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「あんなに簡単に魔界へ行けるなんて」
「しかも魔族たち、普通に人間と同じように
暮らしていたな……」
公都『ヤマト』の中の北西方面にある、
果実・各種野菜のエリアの『ゲート』から
出て来た男2人は、口々に今見て来たものの
感想を述べる。
「お城の中を通って来ましたけど、
特に敵意とかは感じませんでしたね。
もっと殺伐としているイメージが
ありましたが」
「んー、まあそのあたりはおいおい、
当事者に聞けばいいよ。
まずはここの冒険者ギルド支部に向かおうか」
続いて少女と中肉中背の男性が現れ、
合計4人は伸びをしたり周囲を見渡したり
した後、
最後の男性の言葉通り、目的地へ向かって
歩き始めた。
「『不死者』、か。
しっかしまあ、この年になってもまだまだ
初めてってのはあるもんだな」
冒険者ギルド支部のトップの部屋で、その部屋の
主であるアラフィフの筋肉質の男が―――
頭をガシガシとかき、
「ええと……
アウリスさん?
この方々と今日はいったいどのような
ご用件で」
創世神配下の人たちについては、以前
彼の結婚式に参加した際にある程度
情報は聞かされていたので、
私がおずおずとたずねると、まず銀の短髪を持つ
アラサーの青年がペコリと頭を下げ、
「ああ、あなたがシン殿ですね。
初めまして。
私はスクートと申します。
このアイクェル大陸から西にある、
アングア大陸―――
そこのルガシオン公国において、
聖金樹騎士団総司令を務めております」
かなりご大層な名前が出てきたけど、
とにかく偉い人らしいという事はわかる。
続けて、眼鏡をかけた、白髪の短髪の
アラフォーに見える男性が、
「俺の名前はウルフェンだ。よろしく。
まあ、この人の部下だと思ってもらえばいい」
「同じく……
総司令に従っているシミスといいます」
最後に、青いショートカットの髪をした、
10代後半くらいの少女があいさつをして来て、
「ん~、まあ何かワケアリって感じッスね」
「レイド!」
微妙な匂いを感じ取ったのか、次期ギルド長の
褐色肌の青年が発した言葉を―――
妻であるタヌキ顔の丸眼鏡の女性が注意する。
「諜報機関だとか秘密組織とか、こっちは
そういう連中とも付き合いがあるから、
別に構わんぞ?
まあ、無理に話せとは言わんが」
ジャンさんが気を使ってそう提案すると、
#主人公最強
杯雪乃
446
#カラスバ
小鳥遊
4,326
#現代ダンジョン
夜鐘
1,124
部下と称した男女が顔を見合わせて、
確認するかのように上司にあたる人物に
視線を送ると、
彼もまたコクリとうなずいて、それで
2人は口を開き、
「聖金樹騎士団第『ゼロ』軍団長だ。
お察しの通り非公式の組織だが」
「私は副団長を務めております」
と、ウルフェンさんとシミスさんが改めて
自己紹介する。
「聖金樹騎士団自体は公的な組織なんです
けどね。
どうしても表に出せなかったり、機密情報を
扱わないといけない場合がありますから」
スクートさんが申し訳なさそうに語る。
「それでね。
『境外の民』に彼らが
一目会ってみたいという事で来たんだけど。
どうかな?
実物を見た感想は」
からかうようにベッセルギルドマスター=
アウリスさんがそう話すと、『不死者』の
3人は私をじろじろと見つめ、
「魔力がほぼ、というか全く見られませんね……
非常に温厚な人物とお見受けいたしますが」
「ううむ。
過去にこんな『境外の民』がいたかな?」
「私も今まで数名会っておりますけど、
このようなタイプは初めてですね」
私は見た目通り人畜無害なんだけどなあ、と
思っていると、
「あー、でもコイツ思ったよりエグいぞ?
敵に対しては結構容赦ねーし」
「そうッスね。
こっちもドン引きする事があるッス」
「味方で良かったと心から思ってますー」
ジャンさん・レイド君・ミリアさんの
ギルドメンバー3人の言葉に思わず、
『ちょっ!?』と声が出て、
「え、ええと―――
それで我々が来た目的は、もちろん
『境外の民』に会うのもその1つ
だったのですけど」
「ええ、わかっていますよ。
亜神……
フェルギの事でしょう?
