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さて、仕方が無いから冒険者部の無資格部員向けの授業をしておこう、と言う訳で文章先生顧問に放課後に適当な空き教室で授業をして貰おう、としたのだが……
「はい、それでは授業を始めます……ね……」
「「「「「「「「「「「「「「は~~~い!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」
多っ!!!!教室の席が満席どころか後ろに立っている連中まで。おい、そこ!明らかに部外者生徒だろう!!!
「「「文章ちゃんの放課後特別授業とかケシカランだろう!!!」」」
立場が違えばよく判る言い分だが。
「チョット人数が多いから資料は二人一組で見てくださいね~」
事前に用意した資料を手分けして配る。
コピー紙の同人誌みたいな代物だが、素人拵えだしこんなもんだろう。
「では今日は第一部:冒険者の歴史から始めますね~」
「まず冒険者と言う職業が生まれる発端となったのは、西暦1950年当時に存在した中華民国の首都北京に世界初となるダンジョンゲートが発生した事ですね~。
最初は訳の分からない現象として存在が放置されていたんですが、次第に周辺各地にゲートが次々に発生して、中華民国人民政府が正式に調査を発表した直後にこちらもまた世界初のIFL、現代の通称:スタンピードが起きてしまいました。
この始まりのIFLにより、北京市は壊滅、周辺地域一帯にもモンスターが大量に残留する事態となり、事態を重く見た国際連盟の討議・投票により、当時開発された新型爆弾……後世現代において核爆弾と呼ばれる兵器が大量投下される事になりました」
「この最初の核攻撃により、世界最初のダンジョンゲートと周辺のダンジョンゲート及びモンスターは消滅しました。
ですが、その翌年には旧名:奉天市と呼ばれる区域に再びダンジョンゲートが発生、上海に逃れていた旧政府首脳陣の要請により、
2回目の核攻撃が行われた時にはダンジョンゲートは消滅せず、攻撃から半年後に2回目のスタンピードが発生、
モンスターの暴走を止める軍事力が周辺に存在しなかったこともあり、ソビエト・朝鮮……大韓民国?と旧中国全土がモンスターの生息地と化してしまいました。
これによりダンジョンゲートとモンスターの脅威が世界に知れ渡り、当時敗戦国としてGHQの統治下にあった日本国やドイツ・イタリアも軍隊の保有が必要となり、我が国は大日本帝国陸軍を前身とした日本国防衛陸軍と、大日本帝海陸軍を前身とした日本国防衛海軍が再結成される運びとなりました。
日本のこれらの動きとは別に、世界ではダンジョンゲートとモンスターの実態調査が急務とされ、アメリカを始め、世界各地から最高峰の人材が集められたダンジョンゲート調査隊が発足し、この調査隊の準備・支援部隊が後の世界冒険者協会の前身となります。
日本からも人材が数名派遣・参加して、”エダシマがあと5人いれば地球からダンジョンは駆逐できたと米大統領に言わしめた男””世界最初の迷宮踏破者”江田島 平八氏もその中に含まれています。」
「彼らの決死の覚悟と成果が”ダンジョン踏破によるスタンピード抑制の可能性”を示し、以後、ダンジョンの適切な管理が国家主導で行われてゆくことになりました。
当時は軍人主体で行われたダンジョン攻略でしたが、時代の流れと共に徐々に民間人への委託が行われるようになり、現代ではダンジョン攻略により生計を立てる冒険者が職業として認知されています」
「それでは今日はここまでにしましょうか、次回は明日の放課後です。近代史の予習にもなりますので、皆さんよく憶えておいてくださいね」
詰め込み教育ここに極まれり。頭から煙を吹き出す生徒が9割ほど占める中、こうして文章ちゃんの(地獄の)放課後特別授業は終わった……
謎の”歴史修正”が行われ、第二次世界大戦が早期終結した結果、日本に核は落とされませんでした。日本は判定負け扱いで見られています。
代わりにと言うのも何ですが、何故かお隣の大陸国家には2発どころではない数の試作核が国連決議により開発各国が性能試験とばかりに降り注ぎました。
その結果、ゲートは外部からの攻撃に謎耐性を身に着けたようです。
この世界の中国大陸と朝鮮半島と大陸北に国家と生存人類は”存在しません”
シュバルツバーツ調査隊?南極にゲートは(何故か)発生しませんでしたよ?