※戦争表現があります。旧国が出ます。戦争賛美なし。政治的意図なし。史実とは一切関係ありません。語彙力がなさすぎるためところどころおかしいです。誤字脱字があるかもしれません。
日帝×日本です。他にも諸々お気をつけください。
ミーンミンミン
蝉が鳴いている。日本庭園にその音だけが響く。真っ赤な夕日が辺りを赤色に染め上げる。
今はお盆の最終日、しかし、仕事があった為、スーツ姿のままやってきた。
「今日もお墓参りに来ましたよ、兄さん」
日本は日帝……兄の墓の前で手を合わせている。
何十年前の墓。手入れするのもお参りするのもいつも日本しかいない。苔がはえてるその墓は生前の兄の姿を彷彿とさせる。
(ハハ、馬鹿らしいですね……兄さんが居なくなってから何年も経つのに、)
古びた花瓶にホオズキを丁寧に供える。
(まだ、最後に見た兄の姿を忘れられないなんて…………。)
兄さんは勇ましい軍服を着て、戦地に向かう前、こういった
『日本、俺は、お前のことが好きだ。家族愛などではない。恋情的な意味でだ。…気持ち悪いだろ?,すまんな。せめてこれだけは許してくれ。』
その後頬に生暖かい感触があり、言葉を発するまもなく兄は行ってしまった。
(‥)
(返事できてないんだけどな‥…)
「……さて、また来年も来ますね」
そう呟いて立ち上がった時だった。
風すら吹いていないのに線香の僅かな煙が大きく揺れた。
日本は固唾を呑む。
煙はたちまち大きくなる。
手、足、顔ーー、煙は懐かしい人の形をなぞった。
「ほう、来年も来てくれるんだな?」
煙から声がしたと思った瞬間、日本の目の前に、死んだはずの日帝が現れた。何十年も前のあの姿のまま。
「久しぶりだな、日本。」
「……兄さん…?」
誰もいない庭園に日本と日帝の声がこだまする。
(なんで兄さんが、目の前に?、)
ありえないはずの状況に日本は混乱する。
(ついに幻覚まで見えだしのか?でも、確かにあれは兄さんの声で、顔で…!………………いや、そんなことどうだっていい、幻覚だって構わない。あの、あの兄さんが現れて、くれて…)
柔らかな風が日本を撫でて目から涙が伝う。
「そうだ,ただいま」
日帝は微笑み、日本を抱きしめる。
(あぁ、本当に兄さんだ。暖かい……身体の感触がある、兄さんの匂いだ…!!脈の音も吐息だって聞こえる……)
「うぅ、兄さん……」
「‥‥」
日帝が優しく日本のことを撫でる。まるで子供をあやすかのようだ。日本の涙が日帝の軍服を湿らせる。
どれくらい経っただろうか?
辺りはもう日が沈み月が輝いている。
日帝はやっと日本から手を離した。
「‥今までどこに行ってたんですか」
「天国ってやつかな。俺が住んでた場所に似てるのに、俺しかいない孤立した場所。……ただ、お盆になると、下界に降りられてお前の前にこうして姿が表せれるらしい。何十年も待たせて悪かったな。」
「………奇跡って本当にあるんですね」
「あぁ、俺もそう思うよ。」
「」
そこからはずっと他愛のない話をした。戦後どうなったのかーとか、最近の流行りはーとか、そんなこと。でも私にとってはとても暖かい時間だった。
スマホの通知が鳴る。開くともう11時を過ぎている。
(もうこんな時間ですか……)
日本はちらっと日帝の方をみる。
(え?)
日本は目を見開いた。
日帝の体が、薄くなっている。今にも空気に溶け込んでしまいそうだ。
「帰られるんですか‥?」
「そうみたいだな。でも、大丈夫だ。絶対に、来年のお盆の日。また会えるはずだ。」
「…」
満点の星空でもない。満月の日というわけでもない。しかし、今日の夜空はとても綺麗だ。
「ねぇ、兄さん。最後にいいですか?」
「なんだ?」
ーーチュー
日本は日帝の頬にキスを落とす。リップ音が辺りに響く。
「あの時のお返しですよ。……私も好きです、日帝さん。それでは来年あいましょう?」
「…!‥またな。」
日帝はそのまま消えてしまった。線香の煙も消えている。うるさい蝉の声が耳に戻る。スマホは12時をちょうど指した。
「…さーて来年は何をしましょうか。」
日本はそう言って帰って行った。
コメント
2件
やばいやばいやばい‼️ こんなところに神様いたっ‼️