元愛犬の僕が、今世ではご主人様をお世話します

　怒涛の体育祭が終わり、期末テストも終わり、いよいよ夏休みが迫っていた。
　高校最後の一大イベントとはいえ、受験組にとっては勝負の夏でもある…はずなのだが。
「裕孝！夏休みどうする、どこ行くっ？旅行したい！泊まりたい！」
「いや、瑠斗…お前確か受験するんだよな？受験生なら夏休みの過ごし方がかなり重要だって分かってるだろ」
「そうだけど、高3の夏休みなんてじっとしてられないよ」
　瑠斗の言い分も正直分かる。大学に入ってからでも夏休みはあるけれど、「高校最後の」と付くと何だって特別感が出てしまうのだ。
　今という時は、当然今しかない。
　ただ俺と遊んだせいで瑠斗の勉強が遅れてしまったら…と思うと、旅行なんてとても無理だ。
「いや違う…」
「ん？何が？」
　…俺は心配なだけ。
　先の体育祭で自覚してしまった瑠＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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