テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

新川崎駅から降りてきた人々は、いつもと変わりなく家路へと急ぐ。東京ジェノサイドが発生してからというもの、自粛や規制で飲食店の多くが倒産し、世の中は閉塞感に包まれていた。

ホテル グランドハイアット エイジアの煌びやかな外観の装飾は、この土地の住人にしてみたら日常の風景に他ならないのだろう。

ありふれた、あたりまえの存在なのだ。

三反園は、そんなことを考えながら腕時計に目をやった。


『20:00』


エイガと別れて既に3時間が過ぎていた。

未だに連絡は無かった。

助手席のひよりは、


「危険過ぎます。乗り込みましょう!」


と、何度も提案したが、三反園はエイガの諜報員としての腕を信じ切っていた。

その時、遠くからサイレン音が聞こえて、1台の救急車がホテルの前で停車した。

反対方向からは、パトカーのサイレン音も聞こえている。

慌しくストレッチャーを降ろし始める救急隊員と、ホテルから駆けつける従業員の姿を見て、三反園は車を降りて、大通りを渡って行った。

行き交う車のクラクションが鳴り響く中、ひよりもその後に続いた。

東京特別区とは違う、日常の世界が此処には存在し人々は生きている。

ひよりは一瞬、そんな風に考えたが、


「あいあいさあ!」


と、悪戯っぽく笑っていた青年の顔が、脳裏から離れないでいた。


東京が世界地図から消えたあの日の落日

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