すいません、彼をここへ呼んで頂く事は
出来ますか?」
不安そうなスクートさんの言葉に、
アウリスさんは事もなげに答え、
「今なら児童預かり所にいるな。
おい、レイド。
ちょっと走って呼んで来てくれ」
「えぇ?
いやそんなの、魔力通信機で呼び出せば
いいじゃないッスか」
現ギルド長の言葉に次期ギルド長が言い返すと、
「ありゃ本来、緊急用のものなんだよ。
こんな事で使う必要はねえ」
「いや緊急といえばこれ以上の緊急事態は
無いんですけどね―――」
ジャンさんの言葉にスクートさんは
困ったような表情になり……
ともかく、フェルギ様が呼ばれる事となった。
「久しぶりだな。
スクート、ウルフェン。
そちらの顔は見覚えが無いが―――
お前も『不死者』だな?」
青と白の中間色みたいな色の短髪の、
ドラキュラのコスプレ衣装を着たような
7、8才くらいの少年が大人びた口調で話す。
外見こそ子供だが……
数百年封印されていた亜神・フェルギ様だ。
「彼女はシミスです。
あなたの封印時は、まだ後方支援で参加して
いたので」
「まあ俺様も、全員の顔を覚えているわけでは
ないしな。
それで今日は何の用だ?
また封印でもしに来たか?
それとも抹殺か?」
聖金樹騎士団と総司令の間で、ぶっそうな
会話が交わされるが、
「いや、また悪さとかしているのならともかく、
何でそんなに大人しくしているんですか?
というかその外見はいったい?」
スクートがたずねると彼は拗ねたように、
「知らん。
封印が解けてから俺様はこの姿よ。
むしろ貴様らの方がわかっている事では
ないのか?」
亜神が逆に彼らに聞き返すと、
「あの時はお前を封印する事で手一杯だった
からなあ。
魔力封じの魔法が効き過ぎたのかも知れん」
「え?
それで小さくなっちゃうものなんですか?」
と、部下の2人もよくわかっていないようで、
「まあとにかく、この公都でその姿だと、
子供という扱いにするしかなくてよ」
ギルド長がそう言いながら苦笑し、
「封印前には無かった極上の酒がたくさんあると
いうのに、他の子供らの手前飲めないからな。
ある意味生殺しよ。
料理やお菓子も確かにうまいのだが―――
やはり酒と一緒に食えぬとなあ」
不満をそう口にするが、その顔は幼子のそれで、
周囲は和やかな雰囲気になる。
「じゃあ、もう悪さをする気は無いのか?」
「ずいぶんと丸くなりましたね……」
ウルフェンさんとシミスさんがしみじみと
語ると、
「貴様らも公都を見ただろう。
創世神様の目指す世界がここにあるのだ。
俺様が手を加えるところなど、どこにもない。
それに、俺様が何かしようとすれば、
またそこのシンに能力を封じられるからな」
不意にフェルギ様から自分に話が振られ、
「?? 封じる?」
「魔力の無い『境外の民』が何をするんだ?」
『不死者』の男性2人が疑問を呈すると、
「ああ、彼に魔力は無いが―――
特殊な力があってねえ。
魔法だとか、彼の元の世界に無かった
ものは……
無効化してしまうんだよ」
エルフ族の青年の言葉に、『不死者』は
3人揃って目を丸くしていた。
「つまり、封印が解かれた原因は―――
シン殿がそこら一帯の魔法を無効化して
しまったからであり、
封印を無効化したのと同時に、彼の魔法も
使えなくしてしまったと……」
(■246話・はじめての いせき参照)
「あ、今はもう解除していますよ。
非常に友好的で、協力体制も出来て
おりますので」
問い質すスクートさんの横で、それを一緒に
聞いていたウルフェンさんとシミスさんは、
理解出来ない、というように目を白黒させる。
「まーだから、今のところ危険はねぇよ。
コイツの能力は魔法なら全て―――
魔力が関わる事も問題ない」
「だからある意味……
亜神以上の脅威とも言えるんだけどね♪」
公都のギルド支部長と、帝都のギルド本部長が
からかうようにそう説明し、
「え、ええと―――
そもそもフェルギ様と3人の方は、どうして
