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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
彼女は少しだけ目を伏せる。
そして、ゆっくりと口を開いた。
🩵「…、お嬢様は婚約が決まっております。」
当たり前の事実。
🤍「……だから?」
🩵「これ以上、私が近くに居るべきでは無いと判断致しました。」
🤍「意味分かんない。」
即答だった。
🤍「近くに居るべきじゃないって、何それ。」
感情が抑えきれない。
🤍「今までずっと一緒に居たじゃん。」
🩵「それは過去の話です。」
🤍「今は違うの?」
🩵「はい。」
はっきりとした答え。
迷いなんてないみたいに。
🤍「っ…、」
言葉が詰まる。
こんな簡単に切り捨てられるんだ。
🤍「……最低。」
ぽつりと零れる。
🤍「ずっと一緒だったくせに。」
彼女は何も言わない。
🤍「勝手に居なくなって、勝手に決めつけて。」
🩵「お嬢様、」
🤍「私の気持ちは?」
思わず言ってしまう。
空気が止まる。
でも、もう引けない。
🤍「何も聞かないの?」
彼女の表情が、初めてはっきりと揺れた。
長い沈黙。
そのあと、彼女は低く言う。
🩵「……お聞きする資格がございません。」
🤍「は?」
🩵「私は執事です。」
また、それ。
🩵「お嬢様のご意思よりも、未来を優先する義務がございます。」
🤍「ふざけないで。」
今度は、はっきりと怒りが混ざる。
🤍「それ、ただ逃げてるだけじゃん。」
彼の手が、わずかに震える。
でも、言い返さない。
🤍「……もういい。」
力が抜ける。
🤍「分かった。」
諦めたみたいに笑う。
🤍「そこまで言うなら、もういいよ。」
それ以上何も言わず、背を向ける。
ドアに手をかけたとき。
🩵「……お嬢様。」
呼び止める声。
ほんの少しだけ、期待してしまう。
でも、振り返らない。
🩵「どうか_」
言葉が続く。
🩵「……お幸せに。」
ーーーーー
その一言で、 全部が終わった気がした。
🤍「……っ」
何も言わずに、部屋を出る。
廊下を歩きながら、
視界がぼやける。
🤍「……最悪。」
震える声。
止まらない感情。
“いなくなるかもしれない”じゃない。
もう、
いなくなってる。
NEXT.
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