朝になり、暖かい陽の光が窓から部屋に差し込む。
目を覚ましてすぐに澄み渡った青空が目に映った。
「今日は晴天か…」
起きた時間は7時前だった。そろそろ俺の弟である渚央が来る頃だろう。
『コンコンコン』『渚央です』
「どうぞ、入って」
『失礼します』『ガチャ』
「国王陛下、おはようございます」
「おはよう」
「早速、本日のご予定なのですが、13時から騎士団長との会議が入っております。他は特にないですね」
「ありがとう」
正直、会議はめんどくさい。しかし、国王陛下になってくれと前国王陛下に頼まれて承諾してしまったのだから仕方ないと自分に言い聞かせる。
「では伝える事は伝えたので僕はこれで…」と渚央が言いかけた時、
「ちょっと待って」と渚央を引き止めた。
「はい、何かございましたか?」
「俺と2人きりの時ぐらい、兄弟なんだし名前で呼んでくれていいんだよ?」
渚央とは血の繋がった兄弟なのに、俺は渚央が好きなのに、ずっと敬語で”国王陛下”と呼ばれ続けていたら気分がよくない。渚央には2人きりの時ぐらい、名前でも兄貴とかでもいいから”国王陛下”と呼ぶのをやめてほしいというのが俺の本心だった。
「ではお言葉に甘えて…、お兄様と呼ばせていただきます」
「それだったらいいよ(*^^*)」
「話は以上でしょうか?」
「うん、引き止めてごめん」
「いえいえ、お気になさらず…」
「では、失礼いたしました」『ガチャ』
渚央って意外と冷たいところがある。仕事の時なんかは特にそう。だけど…
これから2人きりの時は、”お兄様”と呼んでくれる事になった。これは俺にとってすごく嬉しい出来事であり、すごく幸せな事だった。
俺は渚央の事が好き。恋愛的に好きなんだとわかったのは高校生の時だったと思う。それぐらいの時に「渚央は誰にも渡さないし、俺だけの物にしたい」 という感情が芽生えだした。独占欲(?)というものなのだろう。そして最近、そろそろ告白しようかと考えている。
「あっ、そうだ。支度しないと…」
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会議の時間は13時からのため、それまで暇になる。読書でもしようかと迷っていた時だった。
『コンコンコン』『渚央です』
渚央が俺の部屋を訪ねてきた。
「どうぞ」
『失礼いたします』『ガチャ』
「どうした?渚央」
「急遽、騎士団長との会議が10時からになったそうで…途中で昼食を挟むそうです」
「騎士団長の都合か」
「はい、おそらくは…」
「10時からだと…1時間後か…」
「そうですね」
「暇なんだよねー」
「国王陛下が何言ってるのですか?w」
「渚央、今”国王陛下”って呼んだよね?」
「あっ…はい…」
「次、”国王陛下”って呼んだら…ね?」
「あっ…わ、わかりましたから…!///」
渚央の顔が少し赤くなっている。さっきまでは全く赤くはなかった。渚央が赤面なのは珍しい。
「渚央、何想像しちゃったの?」
「別に…何でもないですから…!」
「気になるなー」
「国王陛下には関係ないでしょう」
「あっ、今、”国王陛下”って呼んだね。それに国王陛下としては関係なくても、兄弟だから」
「何しようかなー」
「な、何するんですか?」
少し焦っているようにも見える。
「渚央はこういうのした事ある?」
「どういうのでs…」
「チュッ」
「…!?!?」
プハッ
「キス、した事なかったでしょ?」
渚央は驚きと困惑が混ざったような顔をしている。急にキスされたら誰だってそうなるだろう。
「した事…ないですけど…///」
「渚央ってそういうの弱いんだ…、ちょっとキスしただけで顔トローンってなってる」
「し、してないですから!」
この時、甘いような匂いが微かにした。それと同時に渚央が
「ちょっと用事があるので…失礼いたしました」と言って出ていってしまった。あの微かにした甘いような匂いは何だったのか。理由はわからないが特に気にはしなかった。
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