テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「よし、死のう!」
それを聞いたひろくんは、呆気にとられた顔をした。
「………は?」
何も聞かず、ただその一言を呟いた。
それを聞いた俺はひろくんににっこり笑いかけた。
「いや、なんかどーでも良くなってさ!」
「もー死んじゃおって思って!」
「…何、言ってんだよ、」
少し掠れた、絶望したような声で、ひろくんは言った。
「命は…そんな簡単に、断っちゃいけないんだよ…、!」
俺に訴えかけるよう、必死に呼びかける。
ひろくんはきっと、俺が本気だって分かってんだろうなぁ…。
「…俺の命なんて、俺の勝手でしょ?」
「じゃ、サクッと死んでくるから!」
そう言いながら、俺はひろくんの手を握る。
「この数年…ひろくんと過ごせて良かった」
「来世でまた会えたらいいよね!」
ひろくんと過ごした日々は、本当に楽しかった。
彼には感謝してる。
だからこそ、ひろくんにだけ、俺の最期を見届けてほしかった。
「…待ってよ、」
俺が握っていた手を、ひろくんはさらに強く握った。
「ひろくんも、何か俺に伝えたいことあるの?」
最後だし、多少の願い事を聞こうかな。
ひろくんがなんて言うか、俺には全く分かんないけど。
そう呑気に考えていた俺はその後、衝撃を受けることになった。
「…一緒に死のう?」
俺にそう言って、ひろくんは笑った。
「…は、?」
今度は俺が、その一言を呟いた。
何言ってんだ、ひろくん。
俺と死んで…良いことなんかないし。
そもそも、なんでひろくんが俺と死ぬんだよ…。
「…俺の人生の全ては、うりだから」
「うりがこの世からいなくなるなら、喜んで一緒に命を絶つよ」
ひろくんは怖がっていなかった。
揺るがない信念を持った眼差しでこちらを見つめ、握った手を離さなかった。
きっと、ひろくんは本気だ。
その答えに辿り着いたとき、鳥肌がたった。
俺は…ひろくんには生きていてほしかったのに。
俺が死ななければ、ひろくんは死なない?
でも、俺は死にたい…。
じゃあ、どうすればいいの…?
……答えは1つ。
ひろくんがいない隙に、俺が1人で死ぬ。
ひろくんに見てほしかったけど、これは仕方がない。
この後ひろくんに恨まれようと、嫌われようと。
俺はもう死んでるんだから、関係ないよね?
「…今日は、やめとく、」
「…いいの?」
不思議そうな顔をして、ひろくんは俺に聞いてくる。
「じゃあ、死ぬときは言ってね!」
元気良く言ってから、ひろくんは俺の元を去った。
……言う訳ないのに、ね。
ひろくんが去った方向と逆方向へ足を向ける。
これで、ひろくんを見るのも最後か。
最後の会話があれなのはちょっと心残りだけど、そんなことどうでもいっか。
さ、1人になれたことだし、さっさと死ぬか。
俺は自分の家ではない、知らないマンションへ走り出した。
コメント
7件
知らないマンション、、最上階から飛び降りるつもりかな、? hrくんの迷いのない「一緒にタヒのう」がurりんへの愛が伝わってきて尊いです
クッソ後半が気になる終わり…!! 後半待ってます!
最高…
塩 🚰
6
しの
51,134