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『束縛の中で』
tg視点
放課後、教室は静まり返っている。
一人きりで教室に残っていた俺は、ただぼんやりと窓の外を見つめていた。すると、ドアが静かに開いて、しおたんが入ってきた。
so ちぐちん、まだいたんだ?
しおたんは、いつもの優しい笑顔で俺に近づいてきた。
tg うん、ちょっとだけ…でも、そろそろ帰らないと…
俺は少しだけ後ろめたさを感じながら言う。けれど、しおたんはその言葉を軽く受け流すように微笑んだ。
so いいから、今日は帰らないで。俺と一緒にいたいでしょ?
しおたんは、まるで当然のように言った。その言葉に、俺の心が少しざわつく。
tg でも、今日は用事が…
言い訳をしようとしたけれど、しおたんは優しく俺の腕を掴んだ。
so ちぐちん、いいじゃん。今日は俺のところに来てよ。用事なんて後で考えればいいんだし
その言葉には、反論できない強さがあった。俺は思わず黙り込んで、しおたんを見上げた。
tg しおたん…
名前を呼ぶのは、少し照れくさい。でも、どうしてもその名前で呼びたくなって、口に出してしまう。
しおたんは、柔らかな笑顔を浮かべて、俺の頭を軽く撫でる。
so ちぐちん、かわいい
その言葉に、俺の顔が少し赤くなる。
けれど、その赤面を見られたくない気持ちが強くて、顔を伏せる。
so 俺の家来ない?
しおたんは、手を差し伸べて俺を引っ張るように歩き出した。俺はその手に引かれながら、自然とついていく。
しおたんの家に入ると、落ち着いた雰囲気の中に、どこか親しみを感じる。
ソファに座ると、しおたんはすぐに隣に座り、俺の肩に手を回した。
so ちぐちん、今日はゆっくりしていいんだよ
しおたんの声は、まるで俺を包み込むように優しく響く。その温かさが、少しだけ胸を締め付けるようだった。
tg でも、しおたん…
俺は何か言いたくても、言葉が続かない。どうしてこんなに緊張するんだろう?
しおたんは俺の顔をじっと見つめながら、言った。
so ちぐちん、俺と一緒にいると、安心するんでしょ?
その言葉に、俺は少しだけ考え込む。でも、心の中ではすでにその通りだと思っていた。
tg …うん、しおたんといると、なんだか落ち着く
思わず、口に出てしまったその言葉を、しおたんは嬉しそうに聞いてくれる。
so それなら、いいんだよ。俺も、ちぐちんと一緒にいたいから
しおたんは、俺の手を軽く握りしめた。その手の温もりが、どこか心地よくて、俺はすぐに安心してしまった。
tg しおたん…
言葉にならない思いが、胸の中でぐるぐると回る。
でも、俺はそのまま、しおたんに身を委ねてしまっている自分がいた。
so ちぐちん、無理しなくていいからね。俺がいるから
しおたんの言葉には、まるで俺を守るかのような強さがあった。
その優しさに、俺はますます心を奪われていく。
時間が経つのを忘れ、二人の世界に浸っていた。
でも、少しだけ不安もあった。これが本当に、俺の望んでいたことなのか、わからないまま、しおたんと一緒にいる。
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