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「此処は………何処だ………?」
目が醒めると、コンクリートで囲まれた空気が凍る部屋に居た。
どうやら私は手脚を鎖で繫がれているようで身動きが出来ない
クソが、ッッ……………私は今こんな茶番劇に付き合っている暇など無い…
早く数ヶ月前に失踪した儘音信不通のニコラーシャを助けなければならないのに………
「焦りは禁物ですよ。シグマさん
ショータイムはこれからですから」
そう言い暗闇の中から出て来たのは、ニコラーシャと共に姿を眩ましたフョードルだった
奴は胡散臭い笑みを私に向け、訳の解らない巫山戯た事を言い出す。
「何がショータイムだ。莫迦らしい……さっさと解放しろ。」
「へぇ………」
怪し気に眉を上げた奴は態とらしく大袈裟に振り返り、再び漆黒へと包まれる
………………一体…何が目的何だ…、
一人きりの時間を使い熟考していたのを全て台無しにするように私はヒョードルが持って来た物を見て酷く慟哭した
「は、…………………?」
「あ”…………………ぅ、」
フョードルが持って来た………
厭、引き摺り連れて来たのは数ヶ月前に失踪した筈の、無惨な姿になった我が恋人…ニコラーシャだった。
かろうじて生きてはいるものの、
身体は縫合した跡
打撲痕
切り傷
手跡等を見る限り相当酷い事をされてきたのだろう
明るく透き通っていた瞳はハイライトを無くし
もう何も写しておらず、気が狂った様にぶつぶつと何かを呟いている
声を荒げようとしたその瞬間。誰よりも先に行動したのはヒョードルだった
なんと、私の眼の前であるにも関わらずニコラーシャの身体を弄り始めた。そして愛撫も無く無理矢理彼の蜜壺に挿入した。
「あ”………………ぁ”、…」
どちゅッッッッ……ばちゅ…………。
恐らく何回も強姦され続けた彼は禄が切れていても抵抗する気力も無いのだろうか。目の端から微かに涙が頬を伝っている
助けようにも私は鎖に繋がれていてガシャガシャと目障りな音が木霊するだけだ
「ごめんな…………、ごめんなぁ……………、」
「ぅ゙……、…………あぁ、?」
ずりゅ、…………ぞりゅ、………。ぬぢゅッッ……
余りにも凄惨で残虐な所業に泣き叫び何もしてやれない事を懺悔するとほんの一瞬だけ、ピクリ…………と微かに瞳が私に焦点が合った。彼が私に気付いたのだ
その瞳は煌輝と輝いていて間違いなく”希望”が宿っていた。
まるで何も起こって無く幸せに暮らしていた以前の様に
「し…ぐま、…………く…ん…?」
「ニコラーシャ……」
また巡り逢えた幸せを噛み締める様に泣く私達を遮る存在がいた互いの再会を喜び名前を億劫に呼び合う私達を気に入らないのはどう考えてもヒョードル。
どう考えても一人しか居ない
「う”“………あ”あ”…あ”あ”あ…”ぁ”……………い…だぃ……ぐ、…る…じい………」
ずりゅ………………。ぞりゅ…………、
彼奴はニコラーシャの腹部の縫い目に手を掛け。塞がり掛けていた傷口をこじ開けたのだ
ぱっくりと開いた傷口からはどろどろと血液が徐々に流れ落ちて行く。
其の様はまるで砂時計の様であり彼の生命の燈火が吹き消されるまでのカウントダウンの様に見えた。
先程迄は正常位で行為が行われていたものの、ヒョードルの目論見によってゴーゴリは四つん這いにされバックの体制で行為が再開される
「う”“ぉ゙……ぇ………、ッッ………?」
ずぼッ………………ごりゅ……………、どちゅッッッ……
腹が開かれた為、ボドボドと傷口と彼の口吻から血液やら臓器が夥しい量出て来てコンクリートの床は紅色に紅葉する。
想像を絶する傷みを堪えるよう床に蹲り密かに泣く彼に何も出来ない無力さが私の良心を蝕む
「すまない、………………どうか……赦してくれ」
どれだけ泣き叫ぼうと、彼が傷付こうとも、この行為は止まない
「いゃ”……………じ、ぬ…………いたぁ、…」
ばちゅ、…………ずるッ…ぞりゅッッッッッッッ!!!!ぐちゃッ、………
「いたい、いたい、…いたい……いたい…いたい、いたい…
いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい………いたい、いたいよぉ、…」
壱時間ほど続いた行為の果てに遂に欲を吐き出したのかヒョードルが恍惚の笑みを貼り付け、ずるり………と凶器を引き抜いた
「見て下さいシグマさん、ゴーゴリさんの腸から僕の精液が漏れ出てますよ。此れこそ正に”此の世で最も美しい光景”では有りませんか?」
ヒョードルが私に見せてきたのは激しい行為の負担でコンクリートに擦り切れて腸に空いた穴からとくとくと精液が溢れ出て来ているという目を覆いたくなる様な光景で、
正にヒョードルのした事は悪魔の所業だったと言うことを表していた。
