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類「巴那って好きな人いる?」
寧々から聞かれた質問を思い出す
巴那「うーん…いない…というか、わかんないかな。恋ってものが。」
正直に話す
類「そうかい…見つかるといいね。運命の人。」
少し小さめの声で類がつぶやく
巴那「うん。見つかったら、いいな…なんて…あはは」
見つかってもきっと…
類「好きになってはいけない。と思ってないかい?」
類「コンプレックスとかを考えて」
図星だ。いつもこうやって恋というものを捨てる
巴那「そんなこと…」
実質をいうと気になっている人ならいる。
巴那「類は、”普通”の女の子以外に恋愛感情を持ったことがある?」
類「…あるよ」
巴那「みんなはそうなの…?」
類「みんながみんなではないだろうけれど、認めてくれる人は君の近くにいっぱいいると思うよ」
巴那「そっか。」
類「恋が叶うといいね。」
巴那「なっ!なんでわかるの⁈」
類「昔馴染み。だからかな」
巴那「それ、言い訳に使いすぎてない…?」
類「では、教室へ戻ろうか」
と、私が投げた言葉を聞きもせず歩き出す。
巴那「ちょっと!」
類(…)
類「〜〜」
類視点
類「恋が叶うといいね。」
思ってもいないことを口に出してしまった
本当はそんなことを思っていない
本当は、本当は
僕が君の隣にいていたい。
そんなことは心に秘めながら嘘をつきつづける
廊下に着くと司くんの背中が見えた
もう休み時間なのだろう
巴那「あ!司じゃん!」
と言葉を放ち、司の元へ歩こうとする巴那をみて無意識に袖を掴む
類「あ…えっと先に行っているね」
巴那「あ…うん!」
無理やり放った言葉を最後に朝の会話が終わる
私物を取りにロッカーへと向かっていると封筒が置いてあった。
『神代さんへ。今日、16時に屋上にきてください。』
というメッセージが入っていた
?「どうしたの?」
驚いて後ろを向くと寧々がきょとんとした目で見つめていた
類「あー少し手紙が入っていてね」
寧々「16時に屋上へ…?絶対に告白…」
類「告白…なのかい?」
寧々から出た意外な言葉に動揺する
寧々「どうせ断るんでしょ」
類「そうだけど…行ったほうがいいのかな?」
寧々「そこは任せる」
任せると言われてもなぁと思う
類「僕もいつか巴那に告白をする時が来るのだろうか」
ふと思う
寧々「するなら早めがいいんじゃない」
寧々に助言をされる
その言葉には説得力があった
巴那「類、どうしたの…って寧々?」
類「あ…は…巴那じゃあないか」
急に視界に入る巴那に動揺が隠せなかった
できるだけ目立たないように紙を隠す
巴那「? 16時に屋上?」
見えてしまっていたようだ
寧々「あ…宮本さん…これは…」
寧々も必死に隠そうとしてくれている
巴那「ショーのことかな?私のところには何もないから違うのか…」
巴那が笑う
こう言うところだけは鈍くて良かったと思ってしまう
寧々「あはは…なんだろうね」
類「はは…ほんとうにね」
巴那「ど…どうしたの?なんかあった?というか私何かした?そしたらごめんね…」
少し俯く巴那が見える
類「なにもないし、それは違うよ。ありがとう心配してくれて」
巴那「う…うん…それならいいんだけれど…」
寧々「じゃあそろそろ帰るね。」
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