそこにやってきて一旦、アパートに戻ろうと提案するが、メスドラゴンは他種族の血を飲まないとそこから離れられないと言った。

彼女はミノリの血ではなく、ナオトの血を欲している。

そんなことミノリが許すわけもなく、ついに女同士の戦いへと発展したのである。


「雲の上から落ちた方が負け。それでいいわね?」


「私はそれで構わない。さっさと始めて」


あんまりミノリ(吸血鬼)を怒らせると厄介なことになるぞー。

ナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)は二人の戦いの邪魔にならないように少し離れたところから彼女たちを見ている。


「あっ、そう。じゃあ、行くわよ!」


「来い。返り討ちにしてあげる」


ミノリ(吸血鬼)は右手の親指の先端を噛んで少し血を出すと、それを日本刀の形にした。


「とりあえず、みじん切りにしてあげるわ!」


「その前に八つ裂きにしてあげる」


幼女対幼女の戦い。

その可愛い見た目に騙されてはいけない。


「てぇー!」


「ふん!」


ミノリの刀と擬人化したメスドラゴンの手刀がぶつかると、風圧で周囲の雲が消滅した。


「あんたのそれ、魔法か何かなの?」


「違う。これはただの体の一部。硬化じゃない」


「なら、切れるまで当てればいいってことね!」


水色のオーラを纏った彼女の手刀。

その硬度は刀すら受け止める。


「そう簡単にはいかないよ。高速連撃」


「なっ!」


メスドラゴンの拳《こぶし》が分身しているように見えるが、実際は高速で拳《こぶし》を放っているだけだ。

けれど、それは相手の攻撃の機会を減らし、なおかつ自分の身を守れる。

まさに攻防一体の技だ。


「な、なかなかやるわね。けど!」


ミノリ(吸血鬼)は左手の親指の先端を噛んで少し血を出すと、それで日本刀を作った。


「いくら増やしても結果は同じ」


「さて、それはどうでしょうね!」


ミノリ(吸血鬼)はニシッと笑うと、その場で回転し始めた。

竜巻だ。その場で高速回転することでミノリは竜巻を生み出した。


「くっ! 吸血鬼のクセに生意気!!」


「なら、あんたもやってみなさいよ! できるかどうかは知らないけど!」


「できる! それくらい簡単!」


メスドラゴンも竜巻を生み出す。

もう周囲の雲はほとんど消滅してしまった。

二つの竜巻が徐々に近づく。

なんだか嫌な予感しかしないが、俺にできるのは見守ることだけだ。

ダンボール箱の中に入っていた〇〇とその同類たちと共に異世界を旅することになった件 〜ダン件〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