争ったのですか?」
私が話の方向性を変えようとそう話題を振ると、
「今となってはくだらんが、方向性の違いよ。
創世神様の教えに逆らう、もしくは妨げに
なるものは全て破壊すればいいという俺様の
考えと……
スクートを始めとする、可能な限り交渉を
前提とする考え方との違いが、あの争いに
繋がった」
「もともとあなたは、創世神教の裏の部分を
担っておりましたからね。
それが高じてああなってしまったと、
私は見ておりますが」
ああ、いわゆる非公式な部分で動く担当の
人だったのか―――
それに吸血鬼一族を従えていたのを見ると、
別に人間至上主義、という感じでも無かったし。
「……何か、俺が今やっている『ゼロ』軍団
みたいだなあ」
聖金樹騎士団第『ゼロ』軍団長がそう話すと、
「もともとあなたの組織は、フェルギが
担当していたのを模したものです。
ただあの時はメダルの表と裏のように、
それぞれが独立していて―――
相互に関わりが無かったのですよ。
その反省を踏まえて、私が全て統括するように
したのです」
「表のリーダーがスクート様で、裏のリーダーが
フェルギ……様だったというわけですか」
騎士団総司令の言葉に、『ゼロ』副軍団長が
返す。
「そういえば俺様のいた国はどうなった?
まだ存在しているのか?」
「とっくに3回か4回ほど国が変わりました。
今はルガシオン公国の一地方になっています」
「そうか」
あっさりしているなあ、と思いつつ、
「あれ?
じゃあどうして、こちらの大陸で封印
されたッスか?」
「そもそも、向こうの大陸での争いだったん
ですよね?」
当然の疑問をレイド君とミリアさんが
口にすると、
「そりゃまあ、規模のデカい爆弾は万が一を
考え、なるべく遠くに保管するだろ」
言い辛そうな3人に変わってジャンさんが
答える。
「も、申し訳ありません。
ですがこのアイクェル大陸は―――
500年ほど前はほとんど無人の
荒野だったんですよ」
「まさかこんなに人が増えて発展するとは、
思いもよらず」
スクートさんとウルフェンさんが頭を下げ、
「そういえば、あのゴーレム……
フェルギ様抹殺用に作られたものですが、
今現在、こちらで普通に暮らしていると
聞きました。
あれはいったい?」
次にシミスさんがレムちゃんの話に触れ、
「おう、アレか。
あれはもともとここで暮らしていた
ゴーレムの核を移植したものだ。
だから中身は全然違う。
あのゴーレムを子供同然に可愛がっていた
夫婦がいてな。
薬師と研究者だが、もし時間があれば
会いに行ってやってくれ」
ジャンさんの説明に、『不死者』3人は
理解するまで時間がかかったのか、
しばらく考え込んでいたが、
「あの『ゲート』とやらでかなり時間が
短縮されましたから―――
7日から10日は滞在出来ます」
ようやく騎士団総司令が答え、
「それなら、俺様が公都を案内してやろう。
それと俺様の配下であった吸血鬼一族も、
今はここで働いているからな。
貴様らと和解した事を伝えなければ、
いろいろ面倒な事になる」
「じゃあ夜を待って会うとするか」
「吸血鬼がお仕事をしているという時点で、
理解の範囲を超えていますけど……」
騎士団第『ゼロ』軍団長と副軍団長がそう
語ると、
「いや?
今は連中、普通に昼でも活動出来るぞ。
ここに来てから体質改善したようでな。
今では大半が夜に寝て日中活動するように
なっている。
まず今から連中に会いに行って……
それからパック夫妻のところへ向かおう」
「あとまあ、シン。
一応お前も同行してくれ。
お前さんがいればたいていの事は
大丈夫だろう」
ギルド長命令で、私は彼らと同行する
事となり、
「じゃあ、自分はこれで。
帰る時になったら迎えに来るよ」
そしてアウリスさんとはここで別れ、
『こんな時どんな顔をしたらいいか
わからないの』状態の3人を連れて―――
フェルギ様と私は冒険者ギルド支部を後にした。
「おお、フェルギ様!
それにシン殿も!
