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し「クロノアさん、大丈夫ですか?」
ク「ん…、だいじょぶ……」
僕は赤い顔で汗をかきながら ベットに寝ているクロノアさんに聞いた。
し「何か食べられますか?今、ぺいんとさんと ドラゾーさんが買い出しに行ってるので、食べたいものがあれば言って くださいね」
クロノアさんは目を細めて少し考えると
ク「今は、特にない… かな……」
ありがと、とクロノアさんは申し分けなさそうに答えた。
クロノアさんは、今絶賛お熱中なのだ。
昨日の夜、正しくは今日の早朝まで仕事をしていてそのままダウンしたのだ。
第一発見者のぺいんとさん は事件性のある呼び声を出して僕とトラゾーさんのいいモーニングコールとなった。
30分後、頼んだより多くの水分と、レジの店員さんもドン引きするのではないかと思うほどの量の薬と、その他もろもろを入れた大きな
袋を担いでぺいんとさんとトラゾーさんは帰宅した。
ぺ「おい、しにがみ。クロノアさんの調子はどうだ?」
なるべく小声でいようと心がけたのか ぺいんとさんとトラゾーさん(絶叫組)はマスクを装着している。
し「はい、今は部屋で寝てます。」
ト「熱は?何度だった?」
し「それが…頑なに測ってくれないんです…」
大したことないからと、クロノアさんは 体温計を受けとることなく、もぞもぞと布団のなかへともぐっていった。
ト「じゃー、今のうちにこっそり測っちゃう? 」
トラゾーさんは片手に体温計を持って不敵に笑ってた。
ぺ「そうするか!」
し「まずは状態を見ないですしね!」
と満場一致でクロノアさんの部屋へと向かった。
ゆっくりと戸を開けると、戸は ギィ… と鳴ったが、クロノアさんは暗い部屋で苦しそうに呼吸をしながらうなされていた。
だが、僕達が枕元へ行って、脇に体温計をさしてもクロノアさんは気づかなかった。
数秒後、ピー、と体温の測定が終えたことを示す機械音が鳴る。
僕たちは体温計に記された数字を見て絶句した。
39.6℃だったのだ。
いやいやいや!!これは大したことないというレベルじゃない!!もう即病院案件だ!!
ぺいんとさんとトラゾーさんと目を合わせる。
二人とも、 特にぺいんとさんが今にも叫びだしそうだったが、本人とトラゾーさんの手によってマスクで覆われた口をさらに覆っていた。
その時、 クロノアさんがうぅ…とうめいた後、汗でびっしょり濡れた顔をこちらに向けて、うすく目をあけた。
クロノアさんは目の前の三人の形相を見て状況を理解したらしい。
ク「…えー…と、ばれちゃっ…た……?」
次の瞬間にはクロノアさんを捕まえて、病院まで連行したのは言うまでもない。
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