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ノートにこれからの進み方、出てくる人達、記憶にある通りを大雑把に書き写した。ストーリーが大きく変わった箇所、それが
・シャルロットがロイと同部屋ではなく、代わりにルカと同部屋だった。
・ルカと言う人物は小説内で出てきて居ない。
・ロイに好意を抱いているキャラは全員生徒会で、”ルイス・レイート” “ミル・アーシャ” “ロイドシーシア”そして、”ルーカル・ファスト”
ただ、今の生徒会にルーカル・ファストの名前は無い。ルーカル・ファストは1年生だがロイと同じで生徒会に入っていた。
小説にも、表紙にも書かれていたルーカルの特徴は”黒が混じった灰色の髪”
碧がこの世界に来たことで何かズレたのかは分からないが、ルーカルは性格が変わり、本名を隠して、今ここにいる。推測があっているなら、いや。
ルカは、ルーカル・ファストだ
(でもなんでロイの傍にいずに俺の傍にいるんだ?)
何で俺のそばに居てくれる?
…俺と仲良くして、裏切るとか…は
「それはっ、いや、だな…」
考えるだけで胸が締め付けられるような痛みを感じた。
今を終わらせたくない、お願いだから、居なくならないで そう願うしかなかった
「?…シャル、元気ないね」
あの後から眠れず、ベッドで起きたまま一夜を明かしていた。目の下にに隈を作り、ぼぅ、として、何度もため息を吐き続けている。そんなシャルロットにルカが心配そうに顔を覗き込む。
「…そんなことない…」
「…ねぇ、今日話したいことがあるんだ、夜に時間ある?」
いつものやんわりとした空気が、今は少し重たかった。
「あ…うん、ある、よ?」
「良かった。夜、寮で待ってるね」
微笑みながら手をひらりと降ったルカは、先に教室に行ってしまった。
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「ここは________で」
「________に_____」
その日は授業内容が頭に一切入らなかった。机に突っ伏して、まだ一文字も書いていないペンを握り、目を強く瞑る。心臓がうるさく跳ね続けている。
シャルロットは、珍しく傍に居なかったルカに対して不安がつもり続けた。
ぼんやりしている間に授業は全て終わり、食堂で夕食を取り終わると、外はもう暗くなり始めていた。いつもなら食堂ではなく寮で食事を済ませるが、今日は寮に足が進まず、食事で食事をとった。あまり、食べられなかったが。
ドクドクと心臓が鳴り、呼吸が浅くなる。髪から解いた元結を両手で握りしめ、顔の前に持ってくる。
「…ルカは、そんな事、しないよね…?」
ぽつりと呟かれた言葉は誰もいない廊下へ消えていった
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入学した時、ザワザワと闇属性についてざわめく生徒に達、誰も近づかず、離れていく。
入学してからロイとルイス以外と初めて話したのが、ルカだった。シャルロットのことを避けていた生徒もルカのおかげで冗談を言えるくらいには仲良くなれた。
元々、前世のあの日から友達を作る機会が減り、話しかけるタイミングが分からなかった。だからこそ手を引いて、クラスメイトの元に話しかけに連れていってくれたルカに助けられた。
「ここまで上手く行けたのはルカのおかげなんだ…」
何を言われるかなんてまだ決まっていないのに、離れられるんじゃないかという不安が脳裏を離れなかった
重い足を上げ、寮へ歩いた。
我ながら、依存してしまっていると自覚しながら。
「シャル。」
「?…ルイス様」
歩いているシャルロットに声を掛けたのはルイスだった
「今日はあいつ居ないんだな」
「あいつ…ルカの事ですか?」
「嗚呼」
「ルカは先に帰ってますよ。」
「ルイス様はどうしてここに?」
思っていた事を問いかける、ルイスは腕を組み表情を変えないまま答えた。
「ロイを迎えに行くんだよ。」
「そうなんですか、ロイお兄様なら食堂にいると思います、行ってあげてください。」
目を見開いき、驚いたような表情を少しだけして、いつもの顔に戻った
「…前みたいに引き止めないんだね」
「…はい、前は俺の心が幼稚でした、俺の好意をルイス様に押し付けるような事はもうしません。」
「…そう、じゃあまたね」
「はい。」
ルイスと別れ、再度寮へと足を向けた
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「ん…シャル、おかえり。ココア用意してあるよ」
部屋に入るとベッドに部屋着で腰掛け、サイドライトをつけ、本を読んでいるルカがシャルロットに声を掛け、立ち上がり、ポットに入っているココアをコップに移した。
(無言が苦しい!)
