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第4章〜将来の夢〜
ある日の朝。俺は寝落ちしていた。
昨日笹峰が言っていた月。連絡先は貰ったがまだひとつも連絡をとっていない。そして、今日も笹峰の手伝いとして教室に向かった。
何回も重ねていく度に、俺の気持ちが少しづつ変わった。昔の将来の夢は普通に働いて、普通の生活を送る。それが夢だった。そう。昔の俺に夢なんてないんだ。でも、今は違う。心の何かが動き始めた。俺は必然的に「人に何かを教えたい」という想いがぐわぁ!とおそった。
何を教えるのか。と聞かれると、現在は点字等について。
と言っても、俺自身点字なんて全くと言っていいほど分からない。だから俺は直接笹峰から点字について教えてもらった。モールス信号。これは覚える必要があると思った。
時が経ちしばらくした後、俺は点字を覚えた。
そして、将来介護の仕事につきたい人や、視覚障害者に寄り添いたい人などに講師として教えた。先生という立場は最初は嫌だったが、だんだんと教える。わかる。質問される。頼られる。これらが好きになって言った。
今俺は高校2年生。大学受験に向けた。面接練習が始まった。将来の夢について聞かれたら。
高校受験の時はこれは本当に答えにくかったし、答えることが出来なかったけど、今は答えれる気がした。
俺が今本当にやりたいこと。教師として働くこと。なんで視覚障害などの職業じゃないのかと聞かれたら、俺は人に教えることが好きになった。教師としてのやりがいや、思いやり。昔の俺にはなかったことを今後の子供たちにやって欲しくない。そういう思いがあった。
模擬面接官「将来の夢について教えてください。」
原西「はい。私の将来の夢は教師になることです。私は昔、意見がなく、教えることが嫌いでした。しかし、1人の視覚障害を持っている方に色々と教えて頂き、そこから手伝いとして講師をしました。最初は全く分からなく、大変でしたが、時間が経つにつれて、頼られること。質問されることがだんだんとすきになりました。私の周りには家庭環境や、人間関係で、学校に行けていない人たちがいます。私の目標は””夢や希望を与え、学校を思い出の場所にする””ことです。少しでもそういった人たちを減らし、寄り添い、平等に差別のない楽しい学校を作っていこうと思っております。以上が私の将来の夢です」
練習だと思い通りに言えた。
昔の俺は夢や希望を捨てていた側だ。でも、笹峰といると、自然と夢や希望を与えてくれた。そんな笹峰のことを俺は好きになっていった。
俺は講師として、笹峰と寄り添い、生徒たちにある言葉を伝えた。
「みんな将来のことを気にしたり、先のことを考えたりしてると思う。でも、未来を考えるより、今を大切にした方がいいと思うんだ。今を大切にしないと、あとになると後悔をし、良い未来は来ないと思う。今、好きな人がいたり、好きなことをしたり、些細なことでもいい。大切にして、かみ締めて、人を思いやって欲しい。自分がした行動は全て返ってくる。俺と笹峰先生はけしていい出会いではなかった。むしろトラブルが多く、転校させてしまうほどだった。でもそんな俺を変えさせてくれたのがこの笹峰先生だった。一生大切に。一生って取り戻せないけど、ずっと付き添っていくもの。大切な人と結ばれるのもそういうこと。だから、今を大切にして、過去を悔やまず、前をむこう。人間誰しも完璧ではない。何かしら欠点を抱えている。悩みを持っている。でも、それらを長所に行かせたら最高じゃないか?」
生徒たちはしばらく沈黙した後、拍手をした。笹峰は謎に涙を流していた。
そして俺は、笹峰を呼び出した。