って、まさか一緒にいるその3人は……!?」
パープルの髪をワンレングスにし、片目を隠した
女性が驚きの声を持って出迎える。
彼女はオフェリアという吸血鬼一族の1人で、
今は公都の西南にある魚・貝の養殖&鳥の産卵、
そして酪農を扱う施設エリアにおいて、
主にヤギや牛の世話を担当していた。
「落ち着け。
確かに彼らはかつて敵対した者たちだが、
今はその気は無いと俺様からも伝え、
すでに和解済みだ」
「確か、あなたはオフェリアと言いましたっけ。
ていうか、本当に日光の下で平気なんですね。
健康的に小麦色に肌が焼けてまあ」
亜神の後に、呆れるような声でスクートさんが
確認し、
「はい。ここに来て日光浴が趣味になりました。
血を吸わなくてもトマトジュースや牛乳が
代用となるようですし、味も断然いいです」
あー、それで酪農に従事しているのか。
順応しているようで何より。
「それにここの料理は格別です!
そして何より―――
納豆さえあれば生きていけます!!
納豆最高ー!!」
ガッツポーズのように構えるオフェリアさんを、
困惑した目で『不死者』3人は見つめるが、
「まあなんだ。
という事で、俺様とコイツらが和解した事を、
他の吸血鬼一族にも伝えておけ。
この公都で騒動はゴメンだからな」
「わかりました。
では、直ちに!」
彼女はそう言うと、たちまち霧のように
姿を溶かし、見えなくなった。
多分、フェルギ様の命令通り仲間たちに
情報共有をしに行ったのだろう。
「じゃあ次はパック夫妻のところへ行くぞ。
今日は児童預かり所にレムはいなかったから、
多分そこにあやつもいるだろう」
頭を痛めたような表情の『不死者』たちは
何も言わず……
大人しくフェルギ様と私の後に続いた。
「おお!
あなたがあのゴーレムを作った方でしたか!」
「500年以上前の技術なんでしょう!?
ぜひとも詳細をお聞きしたく―――」
パック夫妻の屋敷兼研究施設兼病院に到着し、
事情を説明すると……
すぐに共にシルバーのロングヘアーをした、
夫婦がやって来て、彼らを質問攻めにする。
「お父さま、お母さま。
落ち着いてください。
相手の方々も困惑しております」
12・3才に見えるシルバーの長髪をした
女の子が、間に割って入り、
「そもそも私は自我なんてつけていなかったん
ですよ。
むしろそちらの方が驚きです。
ギルド支部で、もともとこちらで暮らしていた
ゴーレムの核を移植したと聞きましたが」
「あ、はい。
我が子同然に育てていたゴーレムの
レムちゃんです」
「以前は小さなお人形のようなボディに
入れていたのですが―――
こうして今は、こちらのボディを使わせて
もらっています」
自分を抹殺するために作られたからか、
顔がひきつるフェルギ様とは別に、
スクートさん・ウルフェンさん・シミスさんは
互いに顔を見合わせて、
「という事は、もともと野生のゴーレム
だったと?」
「それがこうして人間と同じ行動を取り、
しかもしゃべっている」
「もしかすると、ルガシオン公国より
技術レベルは上かも知れませんね……」
我が子とその技術を褒められて嬉しいのか、
パックさんとシャンタルさんは満面の笑みで、
そしてそれから研究者・学者としての情報交換が
スタートし……
小一時間ほど拘束される事となった。
「お世話になりました。
では、私どもはこれで―――」
「まだしばらくはこの街にいるから」
「でも今日1日で、300年分は驚いたような
気分です~……」
その後、彼らとは公都案内と称して、
児童預かり所や『ガッコウ』、また
亜人・人外専用居住地で他の種族の生活を
見たりした後、
最後は『境外の民』である私への事情聴取を
兼ねて、家族との顔見せを行い、
3人と亜神が帰る頃には―――
すっかり夕暮れ時になっていた。
「まー、シンとの付き合いも長くなるかもね」
「旦那様も『こっち側』だからのう」
アジアンチックな童顔の妻と、ドラゴンの方の
欧米モデルのような顔立ちの妻……
メルとアルテリーゼが手を振り、
「フェルギちゃんもまた明日なのー」
黒髪ショートに真っ赤な瞳の娘、ラッチが
亜神に声をかけると、
「いや、スクートたちが冒険者ギルド支部の、
来客用の部屋を用意されたらしいのでな。
彼らが滞在している間、俺様は同じように
冒険者ギルド支部にいるつもりだ。
何かあればそちらをたずねてくれ」
「そーなんだ」
「お疲れ様でした」
こうして私はやっと、彼らの公都観光案内から
解放されたのであった。
「あーもう何ですかここは!
