テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
微死ネタ が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
病室の窓から差し込む光が、少しずつ夏らしくなっていく。
わいは今日もキャンバスを抱え、病院の廊下を歩いていた。
看護師さんにも、もう顔を覚えられている。
「今日も来たんですね」
そう微笑まれるたび、小さく頭を下げるだけだった。
病室の扉を開ける。
いつもの景色。
白い天井。
規則正しく鳴る機械の音。
そして。
静かに眠り続けるci。
shp「……おはよう」
返事はない。
それでも、毎日声をかける。
いつ目を覚ましてもいいように。
いつものように話しかけられるように。
椅子へ腰を下ろし、キャンバスを立てる。
片手でパレットを持ち、もう片方の手で筆を握る。
昔は、この時に。
ci「今日はどんなん描くん?」
そう言いながら、ciが隣へ来ていた。
今は、その声もない。
静かな病室には、微かな作業の音が響いていた。
どれくらい時間が経っただろうか。
気づけば、キャンバスの上には少しずつ景色が出来上がっていた。
青空。
白い雲。
50
黒い希望
29
黒い希望
10
夏の日差し。
昔。
似たような景色を描いていた時。
ciは隣で笑いながら言っていた。
ci「これ見てたら、外出たくなるなぁ」
ci「今度、この景色見に行こや」
きっと、わいの息抜きも兼ねて誘ってくれたのだろう。
今ならわかる。
だが、その約束はまだ果たせていない。
shp「……起きたらいつか行こな」
小さく呟く。
もちろん返事はない。
それでも。
聞こえていると信じたかった。
コンコン。
病室の扉が静かに開く。
振り向くと、ciのお母さんが立っていた。
「今日も来てくれてたんやね」
shp「……こんにちは」
ciのお母さんは、キャンバスとわいを見比べて、小さく微笑む。
「今日も描いてたんやね」
shp「……はい」
少しの沈黙。
ciのお母さんは眠るciへ視線を向ける。
「この子、昔からshpくんが絵を描いてる姿を見るの、大好きやからね」
その言葉だけで、胸が締め付けられた。
ciのお母さんはわいの顔を見る。
「……でも、無理だけはせんといてね?」
「毎日来てくれるのは嬉しいけど……ちゃんと休まなあかんよ?」
shp「……大丈夫です」
本当はどうなのか自分にも分からなかった。
でも。
ここを離れる方が、もっと苦しかった。
ciのお母さんは何も言わず、少しだけ困ったように笑う。
「ほんまに、2人は似た者同士やね」
その言葉に少しだけ目を見開いた。
「昔から、一度決めたら聞かへんところ」
「心配になるくらい真っ直ぐなんやから」
思わず眠るciを見る。
shp「……そう、ですかね」
「ええ。よく似てるわ」
ciのお母さんには、小さい頃からずっとお世話になってきた。
わいのことも、本当の息子みたいに接してくれる人だ。
その人が言うのだから。
きっと、本当にそうなんだろう。
病室には、また静かな時間が流れ始める。
わいはもう一度キャンバスへ向き直り、ゆっくりと筆を動かした。
しばらくして。
ふと、筆先が思うように色を乗せなくなった。
shp「……あ」
筆先が広がっている。
何度も使ってきたせいか、毛先が少し傷んでいた。
このままでは、細かいところが描けない。
パレットを見る。
絵の具も何色か底が見え始めていた。
shp「……買いに行くか」
小さく呟き、立ち上がる。
いつもなら、「また?」と笑いながら、ciが買いに行ってくれていた。
でも。
今は自分で行くしかない。
キャンバスを片付けると、眠るciへ目を向けた。
shp「……ちょっと行ってくる」
返事はない。
それでもそう言って病室を後にした。
画材店は病院から歩いて十分ほど。
必要な筆と絵の具を買い終え、袋を受け取る。
店を出ようとして。
ふと足が止まった。
向かいには、小さな花屋がある。
shp「……そうや」
