テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
人気の無い空き教室で、先生と2人きり。嫌な予感しかせんのだが…
担任の顔を伺ってみるも、その真顔に1ミリも変化は無い。はぁ。……よく見れば顔は確かにイケメンではある。黒髪塩顔で身長も高く、スタイルは抜群だ。まぁ、私もイケメン好きではあるのでこのシチュエーションにドキドキしないと言えば嘘になる。
「昨日のプロポーズのお返事をお聞きしてもよろしいですか?」
「えっと……そうですね。いきなりだったので、気持ちが追いついていないのですが………あの、理由とかってあったりします?」
「もちろん。一目惚れです」
「(なぜ一目惚れに自信を持てる??)…………いやぁ、でも年の差とか気になると思うんですけど……」
「私は全く気になりません。今年で29歳になりますが、人間なら誰しも恋をするものですので」
「…でっでも、結婚はできないですよね。私、17歳なので…」
「確かにそうですね。見落としておりました。では、結婚を前提としたお付き合いをして下さい」
お、折れないっ!!!意志強すぎるだろこの男!!
そっちがその気なら、私も徹底抗戦しなければっっ
「はっきり言いますが、お断りします!恋愛に興味ありませんのでっ!」
「私は、成瀬さんを愛しています。あなたでなければ駄目なのです」
「そんなこと言われても…困ります!」
「なぜですか?…どこがいけないのでしょうか?」
「もー…そういうとこですっ!!絶対恋愛経験ないでしょ??」
「…成瀬さんは恋愛経験がお有りなのですか?」
「あ、有りますよ。豊富に決まってるじゃないですかっ!!」
「では、恋愛のいろはを熟知していらっしゃるのですね」
「もっちろんですよっ!」
「ほう…それでは私に恋愛の指導をしていただけますね」
「あったりまえ!!………って今なんと??」
「私の恋の先生になって下さい。成瀬さんの豊富な知識を授けていただきたいのです」
What’s happend…?あーあ、なんてこった。今更、本当のことを話せるわけがない…嘘を吐き通すしかなくなってしまった。
「………わかりました」
「ありがとうございます。では、明日この教室でお待ちしております」
担任は顔色一つ変えずにそう告げた。