散々悩んでいた私がバカみたいじゃ
ないですか!!」
その夜、『不死者』3人とフェルギは、
ギルド支部の来客用の部屋の1つに
集まっていたのだが、
「貴様らの懸念は―――
俺様がこの地を支配した後、再び世界へと
打って出ないかという事だったな。
前にも言ったが、ここは創世神様の理想を
体現した理想郷だ。
俺様が手を加える事など、何もない。
むしろ手を出したら許さん」
幼い子供の姿で、フェルギがグラスに入った
酒を飲み干す。
「ドラゴンはともかく、ワイバーンや魔狼、
他にも様々な人外が人間の姿になるとは」
「しかも飲み物や料理なども……
アングア大陸は元より、ルガシオン公国を
遥かに上回るレベルです。
『境外の民』であるシン殿が発端という
事ですが、いやはや―――」
ウルフェンやシミスも、お酒やつまみに手を
出しながら、その味を絶賛する。
「そういえばスクートよ。
貴様は聖金樹騎士団総司令という事だったが、
国王も兼任しているのか?」
「いえ、国王は別の方が担当していますよ」
「どうして貴様が王とならんのだ?
俺様がしていた事は、貴様の下に一元管理する
ようにしたのだろう?
ならば国家も管理下に置いてしまえば
いいではないか」
亜神からそう言われた『不死者』の彼は、
グイっと手持ちの酒を飲んだ後、
「『不死者』である我々が国のトップに
なるのは、いろいろと問題があるのですよ。
いわば神、もしくはその代理人のような
ものですから、我々が言う事行う事全て、
正しいという考えを持たれてしまう。
同時にそれは、それ以外は認めなくなる、
という危険をはらんでいるのです」
「一度正しい、と決めつけられたら、
もう誰にも止められん。
傷つけられようが、他を傷付けようが―――
どんな事を犠牲にしてでも突き進むのが、
正しいという事だからな」
「……フェルギ様なら、そのあたりをご理解して
おられるのでは?」
3人の言葉を聞いていた亜神は、『フン』と
一言発した後、
「相変わらずの苦労人でいるようだな」
「そうですよ!
大司教は穏健な方なのですが―――
その周囲というか周辺にクズが
多過ぎるんです!
だから上の命令に対してとらえどころのない、
のらりくらりとした返事をしたり、
うまくかわしたりして……
極端な考えにならないよう、コントロールして
いるのですが」
そこでフェルギはスクートに酒を注いでやり、
「だがまあ、そうであれば俺様のような存在は
もういないであろう?」
「少し前まではそうだったんですけどね―――」
亜神の慰めに彼は力なく答え、
「ああ、光聖勇者隊か……」
「今のところ、一番の悩みのタネはそれですね。
この公都なんてやつらに知られたら、タダでは
済まないかと……」
出来上がりつつある『不死者』たちに、
フェルギは酒を追加してやり、
「ふむ―――
そいつらはどういった連中だ?
詳しく聞かせろ」
そうして公都での亜神と『不死者』たちの夜は
ふけていった。
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おお、第332話読んだよ!不死者たちが公都に来て、シンやフェルギと交流する話、めっちゃ面白かったわ。 特に「魔力が全く見られない境外の民」って言われてたシンが、実は敵には容赦ないってバラされてるシーン、笑ったw 味方からしたら頼もしいけど、不死者たちからしたら「解読不能の存在」すぎるよな。 あとフェルギが子供の姿で「酒飲めないのが生♡♡♡」って愚痴ってるところ、ギャップ萌えすぎるw でも、昔は世界を敵に回してたやつが、今では公都の平和を満喫してるってのが、この世界の懐の深さを感じさせるな。 それにしても、スクートたちの「光聖勇者隊」問題、これからどうなるんだろう…。続きが気になる!