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第6章〜手紙の特攻。〜
特攻出撃前日。
池谷さん「桜ちゃん。本当に行かなくていいの?」
私「大丈夫です。行ったら、また、悲しくなっちゃうし。」
池谷さん「あら。そうなの。」
私は頷きながら部屋を掃除していた。すると。隙間に何を見つけた。
「桜へ。」
誰が書いたのか裏を見ると「柳岡 悟」
と書いてあった。
私は思わずその手紙を開けた。
「桜へ。
君は色々と私に教えてくれた。そして。私は君に教えていないことがひとつある。それは、”紫苑”の花言葉だ。今ここで言おう。紫苑の花言葉の意味は”君を忘れない。”だ。私は戦争に行って特攻に行く。君には生きて帰る。死なないと言ったが、それは無理だ。特攻は必ず死ぬ。でも忘れないでほしい。私が死んでも君の心には常に生きている。君にまるで妹みたい。と言ったな。ごめん。あれは嘘だ。君のことを私は好きなんだ。愛すべき人だと思った。だから、妹みたいだな。と言った。君のことは忘れない。そして、私は負けない。お願いを聞いてください。私の分まで生きて。私の分まで明るい未来を築いてください。私は、君のために逝きます。戦争なんてなくなってしまえばいいと思っている。私も。戦争のない時代に生まれて、君と生涯を共にして生きたかった。何気ない生活。裕福じゃなくてもいい。君と過ごしていきたかった。でも君が死んでしまったら元も子もない。私が愛すべき人は桜だ。悲しいこと。辛いことがあっても。どうか私のことを忘れないで、力強く生きて欲しい。桜。君の名前は素晴らしい。桜のように鮮やかで、真っ直ぐに咲いてくれ。君に出逢えた奇跡を私はここでかみ締める。そして私は1隻の空母を沈める。もしラジオで敵空母撃沈の放送がかかったら私が倒したと思ってください。
桜。ありがとう。さようなら。」
その手紙を読んでいると涙が止まらなくなった。泣き崩れた。悟。私だって、悟と共に生きたい。紫苑。”君を忘れない”。別れを悲しむ花言葉。まさに今のためにあるかのよう。悟のいない世界になんの価値もないよ。悟がいるから私は生き残れた。なのに私は何も。
この手紙は特攻のように私の心に真っ直ぐと飛んできた。こんな。特攻手紙。
明日出撃。空母を沈めて欲しいけど。勝てなくても、私の心に。しばらく泣き続けた。一生分泣いたのか。と言うくらい泣いた。悟とこんな形で別れるなんて。まだ、一緒にいたいよ。またあの草原に行きたい。
神様どうかお願いです。悟を生き残らせてください。特攻として、活躍して、生き残らせてください。私の生きがいは悟なんです。私に何が起ころうとも、我慢します。精進します。お願いです。悟と、未来を共にしたいです。
そうして、こうはしておけない。
すぐに悟が出撃するところに向かわなくてもは。
でも、私がいったら。
分からない。分からない。悟を集中させてあげたい。でも会いたい。最後に、会いたい。感謝の気持ちを伝えたい。どうすれば。
そして、ついに出撃当日。