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3話目の①。
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はるてぃーにこっぴどく怒られた数日後。そろもんとじおるの仲は深まった───という訳ではなかった。
最初こそ気にしていなかったじおるだが、そろもんから声を掛けられることが減っていることに気づき、焦燥感に襲われていた。これから芋チームを組むこともなくなってしまうかもしれない。
内心『嫌だ〜!』と泣いているじおるから怪訝な空気を汲み取ったそろもんは、さらに声をかけづらくなり、悪循環に陥りそうだった。はるてぃーは責任を感じて無駄に口を挟めず、ふたりを見守るだけで状況は変わらない。
しかし、耐え症のないそろもんは避けるじおるをどうにか丸め込み、今に至る。
「あのさぁー、じおるは俺のこと嫌いになったの?」
「⋯⋯い、いいえ、そういうわけでは」
ううっと唸ったじおるは勢いよく立って「こっコーヒーをお入れしますね!」と準備に駆け出した。そろもんはじおるの背を見て、頬を膨らませる。
「他のメンバーと本当に仲良くなれてないんじゃないかって不安になったのはわかるよ? でもなんで俺まで避けるの?」
じおるは答えられず、無言が続いた。豆を挽く音だけが響いて、この部屋が静かすぎることを突きつけられた。なにか答えなければならないと思えど、すぐに言葉が見つからない。いつもは韻を踏むほど言葉を考えるのが早いというのに、なぜ大事な今に思いつかないのだろうか。
そろもんは責めてしまうような言い方を反省し、彼の望む通り距離を置こうと決めた。むつけた声から一転、明るく「ごめん!」という言葉が放たれた。
「言い過ぎた! 俺と一緒にいるの嫌だよね! バイバイ!」
「へっ、ま、待って!」
一言も待たずに部屋を出ようとするそろもんを追いかける。じおるは半泣きの声で引き止めた。
「僕はっ⋯⋯───一緒にいたくない人に、コーヒーを入れたりなんかしない、です!」
丁度ドアノブに手が掛けられたところだった。色白い手が筋肉質な手に重ねられ、彼を引き止める。風呂敷に包まれた彼の表情を汲み取るのは難しい。
「行っちゃいやです⋯⋯ひとりに、しないで」
柔らかい力で手を絡ませる。出られないように指先を捕えて、逃がさないようにした。変わらない身長のせいで顔が近い。
「⋯⋯一緒にいて、いいの?」
「もちろん。TPできないんですから、そばにいてください」
ぐい、と引っ張られてソファーに戻される。
大人気なく抵抗する気も起きないし、なにより彼を一人にしたくない。そろもんはじおるの言うことを聞こうと決め、何もせず座り続けた。
気まずいのか、じおるは話すことなくコーヒーを入れた。そろもんの隣りに腰を下ろし、作りたてのコーヒーを手渡す。片方のカップにはミルクが入れられていて、飲みやすい温度と味にアレンジされていた。
今日はミルクティーの気分だと言っただろうか。そろもんが様子を伺って横目で見ると、じおるは慌てて不安そうにした。
「すみません、今日はミルクティーの気分かと思ったのですが、違いましたか?」
「いや、合ってるよ! じおるすげーなって思ってさ」
そろもんは差し出されたミルクティーを受け取り、すぐに口をつけた。まろやかな足が舌を滑って体内に流れ込む。程よい温かさで、よく火傷をする彼にとっては酷くありがたかった。
市販では味わえない風味がいい。これに慣れてしまったら、じおるが入れていないコーヒーは飲めなくなってしまうかもしれない。
「ん〜うまい! さっすがじおる!」
「ありがとうございます」
先ほどの冷えきった空気はなくなり、和やかな空気が漂う。そこでとんでもない爆弾を突き落とすのが才能であり、彼の面白さであるのだが。
「──────あ、じおるは俺のこと好き?」
―――
日にちが空いてしまってすみません。
全然進められなかったのでふたつに区切ります。
#キャラ崩壊注意