冷や汗をかき、そんな事を思っていると、沈黙を破ったのはルカの方だった。
「____…俺、シャルに秘密にしてることあってさ。なんか、今言わないとダメな気がして…」
「…..うん」
「それを聴いても、シャルは信じてくれる?」
不安で揺れるルカの瞳がシャルロットを見つめた。
「嫌わないでいてくれる?」
「うん、信じるし、嫌わない」
「…俺も秘密にしてることがあるから」
ルカはふぅ、と息を吐き、シャルロットの顔を見た
「…うん、聴いて」
ぽつり、ぽつりと話し出したルカの話をゆっくりと聴く。
「俺の本当の名前はルーカル・ファスト…違う世界線って言うのかな、俺はそれを知ってるんだ」
「…違う、世界線?」
「うん、俺はシャルロットの傍には居なくてロイ様の傍に居るはずだったんだ」
「…なんで俺の傍に居てくれるの?」ずっと思っていた言葉が思わず出てきて、その言葉にルカは目を丸くする。うっとりと頬を赤らめて微笑む。
「…シャルロットの事が好きだから」
「え…?」
「シャルロットはルイス様が好きで、俺はただの片思いだった、全部を知ってる訳じゃないけど、その所為でシャルロットが苦しんでたのはわかったんだ。」
「でも、今のシャルは、シャルロットとは全く違って、ルイスに距離を持ってる」
「…あの時は俺の気持ちを伝えなくて後悔した…なんで何も出来なかったんだろうって、なんで伝えなかったんだろうって…」
「だから…だからもし」
カシャン。空になったコップを見つめていたシャルロットを、ルカが抱きしめる。シャルロットはその衝撃でコップを落としてしまうと呆気なく、簡単に割れてしまった。
「ルカ…?」
「もしやり直せたら、あんな運命にならないようにって…」
自分勝手だってわかってる、だけど、せめてっ、あんな結末にならないように
シャルロットの処刑が行われたことは、ルーカルに知らされていなかった。
全て知った時には、もう、シャルロットは居なかった、全て、遅かった。
_____違うよルカ、俺はお前が愛したシャルロットじゃない。
「おれは、”おれ”はちがうんだよっ」
ルカの胸を手で押し返し、目に涙を貯めだしたシャルロットにルカは首を傾げた
「…シャル?」
「俺はっ!お前が愛した、シャルロットじゃないっ…頼まれただけなんだ…」
「あの時のシャルロットじゃないのは分かってるよ…でも、頼まれた?」
シャルロットは自身の髪をぐしゃりと掴み、蹲った。ルカはそんなシャルロットの手を優しく解いてやり、頬を挟み、顔を上げさせる。
「俺は…シャルロット・ウィル・メルーデルなんかじゃない、ただの、偽物なんだよっ…」
「は___…ぇあ…、いやちがっ」
気づいた時にはもう遅くて、出てしまった言葉は取り消せない。言ってしまった、 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう___________________
「シャルロット!」
視線が合わなくなり、機械の様に「ちがう…」と繰り返すシャルロットの頬を手で挟み込み、優しく声をかける
「おみや、あお?…なんだね?」
「ぁお、は頑張ってるよ、シャルロットの代わりに頑張ってくれてありがとう」
慣れない発音をどうにか真似る。シャルロットじゃなくて碧を見てるよ。と伝わって欲しくて
「今の俺はね、あおだから好きなんだよ、前のシャルロットも好きだった、だけど今のシャルが俺は好き」
合うようになってきた視線。頬に置いていた手を離し、シャルロットの手を取る
「甘いものが好きで、寒がりで、嫌な事が顔に出やすくて、褒められて慣れてなくて、頑張り屋のシャルが好きなの」
「ばかだよ、ばかっ」
「馬鹿だよ俺は、頑張ってくれてありがとう、信じて話してくれて、ありがとう。」
「こんな馬鹿な俺だけど、付き合ってくれたら嬉しい」
「こんなとか言うなよ、好きだよ、大好きっだよっ」
一度溢れ出た涙は止まらなくて、何故かルカも泣いてて、数十分は、抱きしめあって泣いていた。
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ルカに冷えたタオルを貰い、目に乗せベッドに寝転がる、ルカはシャルロットのベッドに腰掛け手を握っている。
