テラーノベル
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※ 呪術廻戦 BL 、原作 無関係 、ネタバレ要素少、死ネタ、五伏
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あの日、俺の中の宿儺があんたを殺した日。
俺の中にはあの日の記憶、あんたが真っ二つになった時の記憶が脳の内側へ鮮明に刻まれていた。
俺はあの日、沢山の人々を地獄へ送った。いや、俺が殺した人々は天国に行った人の方が多いのだろうが、地獄のような痛みによって天国へと送ってしまった。
俺が虎杖に言ったことを覚えているだろうか。
「俺たちのせいだ。」
違う、これは、俺のせいじゃないか。もっと抵抗していれば、俺に宿儺への体制があれば、宿儺に受肉されなければ、もういいなんて1度諦めなければ、もう少し、死んでしまう人達を減らせたのではないだろうか。
だが、俺はもう何があっても、人のために生きることを誓った。過去のことに縋っている場合じゃない。今でも呪霊は湧いている。そうやって、自分の情けなさに蓋をした。それでも耐えられなくなったのだ。
「死ぬ時は独りだ。」
あんたの言葉が頭から抜けない。
「本気でやれ。」
本気でやった。本気でやったら、あんたは死んだ。俺はそれを1番近くで見た。辛かったんだよ、しんどかったんだよ。
先生であり、小さい頃から面倒を見てくれていた親戚のようであり、そして何よりあんたは俺の
最愛の恋人だった。
最も愛していた人間を、自分の意思ではない自分の手で殺す感触をみんなは知らない。虎杖は同じようなことをした経験があるかもしれない。だが、最も愛していた人間を殺したことはないだろう。俺はそれを経験し、感触を覚えた。 自分の部屋で寂しくひとり、吐き気がするほどその 感触 を思い出していた。思い出して、思い出して、思い出した。吐き気が込上がってきた。急いで、便所に走った。
「ッ、おぇ”ぇ、っ、ぅ、おぇ”ッ…」
1度吐き出してしまえば、もう止まらなかった。
あの人の顔を、あの人の声を、あの人の名前を、あの人と愛を、吐き出してしまいそうで怖かった。いつか忘れてしまうのではないか。いつか顔を、声を、名前を、忘れてしまうのではないか。そう思えてしまった。
吐き気がすることはよくあった。身体が強い訳ではなく、風邪をひくこともあった。その時は毎度毎度五条先生がいてくれた。吐いた時も、泣いた時も、ずっと見守っていてくれた。だが、今は独りだ。あんたが言った言葉はこうだ。
「死ぬ時はいつも独りだ。」
あんたが、1人で死んだから、俺が死んでなくても、独りになっちまっただろ、このクソ教師。そんなことを考え、彼に暴言を吐いた。気付けば涙が溢れていた。
津美紀も五条先生も俺の前から居なくなった。独りだと思った。もうあの日々には戻れないと思った。孤独を感じた。
その瞬間、
ドンッッ!!
ドアを蹴る音がした。
悠「伏黒~!!」
釘「おい、むっつり〜。」
あいつらが来た、こんなところを見られては、そう思った時にはもう遅かった。
釘「あんた、何泣いてんのよ。」
悠「釘崎、、あの、直球すぎじゃ…」
釘「うるさいわね。」
釘崎に問われた。答えるしかないのか、と思い自分でも意外に早く受け入れ、口を開いた。
恵「五条“さん”が__」
釘「まさか、五条さんが死んだから~~とかいうんじゃないでしょうね。」
悠「釘崎..」
俺が喋ろうとした途端に言葉を被せ、俺の発言を遮った。
釘「あんたね、いつまでもいつまでも女々しいのよ。五条があんたにそんなメソメソして生きてて欲しいなんて思うわけないでしょ。私ら呪術師はね、死ぬまで一生呪いのこと考えて一生呪い祓って最後には仲間に託すのが使命でしょ。」
悠「ちょっとドストレート過ぎるかもしれないけどさ、先生はもう居ない。それは変わらないんだからさ、先生のしたことが意味のあることだって胸張って言えるように、切り替えようぜ。」
俺は涙がもっと溢れてしまった。
「すまん。」
その一言で、ふっと笑われた。
2人は俺の隣に座り肩に手を置き、
「独りじゃない。」
そう言いかけてくれた。
その日は3人で一緒に過ごした。
あの人の声と顔と名前を覚え出せないくらいの歳になっても、あの人から貰った愛を忘れない。あの人から教わったものを忘れない。あの人の感触を忘れない。決して忘れては行けない。
津美紀、五条“さん”。
どうやら俺は
独りじゃないらしい。
END
コメント
2件
はい、控えめに言って天才です(?) いや、ノベル上手すぎじゃないですか?!物語に引き込まれてすごく…凄かったです!!!(???) なんでしょう、語りかたが上手いです、分かりやすくて、悲しみとか、色々な物が頭に流れ込んでくるような、臨場感って言うんですかね… 死ネタって心すんごく抉られるけど、その分どう伝えるかとかが凄く難しいと思うんです、、、 釘崎と虎杖…|•'-'•)وナイス! こういう人たちにまた1人救われていくんだろうなぁ… 長文失礼致しました💦