呆然と「殺して」と狂ったように呟く彼を見つめる事しか出来なかった私がきっと悪いのだろう
悪魔は…………果てしない暗闇の奥底から大きな鉈を取り出した。そして、恐怖に震えるニコラーシャの腕に標準を合わせ………………狂刃を振り下ろした
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”“”““!!!!!!!!!!」
バキッッッッ……ゴギッッ……
人間からしてはいけない音に私は本能的に目を瞑った
早く助けたいのに………拘束されてなければ…
「い”たい”!!い”た”い”!!やだ!!や”め”て”!!ぁ…あ」
ドギッッッ……………メギメギメギ……………
考えている間も暴行は止まず、再び苦痛の喘ぎが聞こえた事でまた彼に刃が突きつけられたことを悟る
「だずけて!!!ゆるしてよぉ、…………いだい!!ごろじて…!!」
ガギッッッッ…………ドスッッッッ………………、
辞めろ!!…………もう、辞めてくれ、、
「こ…ろして…………………ころし…て…なん…で……たすけ…てくれ…ないの…、?」
………………………………………………………………………………。
暫くぎゅっと目を瞑っていたが、其れも長く続かず血液のべっとり付いた生温い手で頬を打たれ目を開けると其処には此の世のものとは思えない惨状が繰り広げられていた
「ころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして」
手脚を無くし、腹部からは内臓が飛び出している我が恋人が、殺してくれと感情の無い顔で這いずる事も出来ず強請って来るのだ
「[[rb:執行人 > シグマさん]]。貴方の拘束を解いてあげましょう」
そう言った悪魔は執行人の拘束を解き、一つの神器を与えた
其れで…天使を殺せ。と
勿論私は悪魔の言う事等聞かず、真逆。フョードルの首に小洒落た装飾の施されたナイフの刃先を向けた
しかし、暫く拘束されていて起立性貧血を起こしていた私の攻撃が通るわけも無く軽々と止められ腹に蹴りを一発食らう
「うぐッ……………」
相当頭にきた様で笑みは崩さないものの、顔には青筋が立っている
「全く、歯向かわないでくれます?折角憐れな貴方に救済の機会を与えたというのに……次やったら僕が貴方共々彼を彼の世に送ってあげますから。」
呆れた様に溜息を付いたフョードルは私に再度ナイフを手渡した。
既にニコラーシャは虫の息で微かに呼吸をしながら殺してと繰り言を吐く
でも、殺す……のか、?私が……?ずっと付き添って来てくれた彼奴を…………?
駄目だ、二人の想い出が溢れてきて止まらない
でも、やらなきゃ、いけないんだと、震える手でナイフを持ち振り上げ
「はッー、……………はーッッッ、…………………、すまないッ、ニコラーシャ………こんな不甲斐ない私を、どうか、赦してくれ…」
彼………ではなく自身の腹へと突き刺した。
相当深い所まで刺さったようで鈍い痛みがジクジクと意識を蝕む
私もあと数分の命だろう。
「し…ぐまくん…?しぐまくん!!なん…で………どうし…て…ぼくが………わるいの、……」
お前は、何にも悪くない、
言葉だけで守ってやれなかった私が悪いんだ…………、
ごめんな……
「そうです。全て、全て貴方が悪いんです」
耳を貸すな
私を見てくれ
「ヒゅ、…………ごべんなざッ…………カヒュ、…ぼくもし「死ぬ事なんて、僕が許しませんよ。何で逃げようとしているんですか?ちゃーんと、己の罪に向き合って下さい」
………お前はなんにも…わるく、ない…
ごめん…な………どうか…
許してくれ…………
もうあと数秒で、私の命の燈火は吹き消されることが無くても消えてしまうのだろう。そう悟った私は遺言を考える
何で、幸せだったのに、何もしていないのに……こんな形でぶち壊されるんだろうな……
だってまだ、まだ、………言いたいことが沢山あるんだ、
だって、こんなところで終わってしまうだなんて…………わからないだろ、?
彼を遺して死んでしまう事
一度でも刃を向けた事
守り切れず、君が私を見殺しにするしか無い状況になった事
詫びたいことが溢れ出て………。
其れと共に彼と過ごした人生で最も楽しく充実した日々が、昔二人で見た映画の様に脳裏に雪崩込んでくる
嫌いだ、苦手だ、と言いつつ君といるのは心地が良かった
人のぬくもりも愛情も知らなかった私に優しさを教えてくれたのは紛れもなく彼で……太陽のような天真爛漫な豪快な笑顔が大好きだ。
食いっぷりがとても良くて美味しい美味しいといって食べるけど、頬に米粒が付いていたから取ってやったら顔を真っ赤にして照れてたお茶目で子供っぽい所が大好きだ。
天空カジノの運営に躓いて悩んで居ることを察して…敢えて何も聞かずそっと机の上にメモと缶コーヒーを置いてくれた優しさが大好きだ。
だから、だから…最期に君に、…伝えたいのは……
「私は……………………」