泣いた余韻もなくなり、熱くなって腫れた目も落ち着きを取り戻した。
これから起こる事への作戦会議。記憶の共有を始めた。
「…あの時の魔道大会は俺が決闘を申し込んだんだよね」
「ああ、でも多分他の3人に決闘申し込まれると思う」
「うん、あの時は俺が申し込んでなきゃ3人の誰かが申し込んでたしね、可能性はあるよ。」
魔道大会でシャルロットはルーカルに決闘を申し込まれた。理由は、記事に乗ったシャルロットがロイを虐めている。という内容を見たからだ。ルーカルとシャルロットは戦い、シャルロットが勝った。だが、反則をしたんじゃないか、と一部の観客が叫び、判定ができず試合は引き分けとなった。
顔を上げた二人の視線が、意図せず合い、吹き出して笑ってしまう。
「よしっ、色々あったけど、これで協力者ができた。HappyENDで終わらせよう」
「もちろん。シャルの人生は俺が守るよ。」
シャルロットの目的は”シャルロット”達をHappyENDに向かわせること。ルカはシャルロットを助けること。
碧の世界の事、碧の事を布団に入りながら眠気を待ちながら話した。
ふと、碧が「そういえば、ルカのツンデレキャラどこにいったの?」という疑問がルカをバグらせたりもした。
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「どうした!?」
薄暗くひびが入っていた空間は、少し明るく、ひびも少なくなっていた。
「はぁ、一体どうなるのかと思った…」
シャルロットが両手で頭を抱え、碧の目の前でしゃがみこんでいた
「ご、ごめん」
「碧に全部背負わせすぎたな…」
「全て任せてた…悪い…」
「ううん、大丈夫。」
「…ただ、一つだけ」
碧が俯き、手をモジモジといじり出す。
「シャルロットの身体で幸せになってもいいのか?とかいうんだろ」
「え、、あ、うん」
ゆっくりと立ち上がり、ため息を吐いて言うシャルロットの言葉に図星をつかれ、少し動揺する。
「その身体はもう碧のだ。魂だけのオレは何も言わない」
「それが仮に、1度死んでいたとしても。今はオレとして生きてる。」
「…いいのかな」
「いつからそんなにいじいじするようになった?お前はもうオレだ。好きに生きろよ」シャルロットはやれやれ、と首を緩く横に揺らした
「…ありがとう、シャルロット」ふんわりと頬を赤らめ、笑う碧に、思わず
「は、はぁ!?別にお前の為じゃねーよ、ばーーか!」
と叫ぶ。シャルロットはたまにツンデレが憑依するらしい。
分かりやすいツンデレで顔を赤くしながらシャルロットに「さっさと起きろ!」と背中を押され、視界が暗くなる。
目覚める前、一瞬、頭を撫でられた気がした
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朝日がカーテンの隙間から射し込み、目をゆっくりと開ける。何故か昨日同じベッドで寝て、同じく目を開けたルカに挨拶をした
「ん…おはよ、ルカ」
「おはよ、シャル」
朝食を取りながら、昨日、寝落ちしてしまって聞けかなかったことを問う。
「あの時なんでルカが決闘申し込んだんだ?」
「ん゛っ…」
食べていたパンを詰まらせ、目をキョロキョロ動かしながらミルクを飲み干した。
「ん…?」
冷や汗を書き、目を逸らし、口を開く
「カカワリガ」
「関わり?」
「決闘くらいでしか…話しかけられない…というか」
「決闘申し込んだら…嫌われても…関わり持てるかな…って」
初恋、拗らせツンデレだったルーカルは普通に話しかけられず、他の3人が決闘申し込むぞ!と話になった時に「話せる!?」となったルーカルが名乗り出たそうだ。
「くふっ…んふっ…」
「ダサくて悪かったデスネ!!!」
「もうやだああああああ」と赤い顔を手で覆いながらでかい身体でゴロゴロ転がるルカに更に笑う。
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8話 エンド 12⁄2
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