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「…男の人ってどうして食べるのが早いんですかね…。もっと味わえばいいのに。」
ため息混じりに呟くと、ゆっくりと箸を動かす。
すると店長は、困ったように眉を下げて笑う。
「はは、俺としては普通に食べたつもりなんだけどなぁ。藤塚さんはゆっくり食べていいからね。」
「もちろんそのつもりですよ。まあ、休憩時間の範囲内ですけど。」
そう言いながら、目の前の湯気を吹き飛ばして、冷ます。
店長が食べ終わったからといって焦って食べるなんてしない。
マイペースな性格だから、当然だ。
店長は、そんな私に苛立ちの色を少しも見せずにただにこにこしながら待ってくれている。
「店長って、普通の男の人と違いますよね。」
無意識にそんな言葉が喉から出ていた。これは、心からの本心だ。
黙って食べながら店長の反応を待つ。
「へ?そ、そうかい?どこら辺が?」
思った通りの挙動不審な態度。そういうところだと、突っ込みたくなった。
私は店長の方を見ないで、淡々と答える。
「んー…うまく言えないですけど…私が今まで援交でヤッてきた男達とは別次元の生き物です。」
「ふ、藤塚さん…」
自分のことのように、慌て辺りを見渡す。別に誰も聞いていないのに。
これじゃ、どっちが援交してるのか分かったもんじゃない。