まだ、一度も花を持ってきたことがなかった。
少しでも病室が明るくなれば。
そんな思いで道路を渡る。
店内へ入ろうとした、その時。
先に一人の青年が花を選んでいた。
白衣を羽織り、艶のある黒髪がさらりと揺れる。
どこか儚さを纏ったその人は、淡い桃色の瞳で花束を見つめていた。
店員が出来上がった花束をそっと差し出す。
「お待たせしました。」
白い百合を中心に、優しい色合いでまとめられた花束だった。
店員は少しだけ寂しそうに笑う。
「………この花束は大切な方への墓花でしたっけ。」
その言葉に。
青年は花束を受け取りながら、小さく頷いた。
「……そうなんです。よく覚えてましたね。」
少しだけ目を細めて笑う。
その笑顔は優しかった。
けれど。
どこか、ひどく切なかった。
店員も静かに笑い返す。
「毎月、同じ時期に来てくださいますから。」
「今月も、とても綺麗に仕上げました。」
「ありがとうございます。」
「……彼奴も……shaも…きっと喜びます。」
そう呟く声は、とても穏やかだった。
青年は花束を大事そうに胸へ抱え、
「ありがとうございました。」
そう一礼すると、静かに店を後にした。
扉が閉まる音だけが、小さく店内へ響く。
その背中を、わいは少しだけ見送っていた。
どこか。
自分と似た空気を纏っている気がしたから。
「いらっしゃいませ。」
店員さんの声で我に返る。
shp「あ……」
少し頭を下げる。
「花束をお探しですか?」
shp「……はい。」
少しだけ言葉を探してから口を開く。
shp「友達の、お見舞いに。」
「そうでしたか。」
店員さんは優しく微笑む。
「何かご希望のお花や色はありますか?」
shpは少しだけ考える。
そして。
病室で眠るciの姿を思い浮かべながら、小さく答えた。
shp「……明るくなるような。」
shp「見た人が、少しでも元気になれるような花束にしてほしいです。」
店員さんは優しく頷いた。
「かしこまりました。」
「心を込めて、お作りしますね。」
しばらくして。
店員さんは、大切そうに花を束ねていく。
一本一本、丁寧に。
色のバランスを見ながら。
優しく包み込むように。
やがて。
「お待たせしました。」
そう言って差し出されたのは。
オレンジと黄色の花を中心に、白い花が優しく彩る花束だった。
夏の日差しのように温かく。
見ているだけで、少しだけ心が軽くなるような色合い。
思わず目を見開いた。
店員さんは嬉しそうに微笑む。
「お友達も、きっと喜んでくださいますよ。」
その一言に。
shpは小さく頷いた。
shp「……そうやと、ええな」
花束を両手で受け取る。
優しい花の香りが、ふわりと漂った。
レジで代金を支払い、紙袋と花束を抱える。
店を出ると、夏の風が静かに吹き抜けた。
shpは花束を大事そうに抱きしめる。
そして、病院への道をゆっくりと歩き始めた。
花束が揺れるたび。
鮮やかなオレンジと黄色が陽の光を受けて優しく輝いていた。
ただ一人。
花束を抱えて、親友の待つ病室へ向かった。
コメント
5件
ま、まじか…rbrさん来てるやん、てかrbrさんが定員さんに顔覚えられてるってことはshaさんが 亡くなって結構経ってるってこと…? そう思うとめっちゃ涙腺崩壊ですね。主さん天才やんか!!😭
まってrbrさんですやん😭😭😭 も〜ここ繋がってしまったら絶対ないてまいますよ😭😭
読了しました。第4話、とても胸に残る回でした。 花屋の一幕が特に印象的です。白い百合の花束を抱える青年の「…彼奴も…shaも…きっと喜びます」という呟き、その切なさと優しさが同じ病院へ向かうshpの空気と重なって、何とも言えない余韻を残してくれました。そしてshpが選んだ「明るくなるような」花束——オレンジと黄色、白。見た人の心を少し軽くする、そんな花を選ぶ感覚が素敵だと思います。 眠り続けるciへ向ける一途な想いと、少しずつ変化していく日常の描き方がとても丁寧で、続きが気になります。おむらいすさん、素敵な物語をありがとうございます。